「勝って、勝ちに傲ることなく、
負けて、負けに屈することなく、
安きにありて、油断することなく、
危うきにありて、恐れることもなく、
ただ、ただ、一筋の道を、踏んでゆけ。」
by 嘉納治五郎
講道館柔道の創始者で、柔道、スポーツ、教育分野の発展と日本のオリンピック参加に尽力して、日本の近代化の明治~昭和時代において日本のスポーツの道を開きました。
「柔道の父」と呼ばれ、また「日本の体育の父」とも呼ばれる方です。
”柔術”という日本古来から伝わる徒手または武器による武術を”柔道”という、”道”へと変えていった方です。
心を説いて、精神を説いていくという、立派な功績を残してきた方です。
柔道の目的は人作りなのです。
嘉納治五郎は柔道で3つの目的を掲げました。
勝負法:実際の試合で勝つこと、悪漢から身を守る護身術
体育法:運動能力を高め、健全な肉体を作ること
修身法:社会に適合し、社会にとって有益な人物になるための方法
つまり、柔道によって、心身を鍛え、磨いて行く。
そして、社会にとって役立てられる、社会貢献できる人材を育成して輩出することなのでしょう。
先日からは柔道界では残念なニュースが相次いでいます。
前監督は辞任しましたが、ことは一向に解決できていません。
強化体制やその他組織体制の問題点など、明らかにされないまま、幕引きをしようとするその一連の組織体質は何も変わろうとしていません。
”柔の道”嘉納治五郎の教育者としての魂、精神が継がれてきているとは思えないのです。
でも、これを機に、もう一度真の”道”を作り上げて行って欲しいと切に願います。
「柔道とは、
心身の力を、最も有効に使用する道である。
その修行は、攻撃防御の練習により、精神身体を鍛錬し、
その道の真髄を、体得する事である。
そして、是によって、己を完成し、世を補益するのが、
柔道修行究極の目的である。」