第91回選抜高等学校野球大会の組み合わせが決まりました。今年は3月23日に開幕ですが、それに合わせたように3月25日ころに桜が咲く予想ですので、駅から阪神甲子園球場へと続く道も華やかなことでしょうね。
一回戦の好カードです。
1日目第3試合 大阪・履正社高 vs. 石川・星稜高
何と言っても最速150km/h・奥川恭伸選手を擁する星稜高は、昨秋の明治神宮大会準優勝校。奥川選手は昨秋の公式戦では60回1/3を投げ、奪三振は82、7失点、5四死球、防御率は0.60。今秋のドラフト1位候補の評判どおりの数字を残しています。ただ、チーム打率が32校中31位。好投手が揃う履正社高をどう攻略するかでしょう。
一方の履正社高は打撃が看板です。四番の井上広大選手はプロ注目の長距離バッターで、3月8日に解禁された練習試合でもすでにホームラン3本を放っているとか、奥川選手との対決は注目です。その他にも、一年からレギュラーで三番を打つ小深田大地選手、昨秋5割近い打率を残した池田凜選手など抜け目がありません。
2日目第2試合 大分・明豊高 vs. 神奈川・横浜高
横浜高にも注目の153km/hサウスポーピッチャー・及川雅貴選手がいます。鋭く曲がるスライダーとのコンビネーションが絶妙で、奪三振率12.85は出場校のピッチャーの中でトップの数字です。打線も一番の小泉龍之介選手、三番の度会龍輝選手らレベルが高いバッターが揃っています。
対する明豊高はチーム打率が出場校中3位。三番・布施心海選手、四番・野辺優汰選手の2人で昨秋は計29打点の破壊力を持っており、打線に切れ目がありません。一年生が多く若いチームだけに、思い切り振ってくる打線は脅威だと思います。
2日目第3試合 鳥取・米子東高 vs. 北海道・札幌大谷高
1900年に創部され夏の地方大会皆勤15校の一つで、1960年選抜では準優勝を果たした古豪・米子東高も、今や選手16人の小所帯。チーム打率・242は出場32校中32位ですが、チャンスをものにする力を持っています。全員がキーマン、全員でしっかり相手ピッチャーを崩して、レジェンド校の新たな歴史の一歩を刻んで欲しいと思います。
昨秋の明治神宮大会を制した北海道・札幌大谷高は創部10年と若いチームです。エースの右の本格派・西原健太選手、右横手投げの太田流星選手ら投手力が充実。レジェンド高の前にニューフェイス高が立ちはだかります。
4日目第2試合 広島・広陵高 vs. 青森・八戸学院光星高
広陵高は最速148km/h右腕・河野佳選手の他に石原勇輝選手、森勝哉選手のサウスポー2枚看板もおり、ピッチャーの層は厚い。四番の中村楓大選手は高校通算ホームラン20本を数える右のスラッガーで、チームトップの14打点を挙げるなど攻撃の要です。
八戸学院光星は巧打者の三番・武岡龍世選手を筆頭に4割バッターが並んでおり、広陵高のピッチャーをどう攻略していくかがポイントです。
今大会は、昨年までの大阪・大阪桐蔭高のように突出したチームがなく、混とんとした感じになりそうです。その中で優勝候補とすれば、昨秋の明治神宮大会準優勝の星稜高でしょう。初戦の履正社高に勝ち抜けば、石川県勢初のちょうてんへ視野が開けるでしょう。追うのは、広陵高、横浜高、愛知・東邦高、和歌山・智辯和歌山高と言ったところでしょう。また、福岡・筑陽学園高、山梨・山梨学院高も頂点に立つ力を秘めているでしょう。
平成最初の甲子園王者・愛知・東邦高は二刀流・石川昂弥選手が投打でどんなパフォーマンスを披露するか、サウスポーの植田結喜選手も冬を越えて成長し、石川の負担をできるだけ軽減したい。主砲の熊田任洋は勝負強さと小技も兼ね備える注目のバッターと言っていいでしょう。九州王者の筑陽学園高は西舘昂汰選手、西雄大選手の右腕2本柱、左腕の菅井一輝選手の継投がカギでしょう。打率4割超えの五番・江原佑哉選手、長打力のある六番・福岡大真戦選手と攻撃の柱がしっかりしています。
山梨・山梨学院高は山梨のデスパイネことホームラン34本の四番・野村健太選手がパワフルな打撃を見せつけてくれます。また、智辯和歌山高は甲子園春夏68勝の高嶋仁前監督からバトンを受けた中谷仁監督は、この選抜が甲子園初采配となります。
さあ、高校野球もいよいよ開幕です。