忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

2008.12.22

2008年12月22日 | 過去記事
「死刑廃止制度」を訴える人たちがいる。必ずしも極刑が犯罪の抑止効果にならないという意見だけでなく、冤罪の可能性、あるいは近代国家としてあるまじき野蛮な行為であると、今日もどこかで頑張っている。▼この人たちは「先進国では死刑廃止がスタンダードになりつつある」と強弁するわけだが、例えば平安時代、日本に死刑制度はなかった。▼ユーラシア大陸で城壁に囲まれた要塞がスタンダードだった時代、平安京には石垣すらなかった。どころか、院生期には、今で言う軍隊、いわゆる防人制度もなくなった。蒙古来襲(元寇)までは、実に呆けるような平和が続く。▼モンゴル帝国が本気になった2度目の来襲(弘安の役)の際、北九州を襲った大型台風がなかったら、山口県まで続く石垣を築いて蒙古軍の上陸を阻まなかったら、いったい、現在の日本はどういう状況になっていたのかなどと、ファンタジーに耽ると薄ら寒くなる思いがする。▼新宿歌舞伎町で職務質問されている最中、車を急発進させ警察官を跳ね飛ばして逃げるという事件があった。その少し前は、高校生と無職の未成年が警察官を襲い、拳銃と手錠を奪うという事件もあった。▼どちらも警察官受難の事件であるが、いずれも公権力を問題にしない凶悪性と積極性を兼ね備えている。現代社会の「治安の悪化」を象徴するかのような事件である。▼国外をみても日本の周囲は危険な国が実在する。日本に核ミサイルを向けている国は2つある。▼「死刑廃止制度」を訴える人たちは「平和憲法9条を守れ」という人たちでもある。


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