koshiのお部屋2

万年三歳児koshiの駄文のコーナーです。

あの日,あの時・・・

2014年03月11日 21時54分46秒 | 日々のこと,その他・画像等・・・

3年が経った。
丁度,今日のように,粉雪が風に舞った日だった。
仕事場に籠もって,何日もかかった報告書をようやく仕上げ,安心したせいか不意に用を足したくなり,終えてトイレから出て,広い廊下を仕事場まで歩いている途中だった。
カタカタという微細な揺れが,やがて振幅を増し,轟っという地鳴りに変わり,あちこちで物の落ちる音や倒れる音がし始めたと思った途端,照明が落ちた。
以下は,
http://blog.goo.ne.jp/fw14b_2005/e/275267781b9cdb6b8080c87041cb9641
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=430582&aid=25373244
に載せた通りである。


クライアントへの対応に追われ,ようやく職場に戻ったのが5時過ぎで,小雪が舞っていた。
市の広報車が,
「避難所に行ってください」
と,意味不明なことを叫んだせいか,避難所に当たる小学校の体育館には,殆ど被災していないにも関わらず,地域住民が集まっていた。
そうした中,ようやく勤務解除となる。
携帯は,UPSが動いた最初だけ辛くも通じていたが,翌日には全く不通になった。
私は,前夜に充電を忘れ,相方は家に置いていくという失態を演じたので,お互いの消息は全くつかめなかった。


そうした中,下の子が通う保育所に向かう。
途中,地中のガス管が破裂したらしく,道路はガス臭が充満していた。
地雷原の上を歩いているようで,極めて不気味だった・・・。
下の子は,保育所の隣の緊急避難所である小学校の体育館に居た。
私が一番最後のお迎えだったようで,えらく迷惑をかけてしまった。
この時点で,7時を少し回ったあたりだったと思う。
実家の両親に顔を出し,信号が消え,コンビニに人がたかっている道を急ぎ,ようやく帰宅したのは,8時前後だったと思う。
相方も帰宅しており,上の子は明日卒業式というので部活もなく午前授業ということで,友達4人とTVゲームをしていたらしい。
パソコンデスクの上の棚から,プリンタが数m跳んだのを見たと言っていた。


夕食は,前夜の残りのご飯と缶詰で,慌ただしく食した。
金曜ということで,その日の夜に食料品の買い出しに行き,ガソリンを入れようとしていたことが,すべて裏目に出てしまった・・・。
大きな仕事を1つ終え,本来楽しい筈の週末が,180°暗転。
蝋燭と懐中電灯だけが頼りの,閉ざされた漆黒の闇が待っていた。
こういう時は,体力を温存するために寝るに限る・・・ということで,親子4人で川の字になって寝た・・・。


以上が,3年前の状況である。
翌日,多くの情報が飛び交う中,市東部の沿岸部や三陸沿岸,そして福島県の浜通りが壊滅的な打撃を受けたことや,福島第一原発の被害を知ると共に,交通インフラも大打撃を受けたことを知る。
物流が途絶え,復旧しなかった場合は,最悪栄養失調や餓死もあり得る・・・と,暗澹たる気持ちになったのも,この時だし,ひもじさを癒すこともできず,空きっ腹を抱える日々が一週間近く続いたのも,この時だ・・・。


以来3年,喉元過ぎれば熱さを忘れる,ではないが,紛れもなくあの日の思いが風化しつつあるのを感じる。
否,私なんか被災していないに等しいから,無責任にそう思うのかも知れない。
大切な人を失った方々なら,そんなことを思う筈も無かろう。
故に,あの時覚えた暗澹たる気持ちを忘れてはならないと思う・・・。


今尚,20万人を超える人々が,避難所や仮設住宅での不自由な生活を強いられているという。
唯々,そうした方々の心からの安息を願わざるを得ない・・・。


・・・ということで,今日に相応しいと思われる1曲を貼る。
一昨年は,ブルックナーの遺作とも言うべき第9交響曲,昨年は,ブラームスのドイツレクイエムで哀悼の意を表したが,3年という節目に当たる今年は,何にしようか迷った・・・。
ヴェルディのレクイエムの第2曲である「Dies Irae(怒りの日)」にしようかとも思ったが,劇的にして激しすぎるので躊躇。
より穏やかなフォーレのレクイエムは,どうも季節柄合わないような気もする。
そこで,救済を求める以下の曲を貼ることにした。





Symphony No. 2 in C minor, "Resurrection"~5th Mvt(Gustav Mahler 1860-1911)
交響曲第2番ハ短調「復活」~第5楽章より(グスタフ・マーラー 1860-1911)

auf der nach KLOPSTOCKS HYMNE "DIE AUFERSTEHUNG"
~クロプシュトックの賛歌『復活』に基づく

O Schmerz! du Alldurchdringer!
Dir bin ich entrungen!
O Tod! du Allbezwinger,
Nun bist du bezwungen!
Mit Flügeln, die ich mir errungen,
in heißem Liebesstreben werd ich entschweben      
Zum Licht, zu dem kein Aug gedrungen.

おお、あらゆるものに浸み渡る苦痛よ、
私はおまえから身を離した!
おお、あらゆるものを征服する死よ、
いまやおまえは征服された!
私が勝ち取った翼で
愛への熱い欲求のうちに私は飛び去っていこう、
かつていかなる目も達したことのない光へと向かって!


Mit Flügeln, die ich mir errungen
Werde ich entschweben.
Sterben werd ich, um zu leben!
Auferstehn, ja auferstehn wirst du,
mein Herz, in einem Nu!
Was du geschlagen,
zu Gott wird es dich tragen!

私が勝ち取った翼で
私は飛び去っていこう!
私は生きるために死のう!
よみがえる,そうだ,おまえはよみがえるだろう、
わが心よ,ただちに!
おまえが鼓動してきたものが
神のもとへとおまえを運んでいくだろう!   (以上,訳者不詳)


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