様々な分野でグローバルに活躍する「普通の人々」が体験を語り、次世代の普通の人々のお役に立てればと思っているサイトです。

日本在住歴約40年のRon McFarlandと外資系勤務が長い齋藤信幸が、それぞれの海外体験を語ります。

「中国実習生、2人殺害容疑」で考えること

2013-03-18 01:45:04 | スキル体系ー地域研究
「中国実習生、2人殺害容疑」、3月15日の朝日新聞の見出しです。テレビでも報道されましたので、皆さんもご存じだと思います。

広島県江田島のカキ養殖業の工場で社長と従業員の2名が死亡し、6人がけがをした事件です。

なぜ、実習生は惨劇に及んだのか、報道されていることの一つは、社長に頻繁に怒られていたことです。社長は、実習生にしっかり仕事を学び、実行して欲しいと望み、叱責したのでしょう。

実習生はどのような状況の中で叱責されたのでしょうか。皆の前で、あるいは、会議室に呼ばれて。日本語はどの程度分かっていたのでしょうか。社長が怒っていることは理解できたと思いますが、話す内容をどこまで理解できたのか。

国によっては、大声での叱責や人前での叱責をされた場合、二度と協力しなくなるか、辞めてしまう傾向があります。辞めてすぐに帰国できない実習生にとっては、仮に非が本人にあったとしても、辛い日々であったと推察されます。

厚生労働省の「外国人雇用状況の届出状況」によると外国人労働者数は、平成24年10月現在68.2万人となっています。外国人労働者数は、過去10年で約3倍となっており、国内における外国人との協働の機会は増えています。

グローバル化は海外展開だけではありません。国内のグローバル化に対しても、マネジメントやコミュニケーションの方法、地域研究等の研修をしっかり行い、惨事を繰り返さないようにしなければらりません。

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グローバル化している日本企業の研修

2013-03-08 01:16:37 | グローバル人材育成
多くの日本企業はすでにグローバル化しており、そのため各種の海外出張・赴任のための研修を行っている。その主なものは、英会話・ビジネス英語などの語学研修、具体的な目標としてのTOEICの730点などで達成である。赴任前には、語学力のブラシアップとともに、赴任先の文化・商習慣に関する基礎、労務に関する法律、セクシャルハラスメント研修、プレゼンテーションスキルアップなどを行う。さらに、赴任先では生活に必要な情報提供(住宅の探し方、日本食レストラン、銀行口座の開設方法、ドライバーやメイドの雇用方法など)や赴任先事業所の組織等について短期間の研修が行われる。

これらの研修は基礎力・基礎知識としては有用である。しかし、実際に現地で仕事を始めると仕事の取り組み方等で現地人の上司や部下にちょっとした違和感を持つようになる。これまでの日本人同士ならごく当たり前であった物事の捉え方や判断基準が共有化できないのだ。これは海外の赴任先にとどまらない。外国人の社員が増えている日本国内の職場でも起きつつある。そしてある人は、「外国人はやはり変わっている」と嘆くも解決するわけでもなく、また、ある人は「どうしたら理解してもらえるのか」と真剣に悩む。「だからxxx人は嫌いだ」との暴言も聞こえてくる。

英語力や当該国の文化や商習慣、法律といった知識に加えて、違和感の原因を知り解決することが必要になる。一つは自分の価値観や判断基準の源になっている日本人としてのアイデンティティである。そしてもう一つは、何故、相手がそのような行動をするのか、その背景の理解である。難しいことではない。気配りの効く日本人は、相手の気持ち・立場を察して行動することは得意である。ただ、相手が外国人の場合は、相手の立場を理解するための知識・経験を持ち合わせていないか、不足している場合が多いのである。

以前、海外で仕事をする場合、その成果は、

OUTPUT  = 仕事 × 英語力

といわれていた。しかし、グローバル化が進み、人との関わりが深化し、ビジネスも複雑化する現在、これだけでは不十分で新たなスキル「グローバルリーダー・スキル」が必要になった。したがって、海外での仕事の成果は、

 OUTPUT = 仕事 × 英語力 × グローバルリーダー・スキル

と表される。

 国内外のビジネスの現場でその能力を最大限に発揮し、このOUTPUTを最大化できるグローバルリーダーのスキルにはどのような要素が必要か次回から見ていくことにする。
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グローバル人材育成に関する国と大学の取り組み、および企業に求めること

2013-03-07 01:28:32 | グローバル人材育成
グローバル化を活かして海外展開を狙う企業の人材に関するニーズと大学等の教育機関が送り出せる人材との間のギャップは大きい。

