囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

“マナー警察”各論/番外4

2020年08月02日 | 雑観の森/芸術・スポーツ

 

対局相手の○○がウルサイ場合 ~ あなたならどうする? あなたなら ~ 我慢して泣き寝入り? やかましいとはっきり言う? それとも…… の巻】

 

その舞台は、第5期棋聖決定七番勝負第1局。

富山県高岡市の北陸文化ホテルで1981(昭和56)年1月13日。

前評判は挑戦者有利である。

ファン投票は有効投票6899通のうち

「挑戦者の大竹英雄勝ち」が3772通で約55%だが、

プロの予想はもっと差が開いていた。

 

しかし予想に反して藤沢秀行棋聖が4-0のストレート勝ち。

この防衛により棋聖5連覇を成し遂げることに成功した。

名誉棋聖を襲名する。

 

第1局で「扇子がうるさい」と、立会人を通じカマされた大竹十段。

2日目の午後4時17分、166手で投了するという惨敗を喫し、

その後も全て中押しで負け続け、タイトル奪取はならなかった。

 

大竹は局後に“ショック”だった、と語っている。

しかし、負かされたのではなく、

自分が負けたのだと思っている、

とも語っていた。

 

          ◇

 

わたしは第1局、しょっぱなの扇子事件

このシリーズのハイライトではなかったか

と、にらんでいる。

所作・マナーが心理的影響を与えないわけがない。

やった方、やられた方。

どちらも後味が悪い。

だが、そもそも第一当事者がやらかさなければ

こういう風にはならないのである。

 

 

 

大竹英雄九段(1942年~) 名誉碁聖。碁聖6連覇、名人4期、世界囲碁選手権富士通杯優勝など。厚く味のよい形を好む本格的な棋風で「大竹美学」と呼ばれる。NHK杯優勝5回などで「早碁の神様」、名人挑戦手合通算12回出場などで「名人戦男」などの異名も。日本棋院理事長、全日本囲碁連合会長も務めた。



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