同時多発テロから10年,東日本大震災から半年。
今日は鎮魂の日でもある・・・。
10年前,台風の進路が気になって11時過ぎにTVを付けた途端,衝撃的な映像が飛び込んできた・・・。
台風どころでなくなったのは言うまでもない・・・。
翌日職場に行くと,
「元はと言えば,アメリカ帝国主義がすべて悪い」
と,同僚の女性に断言され,同意を求められた。
返答に窮するあまり,
「中東やアフガンとの関係ではそうかもしれません・・・」
と,言葉を濁した。
無論,そんな単純なものではないことを言いたかったのだが,仕事中にそんなことを論じても始まらないし,第一頑なにそう思い込んでいる相手には何を言っても無駄と思い,敢えてうやむやにした。
イデオロギーや思潮に関しては,関係ないところでは極力議論しないようにしているからでもあるが・・・。
帝国主義の歴史をたどっていくと,以前W杯絡みで書いたことがあったが,米の前は英,その前は蘭,さらにその前は西や葡といった南蛮諸国による大航海時代まで遡ることになる。
大航海時代と言えば聞こえは良いが,要は侵略と簒奪(中南米やアフリカなんかは虐殺)の時代でもあったのである。
さらにそれ以前には十字軍の遠征があり,強勢を誇ったローマ帝国だって古代ギリシャもメソポタミアも秦の始皇帝もアレキサンダー大王だってエジプトだって皆同じということになる。
十字軍が聖地回復というのがお題目であり,南蛮人が鉄砲やキリスト教を伝えるために来日したのではないこと,ペリーが日本を近代国家に生まれ変わらせるために来航したのではないということを,しっかり我々は認識するべきと思う。
何せ旧約聖書の時代から4,000年に渡って喧嘩しているのである。
そんないくさに善悪など簡単に付けられるものではない。
言ってしまえば,帝国主義にせよ共産主義にせよ,歴史の大きなうねりの中で生まれて淘汰されて消えていくものであり,それを単純に善悪のみで語ってはあまりに短絡的に過ぎ,さらに深い事象や当時の人々の思いを汲み取るべく,歴史を広く繙くべきとではないだろうか。
その上で,尊い人命を蔑ろにする戦争やテロを批判すべきである。
半年前のことは,ここに何度も書いたし,原発事故についても私見を述べてきた(ブログ上であくまでも人災を主張する私に対して,東電社員の頑張りが分からないのかと,噛みついてきた方がおられたが,丁寧に返事を返すことで打ち切った)。
私のように殆ど被災していないに等しい者があれこれ言うのは,あの日を境に平穏な生活を失い,今なお不自由な生活を余儀なくされている方々に対して失礼を通り越していると思うので,長々と述べるつもりは無いのだが,ただ一言,日常が戻ってもあの時の思いを決して忘れまじ・・・と思う。
蝋燭の灯を頼りに明かした三日三晩,このまま物流が回復しなかったら最悪栄養失調や餓死もあり得る・・・という暗澹たる気持ちや,限られた数少ない物資を決して独占せず多くの人たちで分け合ったという高潔かつ謙譲の美徳を我々日本人は決して忘れてはならないと思う。
それに,復興に力を尽くしてきた多くの人々の思いも・・・。