鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第八番浮遊大陸戦線ー第六話(最終話②)

2019-11-05 15:26:00 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



宇宙戦艦ヤマト2202外伝
ー第八番浮遊大陸戦線ー

第六話(最終話②)


ガス雲を抜ける間際、立て続けに二隻を爆沈で失い、更に追い打ちを掛けるように四隻を失った。



「……。」
「管制艦橋、無人艦隊の隊形を解除、散開せよ!」
「第二戦速から速力いっぱいへ上げ、各個に砲撃を開始せよ!」
「それと艦長席に管制パネルを転送し、連動させよ。」

「了解!」

「通信士!第一から第三コスモ零隊に通達!全機、旗艦紀伊より、離脱、各個に足遅い艦艇から沈めよ!」

「了解!」

土方の頭に甦った古代らの会話から、空間を跳躍する兵器=火焔直撃砲の対策案を土方なりに試みていた。

艦隊を散開させ、速度を上げる事で各艦のコントロールは難しくなるが、相手は座標設定が困難となる。
そして、もう一つ思い出した事がある。





「速度が、速度が速すぎる!」
「コントロールに支障が!」

「落ち着くんだ!管制が焦っては勝てる戦も勝てん!」
「儂が、この土方がサポートする!」
「自分たちの能力を信じるんだ!」
その時であった目の前の空間が時空間変動の兆しを伺わせた。
「グニャり。」と僅かに歪んだ。
土方は転送されたコントロールパネルを見つめながら、チェスの駒を動かすように歪んだポイント前のドレッド・ノート級を一マス右に動かした。
火線が霞めてゆく。
狙われたドレッド・ノートの撃沈はまのがれたが、かなりの被弾が伺えた。

「管制!土方だ!」
「そちらでも確認出来たと思うが、あの火線は空間跳躍する時に兆候が見られる!そのタイミングで二マス動かすんだ!」
「二マスなら被弾は無いはずだ!」

「了解!やってみます!」



「………。」
「当たらぬ…が、しかし地球艦(テロンのふね)は戦闘機か?」
「これだけ入り乱れて動き回れては、火焔直撃砲も役に立たぬか。」

「ポランド!サフォーク!聴こえるか?」
「あの一番デカイ地球艦(テロンのふね)の足を止めろッ!!」
「なぶり殺しにしてくれる!!」

「ブンブンと五月蝿いハエどもは大陸の奴らに任せておけ!」


【第八番浮遊大陸占領部隊・第三都督ジャジャ】イメージ


【ジャジャ】
ガトランティス第七バルゼー機動艦隊第747偵察隊所属。
第三都督。(浮遊大陸占領部隊指揮官の一人で三番目の都督。)
都督に昇格した事で、メダルーサー級殲滅型重戦艦メガルーダーを与えられた。
特務偵察隊司令で自身が座乗するメダルーサー級ジャジャ艦の艦長を兼任する。
女性型複製体。(クローン兵)
年齢は地球人に換算して24歳相当。
紅い髪色でロングヘアが特徴。
瞳は黒。
※純粋体ではなく複製体サーベラーのD.N.Aを遺伝子組み換えを行い造られたクローン兵。



「ジャジャ様は相当、ご乱心のようだな。」
「そのようで。」
サフォークは「ニヤリ。」と笑みを浮かべた。



「沈め!沈め!」
「アハハハハハーーーッ!!」
怒りに任せ、巨大五連装砲を乱射するジャジャ。



「あの厄介な砲撃が止んだか。」
「航海士!速度を第一戦速に落とせ!」

「管制艦橋!ドレッド・ノートの速度を第一戦速に落とせ!」
「再度、砲雷撃戦を仕掛ける!」

だが、この土方の判断が、このあとに待ち受ける惨劇を生む、きっかけと成ってしまう。

「機関区に被弾!」

新たに命令を下した矢先、紀伊は機械区に直撃弾を喰らってしまう。
火星アステロイドエリアで一戦を交えた、ククルカン級と大陸に戻り、同じくククルカン級を与えられたサフォークの艦にガス雲を利用され、回り込まれていたのだ。

