
第17話 ニューオリンズへ

7月28日 (月)
朝7時、「もう2・3日ここで女の子でも見てますよ。」と言うつよし君と別れ、車に荷物を積み込み、ニューオリンズへ向かって走る。
彼は、これからニューヨークへ向い、その後カナダに渡り、バイトして資金をつくり、また旅を続けるそうだ。 ガンバレヨ!
また、一人きりの旅が始まる。 自分は明日の昼ニューオリンズ空港からヘェニックスへの飛行機を予約しているため、車を走らせなければならない。 ここからニューオリンズまでは656マイル(約1050km) ある。 ノンストップ
時速100kmで走って10時間だ。 「さあ行くぞ、さらばフロリダ、 さらば大西洋、 また会おう!!」

走る走る、マイシボレー。 見渡す限りの大平原、定規を引いたような、まっすぐの道をがんがん飛ばす。 20分おき位に家がポツンポツンと見えては消えていく。こんな所に住んでる人は、学校とか買い物などどうする
んだろう?。 「大草原の小さな家」みたいだなーと思った。
時々、道路の隅に動物の死骸が転がっている。 道路に飛び出してきて引き飛ばされたのだろう。 ごろりと毛の固まり、たぶん狸だろう。 更にもっと大きなのもあったりする。 こんな所で、 人間文明の犠牲になってる動物たちがいる。
2時間おきに休憩しながら、途中途中でジュースやハンバーガー、ガソリンを補給して走る。 500kmほど走った午後2時頃、あまりにも同じ風景で運転にも、景色を見るのにも飽き飽きしてきた頃、「ちょっとペースが遅れてるなー、少し急ごう。」と思いアクセルを踏んだ。
何気なくバックミラーをみると、ハイウエイパトロールがすぐ後に付いてきていた。
ヤバイと思い、メーターに目を落とすと75マイル/時 (時速120km)、 ハイウエイの制限時速は55マイル/時(時速約90km)。 パトカーは青い回転灯を回し、サイレンを鳴らしながら私の車の前に回り込んで、道の右端に止まったのです。

「私は、いったいどうなってしまうのだろう。ここで逮捕されたりしたらこれからの予定が全部狂ってしまう。 罰金はどれくらいなんだろう。 どうしようどうしよう? 明日の飛行機に乗れなくなってしまう。」車を止めると、ポリスマンが怖い顔をしてパトカーから降りてきて、私の国際免許証とレンタカーの契約書を取り上げて、何やら怒りだしたのである。
私はとっさに英語が全くわからない事にしました。
何を言われても、「アイムソーリー」を繰り返したのである。
「私は、英語が話せません」そうしていると、書類に一通り目を通したポリスマンは、「お前は日本から来たのか、マイアミからここまで走ってきたんだな。すげーな! ここから先は、車が多くなってくるから気をつけて行くんだよ」とにっこり笑って、免許証を返してくれたのでした。
「サンキュウベリーマッチ」、記念にポリスマンの写真を撮らしてもらい、車の窓から手を振りながら、また車を走らせることができました。メデタシメデタシ?

(アメリカンポリス)
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