鴨斗王麻辣湯
「ヤートウワンマーラタン」
中華料理店の屋号である。
先日、仕事を終えて帰宅途中にふとこの看板が目に入った。
たまたま翌日は休みである。
私は人見知りのくせに、時々なにかの拍子に単独で飛び込みをすることがあり、この時も虫が騒いだ。
店の屋号を私は当用漢字で書いたが、看板は中国の簡体字であるので「鴨」と「麻」、「湯」、のみしかわからなかった。
んー、、とにかく鳥肉で辛いスープを出す店やろと考えドアを開けた。
入った瞬間に日本人は一人もいないことに気づく。
お店の方は店主らしき、30代半ばの男性と同じ年頃の女性である。
雰囲気からしてご夫婦と察した。
お客さんはネイティブの中国人オンリーである。
皆一様に·····ナゼ?why?といった表情で私をみた。
いまさら帰ることもないので空いてる席につく。
「にほんにん?」(日本人?)と尋ねられたので「はい」と答える。
菜単(メニュー)を見たが、ここも簡体字のみの表記で写真はない。
わからぬ。。
ママさんも店主もほとんど日本語は話せないようだ。
明日休みやし、ぼちぼちいくべと思いビールを注文する。(ビールは通じた)
ビールを2本飲み、お客さんの行動をさりげなく観察する。
すると、皆さん席について荷物を置くと入り口に向かうことに気がついた。
アルコールが食欲に火をつけたので、私もそちらに向かってみると、冷蔵ショーケースと棚に鮮魚以外の様々な食材が並んでいる。
パッドにキクナ、白菜、小松菜、もやし、香菜、蓮根、中国菜等々
麺も数種類ある。くずきりのようなものから中華麺、多分じゃがいもを練り込んだものや乾麺等々
冷蔵ショーケースには、点心、牛のアキレス腱やハチノス(胃の部分)、肺、
鳥肉、豚の耳、貝柱、アサリ等々。
肉類と貝類は全て湯通しをしていた。
これらの食材を、大きなボウルに自分の好みでどんどん入れていくのである。
私が入れたのは
エビの点心、アキレス腱、鳥肉、ハチノス、肺、豚の鼻のスライス、キクナ、空芯菜、白菜、小松菜、青唐辛子、蓮根、くずきりのような麺にじゃがいも麺。
ママさんが身振りで、こんなに食べれますか?と聞いてるようだが、こちらも身振りでオケを返す。
さて、ママさんがそのボウルを持って厨房に向かい、7~8分たったころ
白湯で仕上がった、私オリジナルの「鴨斗王麻辣湯」が運ばれてきた。
そうここは、食材を選択してオリジナル料理を食するところであった
スープは白湯である。食材のダシが効いていて少し辣油で香りづけをしている。薄すぎず濃いすぎずでコクのある味付けだ。
野菜は食感が出るようにさっと火にかけたようで、シャキシャキしていて美味しい。
アキレス腱は、トロッとして口の中で溶けていく。コラーゲンたっぷりである。ハチノスも固くない、どちらかと言えばふわふわだ。肺も同様だ。
臭みはまったくない。ボイルする際に酒を入れてるのだろう。
点心は、これも美味であった。
噛むと中からエビのダシがジュワッと出てきてやけどしそうである。
私は熱いものは、熱いうちに食べないと気がすまない。汁もんは全てである。
またたく間に平らげてしまった。
非常に美味であった。
この日の飛び込みは当たりであった。
異国情緒にも触れることができた。
ママさんに感謝したい。
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