野球小僧

第92回 選抜高等学校野球大会 21世紀枠 各地区候補校

2020年3月に開催の第92回選抜高等学校野球大会の21世紀枠の各地区候補校が日本高野連から発表されました。

最注目校は東海地区の高等専門学校として史上初の甲子園出場が懸かる三重・近畿大学工業高等専門学校(近大高専)です。

近大高専は今秋の三重大会で初優勝。初出場した秋季東海大会は初戦の準々決勝で静岡・加藤学園高に敗れましたが、21世紀枠候補として推薦されています。

高等専門学校は実践的・創造的技術者を養成することを目的とした高等教育機関で、全国に国公私立合わせて57校あり、私立では3校しかなく、全体で約6万人の学生が学んでいます。特色として、入学後は5年一貫(商船学科は5年6ヶ月)で、一般科目と専門科目を配置した教育課程により、技術者に必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。また、学んだことを応用する能力を身につけるために、理論だけではなく実験・実習に重点が置かれ、卒業研究をとおして、創造性を持った技術者の育成を目指します。

学科は各学校ごとに異なり、大きく工業系と商船系の学科に分かれ、工業系の学科には、機械工学科、電気工学科、電子制御工学科、情報工学科、物質工学科、建築学科、環境都市工学科などがあり、商船系の学科には商船学科があります。工業系、商船系以外にも経営情報学科、情報デザイン学科、コミュニケーション情報学科、国際流通学科を設置している学校もあります。

近代高専は全員が理系で一~三年生は高野連主催大会に、四~五年生は高専大会や東海地区大学野球連盟のリーグ戦に出場ます。平日の授業は6~8限目まであり、赤点が60点と他校に比べて高いため、選手は文武両道に励んでいるそうです。

推薦理由は、「実験や資格取得に向けた補習のため、全部員そろった練習が限られ、練習場所も4、5年生や陸上部と共用ながら、今秋の県大会で初優勝して他の高専に好影響を与えた。地元の行事などにも積極参加し、少子高齢化が進む地域を盛り上げている。」とのことです。

OBには2009年に高専で初めて読売ジャイアンツにドラフト指名された鬼屋敷正人さん(引退)を輩出しています。

その他、各校の推薦理由は次の通り。

■北海道地区 北海道・帯広農業高
部員の多くが地元の農業後継者。早朝や放課後に乳牛や園芸などの実習があり、全員が集まる練習は土日曜日のみだが、創意工夫した練習で今秋の北海道大会は強豪私学を連破した。学校産の野菜や牛乳を使って体作りに取り組み、学校の個性を生かした部活動の形を発信している。

■東北地区 福島・磐城高
台風19号でいわき市が浸水被害に遭い、避難する選手がいる中、秋季東北大会で8強入り。大会後は泥除去などボランティアを行った。1971年夏の甲子園で県勢最高の準優勝。春は45年間出場がないが、この5年間で東北大会に春秋計4回出場し、古豪復活に向けた活躍を見せる。

関東東京地区 栃木・宇都宮高
県内屈指の進学校。阪神甲子園球場で初開催された1924年夏の第10回大会に出場し、県勢初勝利を挙げた。限られた練習時間で選手主体の効率的な練習を行い、今秋県大会では2年生6人、1年生13人の少人数で8強入り。台風被災地のボランティアなど社会貢献活動も行った。

■北信越地区 福井・敦賀高
グラウンドは狭く、バックネットが県内で唯一ないが、球を打たずに軌道を追う「イメージ打撃」など工夫した練習で克服。勉強時間確保のため休日練習は短く、自主練習を重視する。全員への全ポジション指導や練習試合での全員出場を行い、勝利至上主義から脱却を図っている。

■近畿地区 滋賀・伊香高
創立120年超の伝統校。地域住民でつくる「体育後援会」があり、地域と密接につながる。豪雪地帯で、冬場は部員が通学路や高齢者宅周辺の除雪を長年行う。野球部が休部状態の中学出身7人を含む部員23人が地元出身。秋季県大会準決勝では優勝した近江に0-1で惜敗した。

■中国地区 島根・平田高
野球の普及活動に積極的で毎年、普及班が企画し、地元の園児に野球体験会を開催する。平日の練習時間は2時間で、グラウンドは狭い上に陸上部とサッカー部との共用のため、戦術練習に力を入れる。大胆な守備シフトを敷き、今秋の中国大会では昨年できなかった1勝を挙げた。

■四国地区 徳島・城東高
高等女学校として開校した創立117年の伝統校。中学時代に四国大会優勝経験を持つ生徒が校長に直談判して創部。以来、学校周辺の清掃活動をしてきた。「野球研究部になれ」を旗印に試合で起こるプレーを研究して練習内容を工夫する。春季県大会で優勝1回、準優勝2回。

■九州地区 沖縄・本部高
1学年2クラスの小規模校で町唯一の高校。2011年に統廃合が検討された。現2年生の入部前は部員5人で春季県大会に他校選手を借りて出たが、今秋は選手17人で躍進した。テスト期間中は早朝や放課後の勉強会を行い、他部も同様に取り組むなど周囲に好影響も与えている。

2020年1月24日に行われる選考委員会で候補校の中から3校が選ばれ、一般選考(神宮大会枠1を含む)29校とともに、2020年3月19日から(準々決勝と準決勝翌日の休養日を含む)13日間、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開かれる大会に出場します。


コメント一覧

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eco坊主さん、こんばんは。

残念ながら県木曽青峰高は選ばれませんでした・・・

確かに選考について、もっと内容公開すれば、透明性と納得性のある結果になると思います。

明治神宮大会では、東海地区の愛知・中京大中京高が優勝していますので、近大高専が選ばれるかは地域的に見てちょっと難しいかなと。

でも、選ばれれば他の高専チームの励みにもなるでしょうから、選ばれて欲しいなと思っています。
eco坊主
おはようございます。

残念ながら倉吉東は選ばれなかった・・・
未だに選考基準がよくわからなくて選ばれた学校とそうでない学校の差が?
3校何処が選ばれたとしても甲子園で暴れて欲しいものですね。
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