「後方へ回り込まれた!」

「……奴ら、いつの間に。」
土方は目を細め、呟いた。
「艦長!至急、機関区にダメージコントロールへ向かわせろ!」

「り、了解!」

「通信士!第三迎撃隊(山本隊)を呼び戻せ!」

「了解!」




「くっ!」
「此方、山本了解した!」

「第三迎撃隊、全機当該空間から離脱!」
「旗艦紀伊の護衛に回れ!!」

「ラジャー!」「ラジャー!」



「機関区、ダメージコントロール追い付かない!」

第一艦橋内は艦内報告と命令が乱舞していた。

「司令!あのガトランティス大型艦は空母の能力を有しているようです!」
「タイプ・デスバテーター12機、急接近ッ!!」

「対空防御!波動爆雷を撒き散らせ!」

「コントロール管制艦橋に被弾!!」
「半数以上のコントロールが不可能!!」

「機関長!機関区の状況は?」

「波動エネルギーの流出は止まりましたが、波動エンジンの出力は42パーセントまでダウン!」
「武器の使用を控えれば78パーセントまでの回復が見込めます!」

「もはやこれまでか…。」

「艦長。全コスモ零を帰投させよ!」
「遺憾ながら、当該宙域を離脱する!」

「えっ!?司令、今何と?」

「撤退だ。」

「撤退ですか?」

「そうだ。撤退だ。」
「コントロールを失い瞑想する艦隊が半数以上だ。これでは負けたも同然。」
「これ以上の犠牲者は出さん!」

「………。」
「了解しました。」
うつむき加減で艦長は撤退命令を下した。




「艦長!置き土産を置いてゆく。」

「管制艦橋!コントロール可能な残りの艦(ふね)のコントロールを切れ!」

「緊急ワープと波動砲発射準備!」
「目標!無人ドレッド・ノートアルファ隊!」
「航海士!波動砲発射と同時に緊急ワープだ!」



「総員!対ショックに備えッ!」
「波動砲、発射ーーーッ!!」


◆◆◆◆


地球初の無人艦隊旗艦:戦略・戦闘指揮艦紀伊は主機の故障に苦しみながらも火星圏にワープアウト。
任務を断念して火星アルカディアベースに入港した_。

一週間後、土方は地球連邦防衛軍中央司令部より、第十一番惑星へ出向命令が下された_。


~fin~




【メダルーサ級殲滅型重戦艦】

全長:505m

武装
火焔直撃砲×1門

転送投擲機×2機

艦首大砲塔(五連装大口径徹甲砲塔)×1基

主砲:大型八連装速射輪胴砲塔×3基

副砲:中型二連装速射砲塔×2基

対空砲:八連装高射輪胴砲塔×16基

艦首魚雷発射管×9門

量子魚雷噴進機×4機

艦載機数
12機
艦載機
甲殻攻撃機 デスバテーター




【ククルカン級襲撃型駆逐艦】

全長:190m

武装
主砲:中型八連装速射輪胴砲塔×5基

副砲:小型八連装速射輪胴砲塔×3基

対空砲:高射輪胴砲塔×10基(八連装型×2基、単装型×8基)

量子魚雷噴進機×2基


※現在、架空宇宙戦艦ヤマトメカ戦略・戦闘指揮艦 紀伊を1/1000宇宙戦艦ヤマト2199ver.をベースに製作中。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また設定資料から引用。一部、拾い画を使用しています。

宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第八番浮遊大陸戦線ー第五話

2019-11-04 12:32:55 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝



宇宙戦艦ヤマト2202外伝
ー第八番浮遊大陸戦線ー

第五話(最終話①)


