将棋の羽生善治九段が6月4日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた王位戦リーグ白組プレーオフで永瀬拓矢叡王に勝って歴代単独1位となる通算1434勝(591敗2持将棋)となり、故大山康晴十五世名人の記録を27年ぶりに塗り替えました。
羽生九段は5月23日の王位戦リーグで、谷川浩司九段に勝ち、大山十五世名人の記録に並んでいました。
1996年には史上初の7冠、2017年には史上初の永世7冠達成に続いて、将棋史に大きな金字塔を打ち立てました。また、48歳8カ月での達成は、大山十五世名人の69歳3カ月を大幅に上回っています。
羽生九段は「今日は攻めを呼び込む感じで非常に怖かった。(記録は)今年に入ってから一つの大きな目標で、前局は残念だったが今日勝てて非常にうれしい。挑戦者決定戦は2日後だが、気力を充実させて臨みたい」とコメントしています。
40代で新記録達成は驚異的であり、羽生九段が残してきた数字がすべてを物語っているように思います。また、平成の時代を常に最前線で闘い、他の誰をも寄せ付けぬ別格の実績を残し、令和の時代になっても第一線で戦っていくには、不断の努力、たゆまぬ研究心があってのことでしょう。
これからも、将棋の無限の可能性を求めながら、勝ち星を重ねていって欲しいと思います。
通算勝数ベスト10(2019年6月4日対局分まで)
羽生善治九段 1434勝591敗
大山康晴十五世名人 1433勝781敗
加藤一二三九段 1324勝1180敗
谷川浩司九段 1318勝846敗
中原誠十六世名人 1308勝782敗
内藤國雄九段 1132勝1000敗
米長邦雄永世棋聖 1103勝800敗
有吉道夫九段 1088勝1002敗
佐藤康光九段 1032勝628敗
桐山清澄九段 993勝933敗
※谷川浩司九段、佐藤康光九段、桐山清澄九段の成績は、未公開の対局を除きます