二次創作
宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー
第七話
「もう大丈夫だ。」
「もう怖がらなくても大丈夫だ。」
「……お、お姉ちゃん……。」
「ありがとう。」
ガミラスの少女イリィは間一髪のところ、急行したメルダ大尉に救われた。
「さぁ。私が安全なところまで連れてゆく。」
「あっ。待って…。」
「ヤマト…お兄ちゃんのヤマト……。」
「ヤマト!?」
「ん。お兄ちゃん……形見のヤマト…。」
メルダは壊れたヤマトの模型を拾い、イリィを抱え、愛機、真紅のツヴァルケで脱出した。
「安全なところなどと云ってしまった…。」
「もう、バレラスもこの有り様じゃ……。」
メルダはそう心の中で呟いた。
「クッ。奴らやりたい放題しやがって、母艦を失なっか…。」
「デスラー総統の艦(ふね)に降りるしかないか。」
メルダの帰る場所、第一空母は沈み、本来とは違うが、デスラー総統座乗のデスラーズⅠ世に着艦した。
「メルダ大尉!ブリッジに上がります!」
「うむ。」
コツコツとブーツの踵を奏で、イリィと共にメルダは、デスラーズのブリッジに上がった。
「ご苦労だったな。大尉。」
「…ん!?」
「その少女は、大尉。君の娘(こ)かね!?」
「えっ!!あっ!」
「申し訳ございません。」
「この娘は壊滅したバレラスで救う事が出来た孤児です。」
「……。」
デスラーは少女が大事に両手で持つやヤマトの模型に目を向けた。
「…それはヤマトか?」
「……デスラーのおじ様。ヤマトを知ってるの?」
イリィは、今にも泣き出しそうな顔を笑顔に変え、話はじめた。
「ヤマトを知ってるの?」
「ヤマトは凄く強いんだよ!ガミラスを救ったんだよ!」
「地球の英雄なのよ!」
「わたし、ヤマトに助け貰った事があるだよ!」
満面の笑みを浮かべ、話に夢中に成るイリィだったが、改めて壊れたヤマトを見て、笑みは雲ってしまう。
両手の手の掌に乗せた壊れたヤマトの模型を見つめ、瞳に涙を滲ませた。
その涙は瞳から溢れ、頬を伝わり、溢れ落ちた。
「……お兄ちゃん……。」
「大尉。その娘を連れ、特使としてイスカンダルへ行け。」
「提督とスターシャには、私から話を通しておく。」
「地球へ。ヤマトへゆけ。」
「…ザーベルク。」
イスカンダル星、王都イスク・サン・アリアー女王の間ー
「メルダ。お久しぶりですね。」
スターシャの言葉にメルダは胸の前に右手をを当て、腰から15度に曲げた。
「ルードゥ・イスカンダル。」
「メルダ。話はデスラー総統から聞いています。」
「ですが、イスカンダルの宇宙船(ふね)シュヘラザードは、お貸しする事が出来ません。」
その言葉にメルダは困惑を隠せずにいた。
「…陛下。何故です。」
「今、ガミラスがどんな状況かは、陛下もご存知なはずです。」
「大尉の仰る通り、存じています。」
「ですが、シュヘラザードはお貸しする事は出来ません。」
第八話へ
つづく。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。
つづく。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。