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橋下氏「停電リスクに怖気づいた」と再稼働容認(読売新聞) >2012.6.9

2012年06月09日 | 過去記事

    




橋下氏「停電リスクに怖気づいた」と再稼働容認(読売新聞) - goo ニュース

<大阪市の橋下徹市長は8日の記者会見で、関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働を容認した理由について、「停電のリスクにおじけづいたところはある」と説明した。
計画停電が実施された場合の市民生活への影響を担当部局に検討させたことを明らかにしたうえで、「病院はどうなるのか、高齢者の熱中症対策はできるか。そう考えると、原発事故の危険性より、目の前のリスクに腰が引けた」と述べた。

 大飯原発の再稼働に反対してきた橋下氏は5月末に「事実上の容認」に転じ、「負けたと思われても仕方がない」と発言。再稼働を巡って「民主党政権を倒す」としていた「倒閣宣言」も撤回した。

 一方、野田首相が大飯原発の再稼働の必要性を強調したことに関して、橋下氏は8日、市役所で記者団に対し、「夏を乗り切ればいったん(原発を)止めて、きちんとした安全基準による判断が必要だ。期間を限定しない稼働は、国民生活ではなく電力会社の利益を守ろうとしているだけだ」と述べ、再稼働は電力需要が増大する夏季に限定すべきだとの考えを示した>







古館伊知郎といえば、いまでは立派なサヨクだが、幼少の頃の私からすれば好きなアナウンサーだった。「プロレスの実況」というだけのことを、あそこまでの「芸」に発展させたことを否定する人もいないだろうが、ともかく、全盛期時代の新日本プロレスを語るには外せぬ人ではある。

それに古館は「知らない言葉」を連呼した。得意の「ワンフレーズ」「キャッチフレーズ」に混ぜ込めてくる。これが流行った。キラーカーンがダブルニ―ドロップをすれば「アルバトロス殺法」とかやる。小学生の私は「あるばとろす?」となるから辞書を引く。すると、そこには「アホウドリ」と書いてある。なるほど、キラーカーンがトップロープから両膝を折り曲げて飛べば、それはまさに「アホウドリ」の飛翔、そして滑空。ウマいこと言うなぁ、カッコイイなぁ、となる。

アンドレが18文キックをすれば「人間エクゾセミサイル」とやる。コレも無論「え、えくぞせ?」となるから調べると、フランスの軍事兵器会社アエロスパシアル社の対艦ミサイルだとわかる。これは世界にたくさん売れた。フォークランド紛争でもアルゼンチン海軍は、コレをシュペルエタンダール攻撃機から発射し、イギリス海軍の駆逐艦「シェフィールド」を沈めたりした。戦争反対の人権屋が口にして良いモノでもない。

ブルーザーブロディがカウンターキックを放つと「寝耳に水のICBM弾」とか怖いことも言った。藤原義明は「顔面達磨大師」とも言われたが「UWFのカダフィ大佐」も言われた。世間で消費税という名の大型間接税が話題になると、前田日明の関節技は「大型関節技導入!」と叫ばれるようになった。いま振り返っても上手いこと言う。

山口県出身の郭光雄(クァク・クァンウン)、つまり吉田光雄がリングネームを「長州力」にしたのはわかりやすいが、藤波辰巳との抗争が勃発すると、すぐに「維新軍団」としたのも安易ながら、わかりやすいものだった。それをアントニオ猪木率いる「新日本正規軍」が受けて立つ、というアングルもわかりやすい。古館はよく「親日砦」とか「現代の下関戦争」も言った。長州がラリアットをすれば「腕、鉄砲水!アームストロング砲が火を噴いた!」とか調子よくやった。子供の頃の私は夢中になった。

しかし、よく考えるまでもなく、それらは実に「プロレス的」な、いい加減なモノであった。例えば、古館は「下関戦争」とか言うが、それなら長州藩の敵は一回目がアメリカとフランス、二回目はイギリス、フランス、オランダ、アメリカだった。つまり、イギリスのウィリアム・アームストロングが開発した大砲、いわゆる「アームストロング砲」は長州藩に向けられて火を噴いている。長州藩が使用できるのはトーマス・グラバーの横流しを待たなければならない。

