久しぶりに「その手」の依頼が舞い込んできた。
「その手」とは、いわゆる「オカルト系」だ。
度々、「死んだ奴」が見える。
ソレを知った知人のオンナが、勝手にオレの能力で商売を始め、そのため度々そうした依頼が来る。
今回の依頼は、「事故物件」だった。
世の中にはいろんなマニアがいるもので、わざわざそうした物件に住もうというマニアも存在する。
…あらかじめ断っておくが、他人の趣味やフェチにいちゃもんをつけるつもりはない。
オレにも、いかにも薄幸っぽい「鬼塚ち◯ろ」のような女が好き♡」というフェチ? がある。
とりあえず現地に行った。
字数が限られているので思い切り端折るが、「浴槽で手首を切った女が住んでいた部屋」ということで借りたようだが、確かにソコにも感じるものはあったが、ソレよりも、元々備え付けてあったという二段ベッドの二階で寝ている時の息苦しさがヤバかった。
TV的にまとめるなら、霊が首を絞めていたとか、そうした話になるのだろう。
これまで結構霊を観て来たと思うが、そうした「霊障」みたいなモノは一度もない。
一度だけ、6・7人の霊に囲まれ、その中の一人に攻撃されそうになり、隣にいた霊がソイツをいさめていた、という状況はあったが…。
とにかく、苦しかった。
翌朝ベッドを確認し、気づいた。
ベッドの柵? にロープを引っ掛け首を吊った奴がいる。
借主とともに不動産屋を訪れそのことを告げると、向こうも驚いていて、「そんな話聞いていない」ときた。
要は、そうした物件は「アッチの不動産屋にやっちまえ」みたいなノリが多いようで、そのためキチンとした情報がつたわっていない様だ。