野球小僧

第101回 全国高等学校野球選手権 徳島大会 決勝 富岡西高 vs. 鳴門高

第101回全国高校野球選手権(8月6日から16日間、阪神甲子園球場)は7月30日、徳島大会で決勝が行われ、新たに2校の甲子園出場が決定しました。これで全49代表が出そろいました。

今大会、49代表最後を決める徳島大会は鳴門高8-1で富岡西高を下し、昨年に引き続き、2年連続13度目となる夏の甲子園への切符を手にしました。

鳴門打線は12安打で8得点。投げてはエース西野選手が富岡西高打線を4安打1失点に抑えて完投。今春の選抜大会に21世紀枠で出場した富岡西高は打線がふるわず、春夏連続の甲子園出場はかないませんでした。

試合は、初回に1点ずつ取りあったあと、鳴門高は4回に1アウトから藤中選手、納田選手、原田選手の3連打で満塁とし、エースの西野選手が2点タイムリーヒットを放って勝ち越し。6回には1アウト一・三塁から西野選手がスクイズ(記録は内野安打)を決めて1点を追加。7回には3安打と相手のエラーなどでさらに1点を追加。9回にはスクイズと納田選手の2点タイムリー2ベースヒットでダメ押しの3点を奪い、試合を決めました。

富岡西高は1回に先頭・山崎選手のヒットで出塁。相手のエラーと暴投で生還し同点。しかし、鳴門高の西野選手に4回から7回までは三者凡退に封じられ、反撃の糸口をつかめませんでした。守備の4つのエラーも響いてしまいました。

鳴門 100201103|8
富岡西100000000|1

富岡西高は今春の第91回選抜高校野球大会に21世紀枠で春夏合わせて、甲子園に初出場しました。21世紀枠というと、失礼ながら弱いイメージがあるのですが、この選抜大会で優勝した、愛知・東邦高と堂々と渡り合いました。ちなみに、選抜大会では応援団が最優秀賞を受賞しました(https://blog.goo.ne.jp/full-count/e/4bba8c0d3c699684c7c43d9bec8b4225)。夏の甲子園で、その応援が見られないのは残念ですが。

富岡西000001000|1
東邦 00100020x|3

この試合では、自分たちの野球を貫いて善戦。思い切りよく動けるようになったと、手応えを深めた選抜の経験をこの徳島大会でも活かしてきました。

その特徴が選抜大会でも話題になったノーサイン野球です。「自ら考えて動けるようになる方が、作戦の成功率が上がる」と言うのが硬式野球部を率いる小川浩監督です。母校の富岡西高を率いて通算12年目、高校野球監督生活33年目です。

お父さんが学童野球の監督だったという理由で、小学四年生から野球を始めました。中学時代からは野球に没頭。四国大会や甲子園の試合を見て「高校野球の指導者への憧れが芽生えた」そうです。

富岡西高ではピッチャー。エースとして臨んだ三年生の夏にベスト4。国学院大卒業後に母校に戻り、監督就任1年目で県秋季大会で準優勝し、初の四国大会へ導きました。副部長だった2008年には21世紀枠候補校となりましたが、甲子園出場は果たせませんでした。

6年前に耳にした、「野球部出身者は指示待ちだ」という言葉が、現在の選手の自主性を重んじる指導法の根底にあるそうです。練習メニューは選手が主体的に決めて、自主的に組んでいます。そして、試合でもここ一番以外は選手に状況判断を任す「ノーサイン野球」を徹します。

休日の練習は校内や学校周辺の清掃活動から始め、「野球をとおし、社会で活躍できる人間になって欲しい」と話します。

県内有数の進学校、富岡西高がノーサイン野球に取り組むようになって約7年。その間に着実に実力をつけてきており、自力での甲子園出場まで、もう少しのところまでです。

ちなみに、富岡西高の理数科の偏差値は61です。

富岡西高硬式野球部で野球したいのであれば、素振りよりも勉強しなければならないのは、言うまでもありません。

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