おもり玉を、ぜひ作ってほしい、というご依頼がありましたが、100個のおもり玉を作って辟易していたところだったのでご遠慮しました。 私の作ったおもり玉は、鉛のカッティングを業者さんに依頼したことから鉛のコストが倍近くに跳ね上がってしまい、1個当たりのコストが売っているおもり玉と同程度、あるいは高くなってしまうという逆転現象が起こるのです。 自分で鉛をカットすればもっと安くできるんですが、自宅で鉛を削るのは避けたいのです。 15匁のおもり玉でしたら1個¥400で販売しているサイトがありましたので、そちらをご紹介して勘弁してもらいました。
組紐を習うことになったが綾竹台がなかなか見つからないので作ってほしいというご依頼がありました。 こちらの方は、100個ということもありませんでしたのでお作りすることにしました。
綾竹台を作るには良材を使わねばなりません。 節のある木は使えません。 台に絹糸が引っかかってはならないのです。
いろいろ探し回って米国産のハードメイプル材を仕入れました。 これが届くまでに約1週間・・・時はひたひたと過ぎてゆきます。
一概に綾竹台といっても、使っている木材によっては木材だけで1万円くらいかかる場合もあるんです。 節の無い乾燥済みの材木って結構な値段がするのです。
いざ工作を始めようとしたところ・・・愛機のバンドソーPowersonicからゴゴゴワーッという異音がするではあ~りませんかっか。 近隣まで響きわたるような轟音です。 使うのがおっかなくなります。
ぎょえ~っ、こいつが壊れると木工が・・・
とりあえず修理をと、内部を調べていろいろ調整してみたが簡単には治らない。 しずかに回るときもあるのだが、しばらくするとゴゴゴアーっとすごい音がし始める。 ふ~む、どうやら駆動側のプーリのベアリングが壊れているんではないか・・・と疑うところまでは来たんだが。 直し方がわからない。
時間をかければ自分で治せるとは思うんだが・・・時間がない。 早く作ってあげないと依頼者が困ることになる。
仕方がないのでRyobiのバンドソーを新たに注文した。 これだ! しめて2万7千円也。
今日届いたので早速組み立てる。 意外と大きい・・・細部の調整が終わるまでに1日つぶしてしまった。
テストカットしてみると・・・なんとこの機械、ドリフトという曲り癖がPowersonicとは逆ではないか。
普通、バンドソーをガイドに沿わせて直線切りすると、カット線が右とか左の方に寄ってくる。 これをドリフトといいます。 Ryobiのバンドソーは左側に寄ってくる。 幅2㎝程度の木片をカットしただけでもドリフトしていることがわかる。 どうすれば治るんだろか?
バンドソーのドリフト現象というのは、単にテーブルが水平面で左右に回転した状態で取り付けられているからで、テーブルの垂直に沿って切ろうとすると、角度が左右に回転しているので、思った垂直にならない、ということでしかない。 製造が悪いのか、取り付け方が悪いのか・・・バンドソーの宿命なのか・・・
いずれにしても簡単に修正できるので、やってみた。
まず、切ろうとする板材を用意する。 板材は端がまっすぐなものが必要。 端の線と並行な線を板上に引く。 その線の上をバンドソーで切る。 手切りといって線から逸脱しないようにまっすぐに調整しながら切ります。 板の全長の半分くらいまで切ったら、板を動かさないようにしてバンドソーを止める。
その時に板の端の線がドリフト線ということになります。
19mmの1x4でやってみたところ、かなりの曲り(上の写真)
30mmの角材をカットしたところ、ドリフトは少し小さめになった。 板の厚みでもドリフトの程度は変わるようだ。
これで、やっと綾竹台に着手できます。
これは何でしょうね?
