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朝日記160725 パレート分布のこと と今日の絵

2016-07-25 09:09:37 | 社会システム科学

朝日記160725 パレート分布のこと と今日の絵

おはようございます。昨日は湿度が高くなく過ごしやすかったです。図書館に本を返却する日が過ぎたので、少々慌てました。 旅行と重なって日常感覚がずれていたようです。
80ページほどの本で、専門書でもあり継続借りでひきずっていたのでした。 近くのコンビニに1枚 5円のコピーができるので 意を決して コピーに行きました。
そのテーマに対する執着を身体で実感すれば、取組みの継続の意識レベルをキープできようというものです。
因みに書名を記録しておきますと以下です;

(カンナ咲く)


徒然こと パレート分布のこと

書名 Clifford Brown, Larry Liebovitch:Fractal Analysis
Series:Quantitative Applications in the Social Science,165 SAGE, 2010

*品質管理などで問題解決法のひとつで,その問題を起こしている原因項目を上げて、それに対応するデータ数を多い順序でならべると上位2,3位くらいの累計だけで、その問題の大方を占めているという経験法則があります。したがってその項目をまず攻めろというものです。これを「パレート分布法」といって、品質管理管理「七つ道具」の定番てす。
*経済学では、ごく少数(たとえば1%)の人がその国の所得のほどんど(たとえば99%)を独占する超富裕層がなぜ生まれるのかという課題と対応しています。一般にはパレートの「べき乗則」とよばれています。
*製造業の現場では、製造過程での目標値(限度値)を定めて、穀類の粒など大量のデータの平均値やばらつきなどを測って 品質合格範囲を制御しています。
また 機械やプラントの劣化・故障などの管理もデータで管理しています。 
面白いことに、よく管理された工程では、データのばらつきは 指数分布(exponential)で 指数関数がその根底を支配するモデルとして理解されています。意図的でなく自然に壊れていくのを確率理論的モデルで理解すると、このメカニズムが支配しています。これからランダムの現象過程のモデルとして正規分布(ガウス分布)が構成されます。(たとえば、ある人がどんなに過去に立派であるいは金があっても、その記憶は働かず、現在の実力でのみ自他への相互作用が決まるという無記憶のメカニズムです。)


*品質管理では、対象の工程で、そこで管理しているデータは正規分布あるとして、それの分布になんらかの変化が起きたかどうかを そこのパラメータである平均値やばらつき量でみて、その有無を定量的に判断します。これを統計的検定と呼んでいます。
強調しておきたいのは 数学的には、指数関数がベースになっていることです。制御理論ではこのデータの揺れを「ノイズ」とよびます。
*工程に対して、人為的に操作(入力)しますとその結果の変化で、その効果の強さを有無を統計的に判断します(この場合効果は「シグナル」と呼びます)。これを判断するのに、上の「ノイズ」を基準量としておいています。 これが、製造工程側の品質管理です。
ところで、日々の工程で扱う変化の単位としての時間スケールはその装置の特性できまります。一方、人間の感覚は距離や時間のスケールを複数もっていて、その感覚に整合すべく、対応させて管理しています。たとえば 日々の製造工程では、機械がわれわれに示す数値の桁の大きさに対して、人間は、精々、数値では3ケタの範囲でしか感応しません。デジタル/アナログギャップです。

時間でいえば、その桁の違いを ・・・マイクロ秒、秒、分、時、日、月・・。など、うまく複数の単位で埋めて管理しているともいえます。
*ところで 機械やプラントは経年で徐々に劣化し、時に故障します。この劣化のモデルは、これまで信頼性工学ではたとえばワイブル分布というのが使われています。(昔、これを習いました。)これは 鎖の切れる確率モデルがベースになっていました。
*いま、この時間単位を単一の時間単位(たとえば秒)で、機械劣化の工程の性能変化と 日々の工程性能をモデルとして、一つにまとめることができるかという問題を取り上げたとします。
* ところで、人間の感覚は、対象のうごきに対して、ひとつの時間の単位や空間の単位において、上に述べたように数値で3ケタくらいの範囲でしか感受できません。したがって 問題の対象スケールが大きくなると、複数単位を取り入れて、全体を分割して取り扱っています。
そしてそれでうまくいっているなら、敢えてモデル的につなげて一元的にする意味があるのかという問題が一方で出てきます。
一元的といったのは、論理的な橋渡しがうまく行けるかという意味です。 これは近未来に起こる事態の予測と、それに対して、いま、なにができるか、という問題に帰着します。

*これまでの知識でいえるのは、上にあげた シグナル量対ノイズ量の比を時間の関数と考えて 時間量で10年や30年あるいは100年先に延長してとらえたときに 現在の工程データからシステム劣化による故障を予測できるのかという問題に帰着します。
*とりあえず、ここでの締めは、最初の話題のパレート分布が、時間スケールの異なる問題を間隙を見事に埋めてくれる人間の知恵であることをあらためて確認するということにしておきます。

(書き途中のものです。お付き合いありがとうございます。)

徒然ことおわり

(木槿咲く)


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