9時20分のひかりで岡山駅を出て間もなく
平野部を走る貨物列車に追いついた。
こげ茶色のサイコロみたいな貨物に白字でなにやら書かれている箱を
何十個も積んでいる。
しばらく走ってその長い長い隊列を引いているのは
たった一両の青い電気機関車であることが判った。
こんなにたくさんの貨物車をたった一人で引っ張っている。
たぶん動輪が10個以上もあって
速度は出ないがトルクの大きそうな地味なブルーを見てるうちに
なんだか目頭が熱くなる想いが込み上げてくる。
さぞ重たいだろうなぁ。
ブレーキを掛けたって後ろから押されてなかなか止まれないんぢゃないだろか?
コイツは写真に収めておかねば!と
モタモタしてたらあっと言う間にこちらの列車はトンネルに。
あの光景を再び見ることはないだろうな・・・
もうちょっと早くシャッターを押す決断をしていたら。
人生にはこれとよく似た場面が何度もあったような気がする。
あの時
も少し早くシャッター・ボタンを押してさえいれば・・・
も少し早く手を挙げてさえいれば・・・
みたいなことがね。
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列車の旅って良いな。
車窓には昔もってたテレビみたいに次から次へと
見知らぬ景色を映し出す。
そこに住む人にとっては見慣れた景色に違いないのだが
旅行者にとってはどれも新鮮で目は釘付けに。
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あ”~っ!!
またブルーの電気機関車と並走が始まった。
今度こそはシャッターを押した。
な~んと京都駅のすぐそばであった。
もちろん、さっきの貨物列車とは別物だ。
人生の走馬燈のように思えてならなかった。
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