朱禪-brog

自己観照や心象風景、読書の感想
を書いてます。たまに映画も。

食べる

2021-04-25 21:39:23 | 日記
35から42歳頃まで、仕事で台湾、韓国、タイ、上海、広州、深圳を
訪れたことがあった。

どこの国へ行こうと仕事は仕事であるし
当時、機械関連メーカーの営業だったのだが言葉がわからないだけで、提案することは本邦と変わらぬ。
国内営業であったが海外チームが通訳してくれたので非常に有難く思った。

さて、ズレた。
食べるであった。

接待以外は単独でその街の食べ物屋に
入るのを好む。
まだ今より若く、体力もあったので
食欲、酒量いずれも旺盛であった。

ソウルにしようか…

東大門市場近くの宿に体を預け
ざっとシャワーをし、私服に着替え
表にでる。
季節はちょうど今頃だったはずだ。
日本より寒い
中綿のジャケットを持ってきてよかった。

宿から右に向かうとアーケードが見える
商店街だろう。
ポヂャンマチャ(布張馬車)が並んでいる。いわゆる屋台である
むき出しの屋台もあれば、天幕まで作った空間を提供する屋台もある。

いまでは、日本でもポピュラーになった
トッポギ、おでん、ホットク(お菓子)
などが並ぶなか、豚肉とスンデ(腸詰め)を売る店のテントをくぐる。

私は在日コリアン三世であるが、韓国の人から見ると日本人に見えるようだ。

屋台のアジュンマ(おばさん)が一瞬困惑した表情を
浮かべる。
そらそうだ
ガイドブック片手でもなく、観光客とも見えない日本人?がふらっと入るのだから。

「オソオセヨ(いらっしゃいませ)」
(メッチュハナチュセヨ)
ビール1本下さい
私はハングルは読めないが、カタコトの会話は可能である。

アジュンマの表情が和らぐ

腹が減った
HITEビールは軽く飲み口はさっぱりし
口当たりがよい 仕事がはねての一人酒は異国でもうまい。

注文だ。
(スンデ ハナ ハゴ テジコギハナヨ
クリゴ テンチョ ド チュセヨ)
腸詰め一つと豚肉一つほんで青唐辛子も下さい
「ネー」はい

出てきた料理は圧巻であった
ボリュームである
とても一人で食べ切れる量ではない(笑)
大人三人でちょうどいいくらいの量である。多分総量1.5キロ近くあっただろう汗
スンデにはカン(肝)もついていた。

(ソジュ ハンビョン チュシゴヨ)
焼酎1本ください

粗塩をスンデ、豚肉に少々振り頂く。
青唐辛子にテンジャン(味噌)をつけ生のままかじる。
肉の甘みと唐辛子の辛さに味噌が絡む。
焼酎をショットグラスで流し込む。
基本的に韓国では焼酎はストレートでありあらかじめ冷やしている。
うまい。
昼食抜きであった胃袋がアルコールで
燃える。

ただひたすら食べて飲む。
まるで食と対話してるようだ。
私はおいしそうに食べる人が好きなので
当人もおいしそうに食べるように
している。

アジュンマがいう
「ト ドゥリカヨ?」
もっと出しましょうか?

(アニヨ テッスミダ ヂャルモゴッソヨ)
いいえ、結構ですよ
ごちそうさまでした。

学生時代ならいざ知らず
中年となってあれだけの豚肉を
平らげたのはこれを機会にない。

東大門の夜はふけて行く。






やさしさとはなんだろう・・・

2021-04-25 06:50:12 | 日記
筋痛性脳脊髄炎。かつては慢性疲労症候群と言われた病である。
私がTwitterでフォローする一人に
この病を患ってる方がいらっしゃる。

この方のつぶやきは私の心のオアシスともいえる。
何がなんでも前向きとか病に打ち勝つ!
というつぶやきではない。

なんだろう?
突然の病に対して様々な葛藤を経て
刻々と変わる病状を受け入れたとでも言おうか…
自然体なのだ
24時間体の痛みにさらされている状態であり、それを否応なしと言えども受け入れる。
その上での自然体。
とても私にはできないだろう。

ほぼ寝たきりだが、好きな絵描きたい、小説も書きたい、写真も撮りたい、家族との会話もしたい。

小説にはご自身が病い前にしていた
ベリーダンスを素材にしたものがあり、
主人公の心の変容さがよく伝わる。
また、エッセイもハッとさせられるものがある。
お子さんのいじめあわれた経験のnote記事も秀逸していて、懐の深さに感動したものだ。

もう二ヶ月近く、タイムラインには現れない。
この間、迷ったが二度DMをした。
最後に送ったのはおよそひと月前だ。

さんざん迷っても送ってしまったが、
返事をくださった。
とてもご丁寧な返信とさらにこちらを気遣うメッセージまで頂いた。
おそらく大変な労力をかけてしまったと
痛感し、本当に申し訳ないことしたと
思っている。

その方がまた、戻ってくるまで黙って
見守る。
それが私にできるなんの役にも立たないがほんの少しの看病かもしれない。

どうかまた戻ってこられると信じたい。