二次創作
宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー
第八話
暗黒星団帝国の奇襲によるガミラス星内での戦闘で、大気は汚染、首都バレラスから離れた郊外の街は壊滅、僅かな緑地や山岳部には灰の絨毯が敷き詰められ、首都バレラスさえも今や、死の都と化していた_。
「どうやら間に合ったようだが、通常空間(洋上)は、ど偉い事に成ってるようだ。」
「ハイニ。親父(ディッツ提督)に暗号通信を打て。」
「アイサー。」
「砲雷士。一番から四番、魚雷装填。」
「一番、二番は通常空間魚雷、三番ホーミング魚雷、四番、亜空間魚雷装填急げ!」
「アイサー!」
「一番から四番まで装填完了!」
「うむ。」
「目標。中央の巨大戦艦!」
「一番、二番は推進機を狙え。」
「四番は、あの"大口"を狙え。」
「アイサー!」
「一番、二番、発射!」
「続いて三番ホーミング発射!」
「さぁ。猟をはじめるとしようか。」
推進機を狙う通常空間魚雷を交わすには、逃げるか魚雷を墜すしかない。
だが、エンジン音に喰らいつくホーミングが、つけ狙う。
機関停止で交わせるが、通常空間魚雷に喰われる。
「どう。交わすか見物だな。」
「四番の亜空間魚雷は、目の前に突如、出現する奇襲の魚雷だ。」
「それも特上の栄養剤入りだ。」
「魚雷、二本、後方に急接近!」
「何ッ!!」
「交わせ!たかが空間魚雷二本だ!」
「いつの間に、奴ら亜空間潜航艦を…。」
「待って下さい!」
「魚雷、もう一本、前方から来ます!」
「ウググッ。」
「後進だ!!いや、待て全速前進だ!!」
「魚雷!コースターン!喰らい付かれました!!」
デーダーは、歯ぎしりが聞こえる程にいきり立っていた。
「…ホーミングか?」
「…ホーミングか?」
「オペレーター!機関停止だ!」
「後方からの魚雷を墜とせ!!」
「御意!」
だが、ここまでは百戦錬磨のフラーケン大佐にとっては予想済み。
あたふたする様子が目に映るように浮かんでいた。
そして、フラーケンは既に四番の亜空間魚雷を発射していたのだ。
右往左往する巨大戦艦プレアデスの眼前に突如、出現した亜空間魚雷は大きく口を開いたプレアデス艦載機口内に雪崩れ込む。
「前方にもう一本、魚雷!!」
「回避、間に合わない!!」
顔を伏せるプレアデスのクルーたち。
「艦載機発着口に魚雷ッ!!」
「……ふ、不発のようです!!」
「……不発!?」
「時間差で爆発するかも知れん!早急に空間(そと)に放り出せ!」
だが、その魚雷は思いもよらないものに変化した。
デーダーの予想通り時間差で、その魚雷は、爆発というよりは破裂、中から腐食ガス(ガス生命体)出現した。
うねうねと動き、もやもやと大きく成ってゆく。
艦載機発着口内で腐食ガス生命体は、プレアデスを喰らい成長してゆく。
「が…ガスだ!!」
「ガスが生き物のように!!」
「……なんだと、ガスが生き物……。」
「大格納庫、沈黙!!」
「機関に異常発生!!」
「プレアデスの兵装、使用不可!!」
「ガスなどに……。」
「通信オペレーター!残存艦を纏め、儂につづけと伝えよ!」
「我がプレアデスと残存艦を首都にぶち当てる!!」
「…御意!」
ガス生命体に内部から喰い荒らされながらプレアデスは、残存艦を纏め、デスラーズ残存艦隊の砲撃の雨を掻い潜り、首都バレラスへの体当たりを敢行、自爆した。
デスラー総統をはじめ、ガミラス軍高官たちは、予想外の結末を味わう事に成る_。
「…首都バレラスの消滅を確認……。」
「ゆ、誘爆が地下までに拡がっているようです!!」
◆
※【腐食ガス=ガス生命体】
ミルベリア星系で発見された原始的なガス。
過去にデスラーは対ヤマトに使用した。
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つづく。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。