そこに入ると、ニコニコしたおじさんが
待っていました。
「朝ごはんぬきだから、おなかがすいたでしょう」
「もう少しで食べられるので我慢してくださいね」
「帰ったら美味しいもんをいっぱい食べてくださいね」
「今だったら、そーですね。美味しいのは 豆・イモ・ごぼう かな」
「食物繊維をいっぱいとってくださいね。体にイイですよ」
「いま、(待合室で)待っている人たくさんでしたか?」
「胃がん検診は時間がかかるので、どこ行っても
苦情がいっぱいなんですよ。要領が悪くてごめんなさい」」
「朝ごはんぬかれましたね。
じゃ、これ(バリウム)おいしく飲めますよ」
「ビール飲まれますか?・・・そーですか。
これも一気に飲み干してください」
(石膏を飲んでいるような、重く粉っぽく、絶対飲み物じゃない代物・・・
と誰もが言うけれど、ボクは「冷えてて美味しかった」が感想)
「お待たせしました。さあどーぞ」
(ウイーーーーン ガーー ウィウィウィ~ン ガ ガー
あっちむいたりこっちに転がったり。
宇宙飛行士訓練でもしているかのような、そんな動き)
「お疲れさまでした。下剤を2錠だします。
コップ3杯の水で飲んでください」
「帰ったらたくさんの水分をとってください。おなかの中で
バリウムが固まると大変なことになりますので・・・」
(大変なことって、どんなことだろう??)
「美味しいもんいっぱい食べてがんばってくださいね」
(なにを頑張るのかな?)
「階段が急なので気を付けてくださいね」
(・・・とりあえず 「ありがとう」・・・)
「いいえ。おかまいもできませんで・・・」
このおじさん。毎日毎日、いろんな場所で胃がん検診をしてて
いろんな人にでバリウムで接待(?)してるんだろうな。
まるで喫茶店のマスターのようです。
でも、おかげで気持ちよく検診が受けられました。
ありがとう。