関東大震災から100年目の防災の日を迎えました。
巨大地震に見舞われた時、家族が揃っていれば心強いのですが、実際には離れ離れの状況も想定し、むしろそのような事態にこそ備えなければならないのでしょうね。
予想される首都直下型地震が起こった場合、東京都内では、最大453万人にも上る帰宅困難者が出るそうです。
今から何年か前に、観音様は次のように教えています。
非常時の助け合い
ある時、近い将来、新たな巨大地震が来るという予測が発表された。
広域から多くの勤労者が集まる都会では、交通に支障が生じて大量の帰宅困難者が発生することが予想された。
通勤者たちは、一様に共通の不安を抱いた。
「私の職場は自宅から遠いので、家族が心配だ。万一の時は一刻も早く帰宅したいが、とても歩いては帰れそうにない。どうしたらよいのだろうか。」
困惑する人々の耳に、観世音菩薩の声が聞こえた。
「家族を思うのであれば、まずはその場にとどまり、救助を求める目の前の人々を助けなさい。
万一、そなたの家族が救助を必要とする時、それに応え助けることができるのは、その場に居合わせた人々だけである。その人々が、それぞれに自分の家族を案じて、自宅へと急ぎ立ち去ったならば、そなたの家族は見捨てられる。
同様に、そなたが自分の家族を案じて自宅へと急げば、そなたは、目の前で救助を必要としている人々を見捨てることになる。」
観世音菩薩は続けた。
「群衆の一人ひとりが勝手に行動していては、混乱の上に混乱が重なり、結局はすべての被災者の救助が遅れる。
非常時には、互いに、誰彼(だれかれ)を問わず、助け合うことが必要である。
大地震が来た時は、ひとまずその場にとどまり、自分がそこでできる最善の救助活動をするがよい。」
観世音菩薩は、互いに助け合うことが、結局は自分の家族を救う最善の方法であることを人々に説いた後、さらに、こう付け加えた。
「その時、その場に居合わせたということは、縁(えん)があってのことである。居合わせた縁を大切にしなさい。
自分の家族の身については、安心するがよい。たとえ、散り散りになり、誰からも気づかれない状況に置かれていたとしても、そなたが家族の無事を念じつつ、目の前の人に救いの手を差し伸べるならば、そなたに代わり、千手(せんじゅ)観世音がみずから、そなたの家族全員に救いの手を差し伸べるであろう。」
(月野一匠『今を生きる仏教―観音様の108話―』2015年刊 第91話より)
(写真上)© ライフラインは耐えられるのでしょうか?
(写真上)© 同上
(写真上)© 月明かりの下で過ごす事態も、想定しなければならないかもしれません。(8月31日のスーパームーン)
追記:1年前の当ブログ「12 天災は忘れたくてもやって来る」も、併せてごらんいただければ幸いです。
*******************************************