これは、組紐の高台で使う 「汽車」 というものです。
15匁くらいのおもり玉を使うために、小さく、そしてボッチの間隔も狭くなっています。
一般に、ミニ汽車、と呼ばれています。
先般、普通サイズの汽車を20個制作して納品しましたが、写真を撮り忘れたので、ミニ汽車の記事を書くことにしました。 作り方は全く同じです。
汽車は高台の腕の部分に置いて、糸を掛けておくために使います。 高台では汽車の上に置いた糸を、前のほうから順次、反対側の後ろに持っていくので、前が空き、後ろのポジションがなくなってきます。
これは昔の日本人が考案したすぐれた発明だと思います。
後ろのポジションがいっぱいになったら、前にある空きポジションの汽車を外して、一番後ろのポジションにおくことができます。 そのために腕には溝が切ってあり、汽車の底には溝にあう凸がついています。 汽車は腕の上をスライドするようになっているのです。 これを繰り返して組紐は長くなっていきます。
ミニ汽車製作の手順はというと、
最初に30x40mmの角材を購入。
扱いやすいように40㎝くらいづつにカットします。
幅40mmを34mmにバンドソーで縦切りします。 (ちょっとだけ大きめに)
かんなで縦30mm、幅34mmちょうどになるように整形します。
さらに、これから長さ80mmの角材を切り出します。 最終サイズは78mm長です。
高台のほぞに合うように、角材の底中央に高さ10mm、幅10mmのスライド用の凸を作りこみます。 XYクロステーブル付のミニフライス盤で、メタルソーでカットしました。 まっすぐきれいな直線と直角が出せます。 底面に=の形に切り込みを入れ、横面から切り込みを入れると12mmx10mmの角の部分が切り取れます。
汽車のボッチ用の穴を等間隔に開けます。 ミニ汽車なので5mmφの穴をあけました。 一番端の穴は角材の端から1.5mmで接します。 角材を仕上げサイズに先にカットしてしまうと、穴あけ時に木の端が欠けて飛んだりするので、2mm程度で接するように穴あけし、最後に角材の端を落として調整します。 穴の深さは同じになるようにフライス盤またはボール盤を調整しておきます。
次に、汽車の屋根にあたる部分を丸く削るわけですが、都合の良い機械がないので、手カンナで削ります。 まず標本となる1個目の汽車を丁寧に作ります。 両断面に目標となる円を描き、手カンナで削っていきます。
標本ができたら、その断面を次の角材に写し取り、標本を手前に、次の角材を前方に密着させて、かんなを標本に沿わせて削っていきます。 かんなの刃が当たる限り、標本のほうが小さいわけですから、刃が当たらなくなるまで削っていけば、同じサイズの同じ形のものができる、という寸法です。
かくして同じ形の汽車20個の荒削りができました。 次は、#400の耐水ペーパーで表面をサンディングします(から砥ぎです)。 角材は赤松の垂木を使用していますが、#400でサンドしただけでも、絹糸は引っかかりません。 これで仕上げとしてもいいのですが、最後は#1000でサンドします。
次は、汽車のボッチ、ダボの作成です。 5mmφx30mm長のダボを120本こしらえます。 歩留りも考慮して130本切り出します。 切り出したダボの端をU字型のバイト(刃物)を使って旋盤で1個1個丸く削ります。 そして断面をサンドペーパーできれいにしておきます。 他の端もバリがありますのできれいにしておきます。 ここでダボの表面(側面)にもサンドペーパーを当て、絹糸が引っかからないように滑らかにしておきます。 ここで手を抜くと使用時に絹糸が引っかかり糸にほつれができてしまいます。
汽車同士がぴったりと密着するように断面をサンドペーパーなり、フライスでエンドミルなどを使って90度の断面にしておく必要があります。
いよいよ汽車にダボを接着していきます。 ダボを穴よりほんの少し小さめにサンドし、木工ボンドを少量塗り、穴に入れ接着します。 ここでの注意点は、すべてのダボが同じ高さになるようにすることです。 そのため、19mm高の高さ調節板に同間隔の穴をあけておき、ダボをいれたら高さ調節板をかぶせてダボの頭の高さを合わせるわけです。
かくして出来上がったものがこの写真です。
ダボの間にくっついた接着剤は、上の写真のようにサンドペーパーでこすり落とします。
まだこれで完成ではないのです。
ダボは旋盤で削り、サンドしても、木の繊維が縦に走っているためにダボの頭に絹糸に引っかかるのです。
さてどうしよう・・・
