奥武蔵の風

80 日中関係の新局面

 日中関係は、日本政府が考える以上に危険な局面に入ったように感じられます。

 私は、かつて日中学術文化交流などのイベントに細やかながら関わったことがあるのですが、その当時に比べ、日中関係は比較にならないほど拡大した反面、ほころびも露呈してきたようです。

 日本政府は、ここ数年、経済面で中国依存を脱却する政策も打ち立てないまま、アメリカにべったり寄り添って、中国を公然と敵国視する政治姿勢をとってきました。中国政府は、福島原発の汚染処理水の海洋放出を「反転攻勢」の絶好の機会として、政治的に最大限利用するつもりのようです。

 怖いのは、中国政府が、天然資源のみならず、14億人の人民を、国家報道による情報操作を通じて、将棋の駒のように動かすことができる点です。日本は、中国政府の意向(戦略)に振り回されることがないよう、目先だけを見ず、中国依存の経済姿勢から徐々に脱却を図るべきでしょう。

 さもなくば、敵視姿勢を改め、外交努力で、平和な関係を構築すべきです。

 米中と深い関係にあるにもかかわらず、両国の間を取り持つ、という大きな外交姿勢を貫ける政治家がいないことは、現在の日本にとって最大の不幸といわざるを得ません。

 

(写真上)© 故宮博物院の図柄が描かれた中国郵政省発行資料のデザインマーク

(写真上)© 中国に市場経済を導入した「鄧小平」の記念切手2種

(写真上)© 暗雲が晴れますように。

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