ー第八番浮遊大陸宙域圏ー


地球から約26.000光年、銀河中心部付近。
この宙域にガミラス・地球から「浮遊大陸エリア」と呼ばれる空間エリアがある。
このエリアを帝星ガトランティスが占領して、十三日が過ぎた。
十三日前、ここに浮遊する大陸にガミラスの調査団が、降り立ち"アケーリアスの遺産"を発掘した事から、この紛争は始まりを告げた。

丁度そのころ銀河系にガトランティスのテレザート星、調査の部隊が進軍、偶然にもガミラス調査団の超空間通信を傍受、それを受けた大帝ズォーダーは、テレザート星調査を別動部隊に切り替え、浮遊大陸エリアの占領を命じたのだ。



大した武装艦も調査団には随行しておらず、このエリアは僅か60分で制圧された。
そして、この時、緊急超空間通信が発信され、地球圏に滞在するガミラス月面大使館を経由し、地球連邦防衛軍はガミラスからの援軍が到着するまでの間(あいだ)、先発隊として、ガミラスの生存者の救出とエリア奪還を依頼された。
その間(かん)にもガミラス独自で幾度か駐留艦隊を派遣しているが、返り討ちにあっている。
連邦防衛軍上層部は新たに設立された地球初の無人艦隊の実戦データーを収集するチャンスと捉え、先頃、完成したばかりの戦略・戦闘指揮艦紀伊を旗艦とした無人艦隊を派遣した。


◆◆◆◆


火星アステロイドエリアでガトランティス駆逐艦と遭遇した紀伊は、五時間後、この浮遊大陸エリア外縁部に到達した。



「艦長。全艦に通達。」
「ここから先は激戦区である事を肝に命じておけ。」
「我がコスモ零隊、第一迎撃隊は紀伊上空、右翼を。第二迎撃隊は左翼をカバーせよ。」
「第三迎撃隊は艦底部無人艦隊管制艦橋、直下をカバーせよ!」
「第四迎撃隊は直ちに発艦、敵ガトランティスの動向をいち早くキャッチせよ!」
「艦隊、十文字隊形!」
「全艦、第一級戦闘配置!」
「第二戦闘速度で前進せよ!」
「また、敵ガトランティス占領軍の規模が未知である、対空監視及び防御を"厳"とせよ!」

「諸君らの活躍に期待する!以上。」
土方による命令が下された_。

イメージ曲:宇宙戦艦ヤマトより。

数千年も前に爆発した時に発生したガス雲が、未だに晴れていない。
浮遊大陸へ近づけば近づくほどに、濃く成ってゆく。
ヤマトよりも強化され、濃密度の雲海にも対応出来るとされた紀伊のメインコスモレーダーであったが、艦(ふね)が、進むにつれ、効きが悪く成って行った。
シミュレーションでは優秀な成績を修めたトップクラスのクルーたちに不安と焦りが、滲(にじ)み出ていた。
実戦経験の乏しさと練度の低さが浮き彫りである。
そんな彼らクルーを上手く使えるかが、土方に重くのし掛かる。



ガス雲の海に消えたコスモ零、隊四迎撃隊から報告が飛び込んだ。
「此方、第四迎撃隊隊長:篠原!」
「ガス雲を抜けた!レーダーはそれでも余り役に立たない!」
「目視によるガトランティス艦隊の座標を……$℃@¥#¢……」
突如、第四迎撃隊隊長の篠原からの通信が途絶した。
しかし、僅かなからではあるが、紀伊のメインコスモレーダーには、篠原隊が点滅している。
全機が無事なのかは不明であったが、健在である事に、安堵な表情を浮かべるクルーたち。

「通信妨害により、詳しい座標は解りません!」

「うむ。」
「レーダー士。僅かな点滅を目標に設定、航海士にデーターを渡せ。」
土方が命じたその時であった船体が、大きく揺れた。
同時に被弾報告が第一艦橋に届いた。
ざわつく第一艦橋内に土方の激が飛ぶ。