政府は、ブローバル人材の育成となる内なる国際化を進めるために、「留学生30万人計画」に基づき、優秀な外国人留学生の確保に取り組んできた。つまり留学生とともに大学で学ぶことにより、日本の学生が異文化コミュニケーションスキル等を身に着けるとともに、留学生には日本文化に直接触れてもらい日本に対する理解を深めて将来日本との懸け橋になってもらおうとするものである。しかし、2011年11月7日付の日本経済新聞によると、現状は14万人を超え一定の成果を出しているが、目標達成を困難にする材料もある。それは、留学生の半数以上を占めている中国・台湾・韓国の大学のレベルアップ、日本企業そのものの魅力の低下、福島原発事故による日本の安全性に関するイメージダウン、日本以外の国への留学の増加などである。日本以外の国では、例えば、オーストラリアは、高等教育そのものに商品価値を見出し外貨獲得の手段として世界の各所に事務所を設け外国人留学生の獲得に力を入れている。また、シンガポールも「世界の教育ハブ」を国家目標に、世界トップクラスの高等教育機関の誘致・連携や著名な研究者の確保などに取り組んでいる。

2011年春、文部省は「産学連携によるグローバル人材育成推進会議」の報告書にて、グローバル人材の確保が急務であるとして「産学官によるグローバル人材の育成のための戦略」を提言している。

その基本的な考え方として、「グローバル人材を育成するためには、大学自体が世界に開かれた大学となり、その上で日本人学生の海外留学や外国人留学生の受入れのための体制を整備」する必要があるとしている。また、大学だけの取り組みではなく、グローバル人材の育成の必要性について同じ意識を持つ、産学官の連携が必要であるとし、「社会全体で高等教育の国際化とグローバル人材の育成に取り組み、教育環境や就職環境などの社会環境そのものをグローバル化することが重要である」と説いている。

その推進方法として、「先導的な機能別拠点づくりを行い、当該拠点としたネットワークを構築しつつ、その成果を全体にフィードバックし、各大学において機能別に発展させるような仕組みを構築すること」を目指している。

以上のような考え方の下で、次のような基本方針明らかにし、具体的な戦略ビジョンをまとめている。

① 大学の教育力を磨きつつ世界展開力を教化
国内外において魅力ある魅力ある日本の高等教育を日本人学生および外国人留学生に提供できるように大学の教育力を磨くとともに世界展開するための環境整備を図る。

② 世界的な学習フィールドでの日本人学生の育成
日本人学生が海外における留学等の海外経験等を通じてその見識を高め、世界で通用する人材として成長するための環境整備を目指す。

③ 日本の高等教育の世界への発信
日本の高等教育を世界に向けて発信し、優秀な外国人留学生を確保するとともに外国人留学生と日本人学生が切磋琢磨するための国内環境の国際化を目指す。

④ グローバル人材育成に合った社会環境の変革
産学官が協力し、社会全体でグローバル人材を育成するための環境づくりを行い、社会構造の変革を目指す。

そして、具体的な施策として、大学、企業、国の役割を以下のように求めている。

大学については、ミッションの明確化や質保障の取り組みの国際標準化等による「国際的な通用性を確保し、魅力ある教育の提供」、外国人教員の確保や9月入学など「グローバル化への体制整備」、実用的な外国語教育の支援、交換留学生制度の拡充、奨学金制度の充実等による「日本人留学生の後押し」、日本語教育の充実、受入支援体制の強化、宿舎の整備などによる「すぐれた外国人留学生の確保」を求めている。

企業については、採用活動の早期化・長期化の是正、留学等の異文化体験に対する企業評価の明確化と積極採用、企業が必要とする人物像(語学力、専門、キャリア等)の明確化、外国人採用後のキャリアパスの明確化のよる「企業の採用環境の変革」、日本人留学生に対する留学支援奨学金等の充実、日本人留学生も現地生活支援や現地インターンシップによる「日本人留学生の支援」、外国人留学生のための企業奨学金の充実、宿舎の提供、インターンシップの充実、現地法人等による日本留学の情報提供による「外国人留学生の日本留学支援」そして寄付講座や講師派遣による「頑張る大学の支援」が求められている。

国については、高等教育外交の戦略モデルも確立、外国の大学との連携強化などによる「高等教育外交の展開」、産学官連携プラットフォームの構築等による「産学官連携の環境整備」、高等教育におけるグローバル化の拠点づくり、世界展開の仕組みづくり、学生の異文化体験機会の充実などによる「グローバル化推進事業の推進」、初等中等教育におけるグローバル拠点化拠点づくり、英語教員等養成プログラムの充実、大学入学選抜試験の改善などによる「初等中等教育と高等教育の連携を推進」を求めている。
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ご連絡先

2013-03-05 01:59:39 | 連絡先
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まずは、メールでご連絡いただきたくお願いいたします。

よろしくお願いいたします。

グローバルリーダー協会 代表 齋藤信幸

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nobis@wa3.so-net.ne.jp

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