世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級タイトルマッチ12回戦が22日に行われ、チャンピオン”神の左”・山中慎介選手が同級1位のスリヤン・ソールンビサイ選手に判定勝ちし、7度目の防衛に成功しました。
神の左
24戦22勝(16KO)無敗2分
ボクシングを始めることになった南京都高(京都)で、当時の監督だった故・武元前川先生にサウスポースタイルに矯正させられました。その武元先生の教えるストレートは「小手先だけではなく、しっかりと肩を入れて打ち込む」というもの。そこで身につけた基本が“神の左”の原点となります。
対戦相手からは「左のパンチが来るのが、判っているのに避けられない」「顔の前でパンチが伸びてくる」「パンチが大きく見えた」「あんなパンチは、最初で最後」と言われています。
その左ストレートの打ち方は独特で、下半身のステップイン(踏み込み)が終わった後に、少しずれたタイミングで左のストレートが飛んで来る。また、左肩を入れて、腕を内旋回させて打ち込むから、スクリューのように最後の数センチでパンチが伸びるそうです。その腕の回転力がスピードとキレを生み、相手ボクサーが「伸びてくる」「パンチが大きく見える」と感じて避けられず、高いKO率を誇るそうです。
その伝統は、同じジム(帝拳)の金メダリスト村田諒太選手にまで継承されているそうです。
さて、この一戦は具志堅用高さんの日本記録、6連続KO防衛に約35年越しで並ぶかどうかという試合でしたが、三度のダウンを奪いながら、KO出来ず、3-0での判定勝ちでした(114-110、116-108、115-109)。
その苦戦の原因は挑戦者の元WBC世界スーパーフライ級王者・WBC世界バンタム級1位のスリヤン・ソールンビサイ選手(タイ)のタフネスさとチャンピオンの“左”対策だったと思えます。
ちなみにスリヤン選手は身長161cmで身長171センチのチャンピオンに対し、10cmも低く、当然、その分リーチ(腕の長さ)も短いハンデがありますが、アゴを引き、前傾気味に構え、打ちどころを無くし、動きを止めずに、的を絞らせないポーズを貫きました。
そのためか、序盤4ラウンドまでは挑戦者ペース。気の早い私は、このままズルズルと行ってチャンピオンの判定敗けも考えました。
こういう、「何かいつもとペースが違う」と思う時こそ、焦れば焦るほど、深みにはまって行ってしまいます。
そんな時は「こんなことあったな」と思い出しながら、慌てることなく冷静に考えを整理することが大事だと考えます。
事実チャンピオンは「スパーリング」の時を思い出して、対応に変化を与えたそうです。
その修正が出来たから、中盤以降にダウンを奪い、自分のペースで試合が出来たそうです。
惜しむらくは、7ラウンドにダウンを奪った後、ニュートラルコーナーに待機していれば、レフェリーのカウントロスもなく、10カウントでKO出来ていたのですが・・・(レフリーがカウントを止めるのはどうかと)。
今後、バンタム級最強を証明するためにIBF世界バンタム級チャンピオン、ランディ・カバジェロ(米国)、11月1日に米国で三度目の防衛戦に臨むWBO王者の亀田和毅との対戦があるかも知れません。
悪い流れの中でも冷静さを保ち続け、修正すること。そして、一気に自分に流れを変えて挽回する力。
勝負事では参考になる戦いですね。
さて、この一戦を一時間にわたってお風呂の中でTV観戦をしていました。
野球はともかく、ボクシングはお風呂の中でTV観戦するものではありません。
山中選手はスリヤン選手をKO出来ませんでしたが、代わりに私がお風呂から出るタイミングを見失い、山中選手にKO(のぼせ)されてしまいました。
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