「艦橋組が、うろたえるな!」
「艦(ふね)が沈むぞ!」

そんな事を言われてもと艦長は目線を土方に送った。
だが、土方は次の指示を飛ばした。
「通信士!傍受出来るものは全て拾え!」

「了解!」

「司令!間もなく、篠原機と通信が途絶えた辺りに到達します!」

「うむ。」
「航海士。その空間に出たところで我が紀伊は右90度回頭、無人艦隊戦に移行する!
「砲雷士!全主砲、左90度旋回、仰角45度、一番から順に撃て!」

「了解。」

「此方、紀伊上空左翼、ガトランティス駆逐艦二隻を捉えた!」

「土方だ!その駆逐艦から放たれた空間魚雷、ミサイルのみを墜せ!」
「右翼は駆逐艦二隻に回り込んで畳み掛けよ!」

「提督!意見具申!」
土方が命令を下す中、艦長が意見具申を申し出たのだ。
それは先行偵察する迎撃隊を引き下げ、新型波動砲によるガトランティス艦隊殲滅をとの具申であった。

「駄目だ!」

「何故です!」
「これ以上の損耗も防げ、尚且つガトランティスを殲滅出来るではありませんか!」
土方の答えは"NO"であった。

「波動砲は使わん!」
「今、ガトランティス艦隊の正確な位置も規模も、未確認の状態なのだ!」
「ましてや、波動砲は"宇宙を切り裂く"可能性を秘めた兵器、闇雲に使う訳には行かん!」

「味方、ドレッド・ノート級、10番、17番艦、爆沈!!」
艦長と艦隊司令である土方と意見が衝突する中、味方の爆沈報告に土方を含めクルーたは度肝を抜かれていた。

「敵は何処からか?」
「左右のコスモ零から報告は?」

「いえ、何もありません!」

「第四迎撃隊!何も捉えて無いのか?」

「此方からは何も捉えてません!」

「……此方の射程圏外から…。」

それは紀伊及びドレッド・ノート級の射程圏外からだった_。



「……古代や真田が話ていた空間跳躍するの兵器か…。」
土方の頭を過る言葉が走馬灯のように甦った。


第六話(最終話②)へ
つづく。


※現在、架空宇宙戦艦ヤマトメカ戦略・戦闘指揮艦 紀伊を1/1000宇宙戦艦ヤマト2199ver.をベースに製作中。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また設定資料から引用。一部、拾い画を使用しています。

宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第八番浮遊大陸戦線ー第四話

2019-11-04 02:52:00 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝





宇宙戦艦ヤマト220外伝
ー第八番浮遊大陸戦線ー

第四話


火星宙域アステロイドエリアでガトランティス攻撃型ククルカン級駆逐艦ポランドに強襲される地球の民間宇宙船サザンクロス号。

「ポランド隊長!この船のエアロック室を制圧した!」
「今がチャンス!例の複製体を!」



ポランドと複製体はサフォークの制圧したエアロック室へ向かい、合流した。
そこへ飛び込む地球艦接近の報告。
一瞬、エアロック室内がざわつくが、直ぐにそれは消えた。
スライム形状記憶合金保護服に包まれた複製体サーベラーは、それを脱ぎ捨て、「ここからは私が、一人も殺す事なく制圧し、地球人に成り済ます。」
「貴公たちも立ち去れよ。」



真の姿をさらけ出した複製体サーベラー。
ポランドはその容姿と吐き捨てる言葉から「やはり。」と確信した。
白銀の巫女と異名を持つ帝星ガトランティスNO.2シファル・サーベラーの複製体
だと_。
あと24時間もすれば、成体になる一つ前の段階、いわゆる青年期の姿を現した。
姿を現した複製体サーベラーは特殊感応波を放つ。



「あら。レドラウズ教授。脅えた顔して。」
「怖がる事はなくってよ。

「桂木…くん…か!?」




「上手くいっているようだな。」
「サフォーク。待たせたな。」
「これより、占領地へ帰投し、戦線に復帰する。」
「思う存分に暴れられる!」
「あの地球の戦艦に挨拶して引き上げるぞ!」

