囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

阿吽の呼吸、多くは幻想

2022年12月04日 | 雑観の森/心・幸福・人生

 

【言葉を尽くして話し合おう、

たとえ考えが異なっていたとしても、

意思疎通の手間暇を怠らずにおこう】

 


十年前、

他人にやりたくないことでもやらせなきゃいけない

「管理職」という名の〝会社の歯車〟だった頃の話

 


有給休暇が底をつくか、つかないか

いつもギリギリとなる社員が数人いた

趣味であれ、家庭の事情であれ、数字は数字

個人的事情を就業規則や労働協約は想定していない

合理的説明がなければルール通り勤務認定して

〝セーフ〟もあれば、〝アウト〟もあった

つまり給与カットも、わずかにあったのである

 


仕事が良く出来る40代女性の場合だが

年の暮れ、有給枠が底をつき、休日出勤しなければ

年度末に給与カットが確実になる状況になった

別室に呼んで「給与カットにならないための方法」を

いくつか説明したのだが、本人は納得しない

その後、業務に必要な会話以外、彼女は口をきかなくなった

妥協の余地がないので、わたしも対応できずにいた

 


これ以上かかわってもセクハラ、パワハラになりかねず

腫れ物扱いの彼女には、大事な仕事を任せられなくなった

いわゆる「もう、君には頼まない」である

勤務認定も機械的にし、人事部に提出した

わたしが異動となるまで、その状況は続いた

 


     ◇

 


他人同士が意思疎通するには「言葉」がなくてはならず、

それも、面談により、ある程度は腹を割って話さねば

誤解や感情的しこりが生まれがちである

 


これくらいは、いわなくても分かるだろう、では

どこに地雷があるか、しれたものではない

 


バカげた馴れ馴れしさ、バカげた友愛は

いつメッキが剥げるとも限らないから

賢者が取るべき対応ではあるまい

 


しかし、

「礼は利口さ、非礼は愚かさ」との法則に従えば、

杓子定規にルールを適用せずとも

事情をきちんと説明し、打開策を話し合えば、

良策も見つかるかもしれない

 


     ◇

 


腹を割って話しても、分かり合えないことがある

この時、相手が、無視を決め込んだり、

不快を与える態度あるいは許されざる態度を取った場合

あなたはどう対処すべきだろうか?

 


説明もなく謝罪もないのに

理由なく赦して水に流すだろうか?

これは日本人の悪弊である

(家族などは例外だが……)

赦すことは〝もう一度やってくれ〟というメッセージであり

断交したはずの相手に対して弱みを与えることになる

 


そういう相手は、断交の原因になった行為を

もっと大胆に繰り返すことは必至である

自分が相手にとってなくてはならない、

という思い上がりを増幅しながら

またぞろ平然と繰り返すのである

 


そういう相手が「もうしません」との

口先での約束や保障の言葉をあてしてはならない

不快や立腹は横においておき、信用の置けない相手は

一切において縁を切ることが、

ストレスフリーの唯一無二の方法である

 


お人好しの善人が

ストレスを抱える不条理が、

この国にはあまりにも多すぎる

加害者と被害者を取り違えてはならない

 

 

これは日常生活においても

TVのなかの政治の世界においても

いたるところに通底する風景なのである

 

 

 



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