甲子園出場は確かに喜ばしいことでしょう。でも、それは大変なことでもあるそうです。
さて、春と夏の甲子園大会はともに大会の規定があります。
全国大会 1校20人(選手18人、責任教師1人、監督1人)を限度とし、参加者には次の通り旅費と滞在費を支給する。
(イ) 旅費は代表校の所在地から大阪までの往復普通乗車運賃(新幹線、特急、急行料金を含む)、船舶利用の場合は普通二等の乗船運賃を支給する。ただし、沖縄、南北北海道代表校は航空運賃を支給する。
(ロ) 滞在費は抽選日から、その学校の最終試合日までの日数に対し、1日1人3,000円を補助する。
そうは言っても宿泊代は一人1泊約1万円はかかります。
その他、往復交通費、雑費としてチームとして一日一律一人2万円の計算で、抽選日から試合で負けた日までを計算しますと、優勝、準優勝チームの場今年は最長18日間となります。
宿泊費; 18日×(1万円-3千円(補助))×20人=252万円
また、ベンチ入り以外の野球部員は出場校の100%持ち出しになります。
宿泊費; 18日×1万円×80人=1,440万円
お金かかりすぎです。ですから、実際は全員がチーム帯同とはなりません。10人の補助メンバーを帯同させたとします。
宿泊費; 18日×1万円×10人=180万円
それでも、宿泊費だけでも252万円+180万円=432万円はかかる計算になります。
さらに、応援団(一般生徒)、ブラスバンド部、チアガール、引率教員の移動費、OBや父母会の移動に関しても予算を投じなければならなくなります。これが規模にもよるでしょうけど、1000人としておきます。
基本的には移動はバス、あとは食事とグッズなどの費用です。また、応援団らを甲子園近郊で宿泊させる訳にはいかないので、試合の度に日帰りが普通です。
バスは地元観光会社、修学旅行などでお付き合いのある旅行代理店を介し、チャーターで20台を確保します。
関東地区からであれば、往復ともに車中泊として、高速代を含めて1台あたり約30万円の予算になり、30万×20台=600万。これが決勝までに6試合あったとして、×6=3600万円となります。
また、食事を一食だけ補助するとして、1人500円の弁当とお茶で65万円。決勝までで390万円。
アルプススタンド席の入場料300円×1000人=30万円。決勝までで180万円。
1000人分の応援団ご一行分の帽子、メガホン、横断幕などの製作費や、Tシャツまたはウィンドブレーカーが人数分。
さらに寄付をしてくれた地元関係者、OB、父母へのお礼としてキーホルダー、タオルなどのグッズもなどで、800万円くらいかかるらしいです。
ということは、決勝戦まで残った場合は、ここまでで約5400万円也。
ところが、これ以外にも野球道具、応援団、ブラスバンド部、チアガールたちが甲子園球場に持ち運ぶ道具類があり、これも馬鹿にならないそうです。
また、雨天順延となったときも想定し、試合をする野球部員の予備宿泊費も計算しなければなりません。
しかも、ほとんどの学校は甲子園本番に備え、ユニフォームを新調することが多いそうです。バッグ、グラウンドジャンバー、汗出しのウインドブレーカーなども注文するため、野球部員一人あたり約10万円の個人支出になるそうです。
これは学校に出入りしている地元のスポーツ用品店が、普段、ボール、バットなどを割安で売ってくれる、お礼の意味合いもあるそうです。
以前、選抜大会に出場した関東の高校では二回戦進出を想定し、総予算7800万円の予算を組み、隣の県から出場した私立高校は三回戦まで進出し、9200万円以上の出費があったとのことです。
こんなお金持ちの予算が組める学校は無いはずで、OB、地元企業、父母会からの寄付のほか、学校職員が地元自治体に頭を下げ、補助予算を組んでもらって対応したりするそうです。
上記の高校は地元自治体に200万円を出してもらったそうです。また、強豪校の多いある自治体は、地元名門校を応援するため、500万円を出したそうです。ただ、寄付金は野球留学生の多い高校であれば、やっぱり、頼みにくい状況でもあるそうです。
さて、野球部が勝ち進むと、盛り上がりとは裏腹に、学校の経理担当者は頭が痛いそうで、予算オーバーの時もあるそうです。その場合は、急きょ生徒から5000円を徴収し、一般市民にも寄付をお願いすることもあるそうです。