奥武蔵の風

179 高麗王若光が眠る寺:聖天院

 奥武蔵の歴史は、渡来人のリーダー高麗王若光(こまのこきし・じゃっこう)が、大和朝廷の命を受けて、この地を開拓し「高麗郡」を築いたことに始まります。

 その高麗王若光の眠る寺が、聖天院(しょうでんいん)こと「高麗山 聖天院 勝楽寺」です。そして、その若光の霊を祀るのが、東隣に鎮座する高麗神社なのです。

 松が明ける7日、夫婦そろって高麗神社でご祈祷を受け、続いて、松の内は拝観無料の聖天院を、ありがたくお参りしました。

 聖天院は、1145年に法相宗から真言宗に改宗し、昨年、空海(弘法大師)生誕1250年を記念して、山頂に多宝塔が建立されました。

 江戸時代の山門をくぐり石段を上ると、武蔵野三十三観音霊場の阿弥陀堂(観音様もご一緒です)があります。さらに石段を上ると、平成の建築物である本堂。本堂の脇には、「三春の滝桜」の子孫にあたる枝垂れ桜が大切に植栽され、見事な枝ぶりを見せています(冬は枝だけですが)。そして鐘堂をくぐり山頂へ向かうと多宝塔にたどり着きます。

 多宝塔からの展望はひときわ素晴らしく、特に西にそびえる日和田山は、普段、市街地から見る姿とは異なって新鮮でした。(晴れていれば、富士山も眺望できるはずですが、当日は雲がかかって見えませんでした)。

 山門の脇には、高麗王若光が眠る高麗王廟があります。奥武蔵の地を開拓・統治した古代の偉大なリーダーに合掌。王廟と山門の間に建つ修行姿の空海(弘法大師)にも「南無大師遍照金剛」と唱えて合掌。

 普段は拝観有料の寺院ではありますが、壮大な伽藍は、江戸時代から令和に至る諸建築のほか、日本庭園なども堪能できます。

 


(写真上)© 聖天院 多宝塔


(写真上)© 山門 (正面に注連飾り)


(写真上)© 山門の扁額「高麗山」

 


(写真上)© 阿弥陀堂(武蔵野三十三観音霊場)

 


(写真上)© 本堂へ通じる石段 

 


(写真上)© 本堂。手前は献木された三春の滝桜の子孫。


(写真上)© 本堂正面の大灯篭

 


(写真上)© 本堂の奥に多宝塔が見えます。


(写真上)© 鐘堂と三春の滝桜の子孫


(写真上)© 鐘堂

 


(写真上)© 多宝塔


(写真上)© 多宝塔 南に高麗の里を一望できます。


(写真上)© 多宝塔から見る日和田山


(写真上)© 同上


(写真上)© 日和田山

 


(写真上)© 高麗王廟(合掌)

 


(写真上)© 山門と空海像


(写真上)© 空海像


(写真上)© 高麗山聖天院勝楽寺の説明板

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