囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

「思い上がり」に喝 3

2020年06月18日 | 雑観の森/心・幸福・人生

 

権力を手にする者の身勝手さは、いつの時代も変わらない ~ 物事が見えなくなっている悲しい生き物 の巻】

 


フランス革命が起きることなど、

夢にも思わなかった絶対王政の頃の話。

 

18世紀初頭、大宰相であったカージナル・デウボウは

重い病に罹って外科手術を受けることになった。


主治医ブードンに向かって

「先生、どうぞ慎重にやってください。

この病院に来る『普通の患者』と同じよう

扱われては困りますから」と言った。


ブードン医師はキッとなり、こう言い放った。

「閣下のいわれる『普通の患者』も

私にとっては皆、同じ大宰相であります。

ですから職務上よりみれば、

閣下と彼らとの間には、

少しの違いも認めることはできません


権勢を誇るさすがの大宰相も

これには唖然呆然。


         ◇


全てモノゴトの始まりを「権輿(けんよ)」と呼ぶ。

秤(はかり)を作るには、

まず権(おもり)から始めねばならない。

車を作るには、

必ず輿(こし)すなわち箱から始めねばならない。

 

裸で生まれ、何も持たずに死んでいく。

物事の始まり。事の起こり。発端。

ヒトは等しく同じところに拠って立つのである。

 

奢れる者。それが見えなくなる悲しい生き物。

ヒトを小馬鹿にし、ヒトの命の重みを解しない。

凡百にして俗なる者を見よ。

権力冷血の親和性は高いのである。

 

 

 

 

 


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