そこで思いついたのが、先般リールシートに使えないか実験したUVレジンです。 UVレジンが硬化するとツルツルの表面になり、ルアーの目玉などを作るのに適しています。 ダボの頭がツルツルであれば絹糸も引っかかることがないでしょう。 それに、硬化までに時間は塗ってから数分という手軽さ。 打ってつけではあ~りませんっかっか。
だから塗りましたよ~・・・120本。
UVレジンは塗ってから放っておくと垂れてきます。 だから塗ってはすぐ硬化させる、という風に段取りしたほうがいいでしょう。 最初全部UVレジンを塗ってから日光に当てたところ、液だれしたり木が吸い込んだりして、硬化しても先端がツルツルにならなかったのです。 縦に走った木の繊維の先端がレジンから飛び出していてせっかくUVレジンを塗ったのに絹糸に引っかかるのでした。
再び頭をサンドして、UVレジンの2回目に塗布を行いました。 そして今度は20年前に買っておいた紫外線照射器を使ってみました(日が陰ってしまったので)。 紫外線照射器の寿命は1年くらいだとネットに書いてありましたが、この紫外線ランプは旧式のせいなのか、いまだに紫外線を照射できました。 目には悪いので紫外線を見ないように注意が要ります。
3分程度照射すると表面は触ってもべとつきませんが、脇の方に液だれしたものはまだ手にくっつきます。 紫外線が上からしか当てていないためです。
じゃによってお天道様の助けもかりました。 横からも斜めからも紫外線が当たるように、箱に入れて窓際に置いて直射日光に当てました。
そしてミニ汽車がついに完成したのです。
作るのは意外に面倒な小道具です。 ハイ
最近、君の名は? というアニメが大流行したおかげで、日本伝統の「組紐(くみひも)」の世界にも注目が集まっているようなんだな。 若い人たちの間で組紐が大流行しているようなんだ。
どうやら、そのアニメの中では組紐が物語の鍵を握っているようなんだわ。
前に、綾竹台という組台を作ったんだが、今度は、高台(たかだい)、という大物を作りました。
組紐の台には、丸台、角台、三角台、綾竹台、そして高台、というように編む技術も、複雑さが増していくようです。 ほんとは丸台で高度な組方をするのが最も技術がいるんだろうけれども・・・
昔、滋賀県の太田藤三郎さん、という組紐の達人から内記台という台の情報をいただき、それを参考にシルクライン編み機を自分で作ったこともあるんです。
遠からずワッシも組紐の世界へといざなわれているような気がいたします。
さて、今回作りました高台は、こんな風情でございます。 椅子に座って組めるように作りました。
この高台というもの、あまり世間では売られていないようです。 オークションサイトなどで、もう使わなくなったから・・・というようないきさつで売りにでることが稀にあるようですが、販売しているサイトというのは見つかりませんでした。
昔は、花嫁道具の一つとして、親が出入りの大工さんに、娘のために作らせたんだそうです。
今回は、娘のためにではなく、妹のために作ったんです。 よろこんでもらえるやろか・・・
綾竹台製作は完了したんだが・・・追加が・・・
3段羽根という羽根を作ることになった。
もともと綾竹台というのは、上下に分けた糸の間に耳糸(通し糸ともいう)を左右から入れ、上下を逆転させて、ヘラで叩き絞めていく。
上下逆転の際に、上糸と下糸を右に捻る、左に捻る、とか、台の右半分は右に、左半分は左に捻る、とか・・・
とにかく、捻り(ひねり)が命の組み方のようです。
したがって、羽根は最低でも2段必要なのです。
先に進むにつれ、3段、4段、と羽根の段数も増えていき、使う糸も多種類になって行きます。
糸をたくさん使えれば、より複雑な文様を紐の上に描き出せるのです。 紐の肉厚も強度も増します。
・・・羽根の製作工程は・・・
5㎜厚、30㎜巾のヒノキ工作材を使いました。 (ホームセンターで安いです)
形を決め、粗く切り出します。
そして、1枚1枚、手で成形していきます。 使う道具は、あらゆるもの・・・バンドソー、手のこぎり、ドリル、エンドミル、切り出しナイフ、ノミ、ハンドプレーン(小型のカンナ)、平やすり、丸やすり、サンドペーパー、電動サンダー、まで・・・(電動工具は無い場合には使わずともできます)
形によっては、曲線の部分あり、直線部分もあり、狭いところも、厳密なサイズ管理が必要な部分もあるのです。
ヒノキ材の粉は、鼻やのどに入ると、一種のアレルギー症状を引き起こします。 微小な鼻血が出たり、せき込んだり、目がかゆくなったり・・・意外と厄介な木なのです。
また、年輪の走り方が、正目だったり、平目だったり、斜めだったり、するし、肉質の部分は柔らかく、年輪部分は固く、ドリルの穴あけで、肉質部が崩れる、ノミを入れると割ける、など、精密な加工には不向きな材料なのです。 板の反対側が逆目(さかめ)になっていてカンナでもボロッと崩れることもあります。