「クククッ。そう来なくては。」
ククルカン級ポランドは、拿捕したサザンクロス号から離脱すると、急加速し、紀伊を目指した。
ホワイトブルーに輝く火線が飛び交う中を縫うように飛翔するポランド艦。
土方を除き、目を丸くし、驚きを隠せない紀伊のクルーたち。

「……たった一隻で。」
「艦長!弾幕を張りつつ、微速後進!」

「…後進!?ですか?」
「相手は、たった一隻です!火力から言っても我が方が上です!」

「たかが一艦。されど一艦だ!」
「あの急加速で突っ込ん来る事を考えれば、万が一を考えれば、衝撃は少しでも軽い方が次の一手に繋げやすいのだ!」

「り、了解。」

そんな中、ポランド艦は紀伊の艦橋を霞めワープした。

「…消えた。ワープで離脱したか。」
「今度の敵ガトランティス。侮れんな。」
たった一隻の駆逐艦で戦艦三隻を相手に一歩も退かない。
むしろ群れの中へ自ら飛び込み、隙あれば腹腸(はやわた)を喰らう。
たとえそれで自身が倒れようとも_。

土方は思う。
さっきの奴らが前衛で自己犠牲も躊躇わず突き進み、後衛が畳み掛ける。
もし、物量が予想を遥かに上回るなら、我々は、いや地球に勝ち目はない…。


「艦長。サザンクロス号の乗組員の安否確認後、主戦場である第八番浮遊大陸へ向かう。」




「サフォーク。いいデーターが取れたようだ。」
「あの三隻の艦(ふね)からは生体反応が、これまでのものより、遥かに少ないという事が判明した。」

ポランドは思う。
これは少数精鋭なのか?
それとも、殆どが機械なのか?
答えは一つ。旗艦を潰せば解る!って事だ。

次に遭う場所は占領地「第八番浮遊大陸」。とポランドは確信している。
ポランド艦のメインレーダーには、あの旗艦紀伊とドレッド・ノート級二隻の他に、後方で待機する34隻の戦艦を捉えていたからだ。


第五話へ
つづく。


※現在、架空宇宙戦艦ヤマトメカ戦略・戦闘指揮艦 紀伊を1/1000宇宙戦艦ヤマト2199ver.をベースに製作中。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また設定資料から引用。一部、拾い画を使用しています。

宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第八番浮遊大陸戦線ー第三話

2019-11-03 12:41:00 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝







宇宙戦艦ヤマト2202外伝
ー第八番浮遊大陸戦線ー

第三話



天ノ川銀河辺境の地と呼ばれる場所に存在した惑星ガラマ。
地球から銀河中心部方向へ約26.000光年行った宙域にこの惑星ガラマは存在し、星の寿命と共に爆発、八つに割れ、空間に浮遊する大陸と成った。
その中でも、一番大きく割れ浮遊する大陸には"アケーリアスの遺跡"が奇跡的に残っていた。

母星ガミラスの第二のガミラスに相応し惑星を探し出す為に、派遣されていた銀河方面調査団は、ただ単に通り抜けるはずだったこの宙域、偶然にも調査団全員が何かに導かれるという不思議な体験をした。
そして立ち寄った浮遊大陸、調査団たちはこの浮遊大陸で、"アケーリアス"の遺跡=遺産的なものを見つけてしまう。
何かに導かれるように調査団たちは大陸に散らばる朽ち果てた石板を拾い集め、解析、どうにか読み取れる部分を更に解析し、辺りを調査した。
「¢@#℃¥……ハ…生物……機動…#℃¥@$……カラクルム…。」
調査団たちの興味は尽きなかった_。