下関戦争で欧米列強の近代的軍事力に目が覚めた高杉晋作は、あの「奇兵隊」を組織することになったわけだから、ハルクホーガンに負け、アンドレに負け、マードックに負けていた頃の長州力は高杉晋作、すなわち、長州軍団は「奇兵隊軍団」と名付けるのがしっくりくる。アニマル浜口は「桂小五郎」、マサ斎藤は「伊藤博文」か(笑。

遊撃隊の「来島又兵衛」は小林邦明に任せて、俊才「久坂玄瑞」は「幻の金メダリスト」と言われた日本大学レスリング部、谷津嘉章だ。「吉田稔麿」は謹直重厚の寺西勇で問題ない。あのオッサン面でのサマーソルトとか笑った。吉田松陰から「度胸がある」と言われた「入江九一」はヒロ斎藤。ジュニアヘビーの体躯ながら、ずんずんヘビー級の選手をジャーマンで仕留めた彼しかいない。

おっと!これで「松門四天王」も揃ったわけであります!!というわけだが、そもそも長州藩は「尊王攘夷」であった。高杉晋作は「オレは咬ませ犬じゃないぞ!」として倒幕を志したわけでもない。それなら15代将軍徳川慶喜も、どこに大政奉還してよいのかわからない。やっぱり古館のワンフレーズは面白いけど中身はない。解説席に座っていた山本小鉄ともうひとり、これまた名解説の櫻井康雄氏も「古館くんは歴史をあまり知らない」と雑誌のインタビューで答えている。なんとなく、かっちょよろしい言葉を選んでいただけだ。まあ、それでも「プロの芸」ではあるのだが。



しかし、だ。

民主党に政権を盗られてから最近、巷には「維新」とか「竜馬」とか、プロレスじゃないんだから、もう大概にしろと言いたくなる連中が跋扈する。「維新」と冠すればもう、なんでも人気が出ると思っている。もうすぐ新幹線でもビールにお茶、維新はいかがでしょう?と売り歩く勢いだ。ニセモノが蔓延っている。熱にあてられた行儀の悪い連中が集まり「維新だ!」とかやっている。実家で洗濯も手伝ったことのないような餓鬼が「日本を洗濯したい」とか、いやはや、もう、見てられない。我が倅は日本を洗濯する前に、いま、お父さんのパンツも洗濯している。親馬鹿半分、こっちのほうがよほど期待できる。

橋下は「倒閣宣言」も撤回した。高杉晋作が「夏の節電」にビビって倒幕を翻すはずもないわけだ。明治維新の志士達は<負けたと思われても仕方がない>などと言っている余裕はなかった。「維新」は歴史の本や歴史ドラマだけで結構、温故知新は否定しないし、過去に学ぶことも大切だが、手前勝手な都合のよろしい解釈で「悪用」するのだけは勘弁だ。




2 コメント

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Unknown (久代千代太郎)
2012-06-12 09:39:40
>りじちょ

はしした、カネがいるンでしょうなぁ。トップダウンの歪な民主主義のコスト。有権者が「公民」になればいいんですが、それはまた、夢の夢の夢の・・・・が現実でしょうなぁ。


西田先生のアレ、その日は仕事ですから(諸事情により休みが取れなかった)きびしいかもです。遅れていけるか、もしくは、そのあと理事長の報告という形で一杯・・・先日の埋め合わせも兼ねて・・・連絡をお待ちしております。
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関電株のカラ売り (近江謄写堂)
2012-06-11 12:04:15
ども。日々お疲れ様です。
ハシゲの「関電イジメ」は出来レースなんです。
ハシゲが、原発再稼働をキャンキャン言い出してからは、関電の株価の下落が目立っていました。仕手グループと握って、壮大な空売りを仕掛けてボロ儲けしたとのウワサを聞きました。

あ、それから西田昌司センセのあれ、行かはりますか?
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