忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

2008.12.28 [2]

2008年12月28日 | 過去記事
京都大学付属病院で、我が子の点滴に腐敗した水を注入した母親が逮捕された。▼まだ動機もわからないが、これを「ミュンヒハウゼン症候群ではないか」とする記事が産経新聞にあった。この聞き慣れない症候群とは「病気や怪我で他人の関心を得ようとすることから、虚偽の症状を訴えたり、検査サンプルを取り換えたりする行為」ということだ。仮病とは若干違うらしい。▼この母親は「重度の感染症を患った我が子を看病するかわいそうな母親」という立場を守るため、生後10か月の五女に回復されては困るというわけだ。自分の存在を守るために親近者などを使う、これを「代理ミュンヒハウゼン症候群」と呼ぶ。▼「よくがんばってる」と思われたい。「よくぞやり抜いた」と感心されたい。ハンディキャップを背負いながらもよくやったと。自分ならば、とても真似できないと言わせたい。このような思考からは「虚言」を発する可能性が増す傾向にある。▼普通に社会生活を送っているだけなのに、そこに何らかのハンディを生じさせることにより、「本来あるはずの自分」を想像させることができる。私はゴルフをしないが、ナイスショットの後「首をかしげる」心理と似ているかもしれない。そんなものだと知っていながら、普段はもっと飛ぶのに・・・と。▼勝負に負けた奴は「言い訳」はしない。するのは「逃げた奴」である。「逃げた理由」などお粗末なものだから嘘を作る。▼この母親は「負け犬の亜種」である。最近、ちらほら見かける。

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