木の粉と瞬間接着剤は必需品になります。
それにもめげず・・・
成形すると、こうなります。
いいでしょっ! 矢羽根の形。 もともとこの台で作っていたのは刀剣の下げ緒とか、甲冑を繋ぐ紐とかに使われていた。 それを編む(組む)台に弓矢の矢羽根の形が使われていたとしても不思議ではありませんな。
さらに、面取りをし、木固め剤を浸透させ、そして最終の仕上げと、研磨、塗装、と工程は進みます。
塗装はしないつもりだけどね。
さて、今日は、もう一組成形しなくっちゃ・・・2組も頼まれちゃったの・・・
・・・翌日・・・
2組の3段羽根について、成形第2段階を終えた。
成形第2段階とは、第1段階で形を整えるべく最終削りを終えたあと、やすりで細部の調整をします。
糸のかかる湾曲部は、木の筋が立ってるので丸やすりでざらざらをなくします。 木の筋が立ってるのでなくなりませんが・・・できるだけ平らかにします。
設計時の鉛筆の跡をサンドペーパーで消します。
角という角に丸みをつけます。 使うやすりは油目という精密やすりです。
一応触ってスベスベになるくらいサンドします。
そして木固め処理。 木固めエースというものを木に浸透させます。
木固めエースは白木の食器などの防水防腐のためなどに使われています。 表面塗装が目的ではなく、浸透させて木を固くし、そのうえでサンドペーパーをかけると、固くてスベスベの表面になります。
塗装が必要な場合は、その上から塗装します。
木固めエース・・・うすめ液がシンナーなので、塗っていると頭がクラクラしてきます。
吐き気がしたり頭が痛くなったり、体によくありません。 今日は外でやっても、やはりどうしても臭気を吸い込んでしまいました。
乾くのを待って、また、サンドペーパーをかけます。
そして完成!
サンドサンドサンド~
先月から工作していた綾竹台が完成しました。
じゃじゃじゃ~ん! これです! 是的! This is it!
Max特性綾竹台・・・特徴は、高さを調節できる鳥居、高さと傾斜角度を調節できる羽根と羽根枠、羽根は抜き差しできるので枚数を10枚以内で増減できます。 また、羽根枠ごと3段羽根や4段羽根に取り換えることができるようにしてあります。
羽根枠の横木の色がちょっと違うでしょ? この横木ごとボルト2本で取り換えられるのです。
組みあがった部分を巻き取って貯めておく巻き取り棒と逆転防止ストッパも付いています。
全体的には、組立て解体可能、手で抜き差しできる目釘、耳糸をかけておく横の杭・・・くらいかな?
ということで、綾竹台の工作記事も完了です。
綾竹台・・・組み立て式にして、使わないときにはばらして小さくできるようにします。
となると・・・ほぞ加工が必要です。
ほぞ穴は12㎜径のドリルで穴を2つ開け、間をノミまたはエンドミルで切り込みます。
エンドミルはカット面が機械的な直線になるから好きです。
ほぞのオスのほうは、線を引いてバンドソーで切り込みました。 ・・・が、木材って木目が斜めに走っていたりするので、バンドソーのカット線は曲がってしまったりします。 そうすると、サイズより大きめにカットして最終仕上げで目標値にまで削る、という二度手間が発生するのです。 バンドソー嫌い・・・
ほぞ穴については、ノミで四角形にせずに、12㎜径ドリルの円形をそのまま使うことにしました。 結果、ノミで四角形の方が楽だったような気がします。
なぜかって? それは・・・ノミを金槌でたたくと鋭い音がでます。 そうすると、隣の赤ちゃんが泣きだすのです。 だからノミは使わずにドリルの丸穴をそのまま使ったのです。 ほぞの方は角をやすりでこすりました。 ものには必ずと言ってよいほど・・・理由があるのです。 ハイ。
ともあれ、穴とほぞを1対1で丁寧に仕上げて、両枠と奥の横枠まで進みました。
ありゃりゃ・・・さっきすんなり入ったほぞが今は入らない・・・なんでや~?
今日は湿度が高い。 夕方を過ぎたら急にじめじめしてきた。 はは~ん、木はこれほど湿度に敏感なんだ。
ほぞ加工では、木を殺す・・・ぶっそう・・・といって、金づちで木を叩き、つぶしてから組み込むということが常識になっています。 そうすると、湿気で膨らんだほぞは、かっちりと締まり、しっかりした構造になります。
が、我が妹君に木を殺してから組み立てて・・・などと、指示できるわけもないので、今回はほぞの組み合わせはゆるゆるにしておき、横から穴を開けて竹ひごで抜けないように閂を入れようと思います。
そうすれば、組み立てもばらすのも力は要らないですから。
明日は、枠の残りと、小物の加工をして・・・完成かな?
