「時」って一体なんだろうか?
人は誰でも物心がついて暫くしたら、時についての疑問を抱くものではないだろうか?
光が粒子としての性格と波動としてのそれを併せ持つように
時というものも、確かな物理的な特徴と
人間の精神(主として心の状態や記憶)との関わりをもって
いかようにも変化してみせる特徴を併せ持っているように思う。
そんなことについてのお話は
吉田健一氏が書き遺した「時間」という哲学的な書籍をお読み頂くことにしたい。
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オイラのごとき非集中力的かつ散逸的な人間には
このような厳密な仮説を検証する過程で時間を認識することが出来ない。
したがって、モクモクと煙を吐き出す嗜好品にしがみついて
ただ、刻々と移り変わる煙の状態を見詰めて
時間を認識するか
あるいは
モクモクと手先を動かして
自己閉鎖的な「美」を求めて
自分以外の誰からも理解されないような
死んだらガラクタとして葬り去られるような
ミョウチキリンなものを作り続けることを
自分にとっての時間認識の唯一の手段とするしか無いのである。
ハッキリしてることは
いくらそんなことをし続けても
「時間」という得体の知れないものを理解することなど到底できないことである。
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で、「時間」の理解を獲得することはアキラメルのが大事だと思うに至ったのである。
そう考え始めた途端!
一体、時計っちゃなんぢゃ?と思う際に
要するに時計なんて
下らないモノであるということが理解できるのである。
だってそうじゃないですか?
時計がえれぇ立派なモンなら
それによって「時間」が測れるはずだが
時計が測れる時間なんてのは時間の特徴のごく一部のことでしかなく
本当に本質的な時間の経過・推移なんてのは
こんなつまらねぇ機械で測れるはずがないからである。
従って
いくら高い時計だって下らないモノなんだから
一分一秒狂わない時計なんて
実に詰まらない機械であることに気づくでしょう?
ましてや時計と称するメカに宝石埋め込んだり
ケースを純金にしてみたところで
下らなさが2乗、3乗になって膨れ上がるだけのことですね。
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そこで時計の正確さや宝飾的な価値というものが実に下らない要因であることが理解できれば
アンティーク時計の面白さが
急激に脳みその広範囲な部分を刺激してくるぢゃ~ありませんか?
アンティーク時計っての大体が1960年以前に作られたものと言われてるみたいです。
当然、機械式時計で多くは手巻きのゼンマイを内蔵して
耳を当てると・・・
チッチッチッチッ・・・という音が聞こえてきます。
この音にはこの時計を組み立てて調整した職人の生活が見えるぢゃないですか?
(クオーツ時計だと秒針が一秒刻む音しか聞こえません)
時計としての精度なんか、一日で数分狂うのがふつうで
モノによっては時間単位で狂うものさえあります。
また
ゼンマイやその他の部品が払底してることが殆どでしょうかから
修理に出しても治るかどうかは判りません。
ゼンマイを巻くにしても丁寧に、丁寧に巻いてやらないと
いつゼンマイが切れるか
判りません。
時計なんてせいぜい今日一日の時刻のおおまかな推移が判れば
それ以上に望むべきものはないでしょう?
<ワンタッチで腕に巻ける仕掛けを採用しました。使い勝手はかなり良いです。>
だから朝起きて今日はこの時計と暮らそうと決めたら
時計のゼンマイを巻いて
それこそ一秒も狂わない時計に時刻を教えて貰って
セットすれば良い。
古い時計の扱いはそれで良いんだと思います。
そういう健気な品物に対する持ち主の心のありようというモノは
とても大切なものにオイラには思えてなりません。
世界を旅して今オイラの手元にやって来た古い時計たち。
生まれ故郷はアメリカだったりスイスだったり。
それが
どうして日本なんて国のしかも四国の汚い部屋に来ることになったのか?
時計たちは嘆いているかも知れません。
そんなことも考えると楽しいってか同情すべきか。
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そういった気持ちを少しでも和らげてやりたいと
オイラは汚いベルトを切り飛ばして
新しい気合の入ったベルトで飾ってやろうと思うのであります。
オイラが死んでまた誰かの手に渡ったとき
時計たちが大切に扱ってもらえるように
ベルトを作ってるとそんなことを思わず考えてしまいます。
前回の記事でお見せした丸っこい時計は動かなくなってしまったので
現在オーバホールをしてくれる時計屋さんのお世話になってます。
来春にはカッコ良くなって登場する予定です。
長々と浮世離れしたことをお読みいただき恐縮です。
(m´・ω・`)m ゴメン…
またそのうち時計や時間について書くことになりそうです。
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