第二の母星を探し出すという任務を忘れさせてしまう程の、魅力に取り付かれ、本国であるガミラスに打診したのである。
「我々は帝国繁栄に欠かせない究極の生物機動兵器を発見した!」
「この近傍空間には、それが確認出来る!」
「銀河中心部付近ならば我々ガミラスの第二惑星(ほし)は、必ずある!」
「だが、我々調査団は、このカラクルムの調査を優先する!」






【サフォーク】イメージ

「聴きましたか?ポランド隊長。」
「この浮遊大陸エリア、我がガトランティスにとっても宝の宝庫。」

【ポランド】イメージ

「そのようだな。」
「例の任務と合わせてガイレーン様に報告は入れた。」
「この浮遊大陸エリアを制圧する艦隊を送り出したとの事とだ。」
「我々はこの浮遊大陸の情報を持ち帰れ。との事だ。」

「クククッ。」
その言葉に「ニヤリ。」と不適に笑うサフォーク。

◆◆◆◆

ー火星宙域アステロイドエリアー

「あと30分もすれば地球の商船(ていきびん)が、ここを通る。」
「サフォーク。貴様の趣味を押さえつけるようで悪いが、"逝かさず殺さず"という事を忘れるなよ。」
「拿捕し、何事も無かったようにスパイを送り込み、商船を解放する。」

「ああ。分かっている。」

30分後、地球の商船(ていきびん)が、流星に紛れるポランド艦の前を通過した。
奇襲を仕掛けるポランド艦。



だが、40万宇宙キロ後方で土方率いる無人艦隊は、これを捉えていた。

「報告します。土方司令!」
「40万宇宙キロ先で何やら交戦しているようです!」
「先程、見かけた地球から第十一番惑星に向かう商船のようです!」
「識別からして、ガトランティスに襲われている可能性が最も高いです!」



「うむ。」
「全艦。戦闘配置!」
「航海長。当艦隊が全速で当該宙域に到達する時間は?」

「ハッ!ドレッド・ノート級に合わせる必要から、およそ27分!」

「了解した。」
そう返答しながら土方は思う。

こんな内惑星圏までにも、ガトランティスの艦艇が入り込んでいると・・・

地球との直接対決も、時間の問題かも知れんな・・・

「土方司令!あと6分で当該宙域に到達!」
慌ただしく艦長が告げて来る。

「うむ。」
「艦長。我が紀伊とドレッド・ノート級一番、二番艦以外は、この場に固定(たいき)せよ!」

「えっ!?待機ですか?

「そうだ。艦長。何度も言わせるな!」
土方は少しキツメに艦長を叱責した。

「ハッ。申し訳ございません。」
「ドレッド・ノート級一番、二番艦以外はこの場に固定!」
「無人艦隊コントロール管制艦橋ヘ、一番、二番艦のみを前進、商船を襲うガトランティス艦を攻撃せよ!」

「艦長。出来れば拿捕したい。」
「我々は、ガトランティスの事を知らなすぎる。」
「拿捕し、ガトランティスを尋問する。」

「了解しました。拿捕に切り替えます。」

「コントロール管制艦橋へ、一番、二番艦の武装の出力を抑え、拿捕へ向け作戦を遂行せよ。」

「此方、コントロール管制艦橋。了解。」

しかし、艦長には土方司令に対する不満が積もりはじめていた_。


第四話へ
つづく。


※現在、架空宇宙戦艦ヤマトメカ戦略・戦闘指揮艦 紀伊を1/1000宇宙戦艦ヤマト2199ver.をベースに製作中。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また設定資料から引用。一部、拾い画を使用しています。

宇宙戦艦ヤマト2202外伝ー第八番浮遊大陸戦線ー第二話

2019-11-02 22:48:00 | 宇宙戦艦ヤマト2202外伝





宇宙戦艦ヤマト2202外伝
ー第八番浮遊大陸戦線ー

第二話

第八番浮遊大陸を奪還し、囚われているガミラス兵、研究者らの救出に出撃した戦略・戦闘指揮艦 紀伊を旗艦とする地球初の無人艦隊は直接、主戦場である第八番浮遊大陸を目指した訳では無かった。
艦隊司令である土方は火星宙域アステロイドエリアを経由したのである。
これには土方なりの理由があった。

