窓の外は雨
雨が降ってる
幾筋もの雨が
君の心の曇りガラスに
天から落ちてくる雨。
この雨を遮ることは出来ない。
時には必要、時には迷惑。
しかし、構わず雨は降る。
遠い昔、人は天に祈った。
恵みをもたらす雨を希望し、
時には災害をもたらす雨が止
むように。
必死で天に祈った。
いかんともしがたいものを知
っていた。
時は過ぎ、人間は多くの技術
を手にした。
技術が幸せにしてくれると信
じた。
そして技術の溢れる現代に、
半ば追われながら、しかし
信じ続ける。
絶対に幸せになるはずだと
叫びながら。
だが幸せは一向にやってこな
い。忘れ去られたかの様に。
それでも信じる。
必ず幸せになれると疑うこと
なく。
自信過剰に気付くこと無く。
そして、やがて人間は祈るこ
とを忘れた。
非科学的なこととして。
ひたすら技術信仰を信じた。
止めること無く。
窓の外は今も雨。
技術信仰をよそに。