フライフィッシングの世界からは、ほど遠いが・・・今度の工作・・・それも今年最大の工作・・・は?
綾竹台!
なんじゃそりゃ?
組紐を編む台の一種で、平紐というひもを編むための台なの。
綾竹台の元祖、駿河台といいます。 なんか予備校みたいな名前だね
シルクのフライラインも八つ打ち、16打ち、と組紐の一種なんだけど、シルクラインは細くないと釣りにはつかえないんだな。
一方、組みひもってのは、和服の帯の上にしめて、和装をぎゅっと引き締めるための帯締めってのに主に使われている。 高いんやで~、着物もそうだけど、帯締めも高いのは1本5万円くらいするそうだ。
で、先ず初日は、刀(へらと呼ぶそうだ)の製作。
15年以上雨ざらしになっていた孟宗竹が軒下に横たわっていた。 肉厚は10㎜以上あり、表面には虎竹ふうの模様があったはずだが・・・表面はかなり朽ちていたが雨のかからない裏側にはまだ竹のタン色が残っていた。
竹ってすごいね~、15年も雨ざらしにしてあっても中の肉質は、エイジングはされているものの、昔のまま生きているの。 だいぶ竹くい虫にやられているが・・・なんとかなるやろ。
綺麗な部分だけをカットして長さ50㎝のヘラに仕上げた。
竹の工作はバンブーロッドでお手の物。 火で曲がり直しをしてカンナでプレーニング(削ること)。
そしてできたのが、これ・・・刀・・・ヘラ
ヘラは上下に開いた糸の間に横糸を通し、上下の糸を逆転させた上で間をトントンと叩き絞めるためのもの。 軽くないと腱鞘炎になること必定。 竹の刀は、軽い上に、ほどほどの持ち重りがあり、すべすべときている、絹糸を打つには打ってつけの材料なのさ。
刀身の形状は、刀(かたな)と同じように、刃は薄く、峯は分厚く、必要に応じて使い分ける。 昔使っていた竹製の物差しがあれば、作らなくてもすむのだが・・・最近見かけないよね・・・竹の物差し・・・
言ってみれば、組みひもとはいっても布を編むのと原理は同じ。(綾竹台だけのことを言ってます)
工作 2日目 は・・・角材の準備
実はこの台、我が妹君(いもうとぎみ)がバカ高い台を買わされそうになっていたので、ワシが作ってやると約束して助け出したわけ。 ワシは白馬の王子さまか?・・・いえ・・・白内障のおおじいさま・・・です。
組紐教室の世界では、ただの木枠でできた台を、それはそれは高価な値段で生徒に販売しているところがあるようだ。 良心的な教室も多々あるのだが、知らない生徒さんの足元をみて信じられないほどの値段で売りつけている教室もあるみたい。 はちまんえん・・・だって~・・・そんなばなな~・・・確かに手間はかかるのだが・・・半額の4万円でもくれるのなら、ワシ何個でも作るで~ (急に関西弁) ・・・作って欲しい人、連絡チョ~ (急に名古屋弁)
(注:4万円はワシの工賃だけの話で、木材の値段は材質により数千円~1万円くらい変動します。 プラス 羽根と羽根枠の追加には2万5千円かかります。 まあ、はちまんえんよりは少し安い程度かな?)
まずは、大切な妹君のために良材を仕入れた。 木目の美しいタモ材。 35x35㎜の表面処理のしていない角材。 1万円以上かかった。 なんせ節のない木を選ばにゃならんのでね。
15年ほど前に買ったまま、あまり使っていなかった電動プレーナーを引っ張り出して製材から・・・製材からやる場合は、また工賃がプラスになります。
おが屑は、これもマキタの集塵機で吸い取る・・・でも集塵機は塵を吸い取るもの・・・すぐに入口におが屑が詰まってしまう。 つまりを取り除きながら続ける・・・居間でやってます・・・たは・・・居間はおが屑だらけ・・・いまいましい・・・てへ
プレーナーをかける目的は、表面をきれいにすること、と、角材の幅、厚みをすべて同じにすることの2つ。
プレーナーで片面を目標値より1㎜大き目まで削り、反対側を1㎜削る、目標値は33㎜の正方形だ。
プレーナーをかける前後では、表面はこんなに違う。
曲がっている角材もプレーナーかけるとまっすぐになる。 斜めに年輪の入っている材はいずれにしても湿度如何で曲りが出る・・・これは致し方ない・・・
2時間座ってやってたので、股関節が固まって・・・立てない・・・齢だね~、おおじいさま。