「艦長。進路を火星宙域アステロイドエリアへ。」
唐突に航路変更の指示を出す土方。

「アステロイドエリアですか?」

「そうだ。この艦隊は産声を上げたばかりだ。」
「テストも無いまま無人の艦(ふね)36隻をコントロールしてでの実戦では、指揮する我々に焦りが必ず出る。」
「テストしたからと言って、全く出ない訳ではないが、テストしただけの効果はある。」
「それに俺は卓上だけでのデーターは開発者には悪いが、鵜呑みに出来んのでな。」
「これより72時間のテスト航海を行う。」
「その後、連続ワープで主戦場を目指す。」

「了解。進路、火星宙域アステロイドエリアへ。」

「進路、火星宙域アステロイドエリア、ヨーソロ!」
艦長の指示を復唱する航海士。

こうして、予定航路より迂回する形で主戦場を目指す事と成った。


ー火星宙域アステロイドエリアー




土方率いる無人艦隊が火星宙域アステロイドエリアを目指す中、流星群に紛れ、ガトランティス第八番浮遊大陸占領部隊から派遣され、地球連邦防衛軍とガミラス駐留軍の動きを把握する為、偵察部隊が潜んでいた。
この部隊にはもう一つ、別の任務が課せられていた。
それは、大帝ズォーダーが興味を示した"地球人"その地球人に成り済ましたスパイを地球に紛れ込ますというものであった。

「しかし、偵察が任務の我々に、この幼生体を地球に潜伏させよ。って無茶が有りすぎでは?」
特務偵察隊ククルカン級ポランド副長サフォークが嘆くように口を開いた。

「仕方あるまい。ガイレーン様、直々に仰せ付けられたのでな。」
嘆くように口を開いたサフォークをなだめるように、ククルカン級ポランド艦長ポランドが応えた。

「……この幼生体。サーベラー様に似ておられる。」
西洋などで故人を埋葬する時に使われる棺程の大きさで作られた、半透明製の生体保存カプセルに保護されながら冷凍睡眠中の幼生体を覗きこんだポランドの頭に「ふと。」過った。

【ポランド】
ガトランティス第七バルゼー機動艦隊第747偵察隊所属。
特務偵察隊隊長で自身が座乗するククルカン級ポランド艦の艦長を兼任する。
女性型複製体。(クローン兵)
年齢は地球人に換算して22歳相当。
モスグリーンとシルバーの二色の髪色でロングヘアが特徴。
瞳はブルー。
※純粋体ではなく複製体サーベラーのD.N.Aを遺伝子組み換えを行い造られたクローン兵。


【サフォーク】
上官であるポランドと同部隊に所属。
乗艦するポランド艦の副長。
ポランド同様、女性型複製体である。
年齢は地球人に換算して22歳相当。
朱いロングヘア朱い瞳が特徴。
ポランド同様に複製体サーベラーのD.N.Aを遺伝子組み換えを行い造られたクローン兵。


「で、隊長。どうやってこの特務(さくせん)を遂行するんで?」

「この宙域に潜んで三日が経った。」
「ガミラスの艦艇が五隻、内一隻は旗艦クラス残り四隻が随行する護衛と云ったところだろう。」
「そして、地球の商船(ていきびん)が六時間置きに通過している。」
「ガミラスの艦艇は一度きりで、あとは通過していない。」
「商船を拿捕する。護衛も付いていないのでな。」

その言葉に「ニヤリ。」と左の口角を上げたサフォーク。

第三話へ
つづく。


※現在、架空宇宙戦艦ヤマトメカ戦略・戦闘指揮艦 紀伊を1/1000宇宙戦艦ヤマト2199ver.をベースに製作中。

この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また設定資料から引用。一部、拾い画を使用しています。