抱き合わせ商法とは、本来の商品・サービス(主たる「人気商品」)とは別の売れない商品・サービス(従たる「不人気の商品」)を処分するために人気商品とセットで販売する手法のことです。抱き合わせで販売されると、消費者は人気商品を手に入れるために不人気商品を同時購入しなければならなくなります。
「不人気商品」と入手しにくい「人気商品」を組み合わせて販売した場合、消費者が「人気商品」を手に入れるために、「不人気商品」も同時に購入しなければなりません。この場合、販売者にとっては「不人気商品」の購買率が高められるますが、消費者にとっては廉価で良質な商品を選ぶ環境でなくなってしまいます。
例えば人気野球ゲームソフトと、あまり売れない盆栽育成ゲームソフトを持つメーカーがあったとします。そのメーカーではこの2つのゲームソフトを抱き合わせで売ったとします。こうなると、人気商品を持っていないが、同じような盆栽育成ゲームを持つメーカーはハンディを背負うことになります。よって、公正取引委員会はこうした販売手法を不公正な取引方法として独占禁止法第19条で禁止されています。
また、不当な抱き合わせ販売とならない場合として、2つの商品が密接にかかわっている場合(レンタカーと保険)、個別に購入できる選択肢が残されている場合などがあります。しかし、インクジェットプリンターとインクカートリッジなど、関係が密接であっても、当該消耗品市場における参入を阻害する恐れがある場合は、不当な抱き合わせ販売に当たり得ます。
さて、2020年東京オリンピックで組織委員会が提案している5つの追加競技の決定方法について、国際オリンピック委員会(IOC)は6月1日の理事会で、8月の総会に5競技を一括で諮ることを決めました。これによって5競技すべてが承認される可能性が高くなりました。
組織委が提案した追加競技は「野球・ソフトボール」、「空手」、「スポーツクライミング」、「サーフィン」、「スケートボード」です。
東京オリンピックで「野球・ソフトボール」を競技に追加したい日本。一方、「スポーツクライミング」、「サーフィン」、「スケートボード」を競技に追加したいIOC。
これらを「抱き合わせ」にすることで、1競技ごとの投票ではなく、5競技を「パッケージで見てもらう」との狙いがなのです。
この東京オリンピック追加競技の場合は、日本もIOCもWin-Winで両立する形になるでしょうけど、「抱き合わせ商法」っぽい感じがするのは私だけでしょうか。
野球については、MLB(米国大リーグ機構)が参加に消極的なことから、今回もベストメンバーは揃わないでしょうし、オリンピックでは「真の世界一」が決まるのでもないでしょうから、IOCとしては消極的のままです。
サッカーもワールドカップという真の世界一を決めるイベントがありますが、オリンピックでは23歳以下(男子の場合)という制限を設けて 、各々の立場を分けていますし、世界的にも理解を得ていると思います。
野球は「ワールド・ベースボール・クラッシック(WBC)」に「プレミア12」。そこへ「オリンピック」が含まれると、どれがどういう位置付けなのか判りにくくなってしまいます。
そもそもMLBは「ワールド・シリーズ」で世界一決定戦を名乗っていますので。
ところで、野球・ソフトボールが競技追加になった場合、どこで試合を開催するつもりなのでしょうか。
野球の場合、明治神宮球場は「物置き」として使うと明言していますし、東京ドームは、いくらSECOMしても「警備上無理」との話です。となりますと、首都圏では横浜スタジアム(神奈川県横浜市)、西武プリンスドーム(埼玉県所沢市)かQVCマリンスタジアム(千葉県千葉市)になりそうです。
ドーム球場ではないので、昼間の試合ですともの凄く暑いでしょう。