ベイト・スピニング仕様のエギング・ルアー・船釣りロッド8ft、と ルアーロッド6ft ・・・ いよいよガイドの取付です。
その前に2本ともウレタンニスで3回の塗装を済ませてあります。
まず、エギング・ルアー・船釣りのベイト・スピニング仕様の8ftロッドです。
使用ガイドは、FujiのLCガイドセット(10個のやつ)を取り付けました。 このガイドは2000~2004年ころ、エギングロッド(スピニング仕様)としてFujiのカタログに載っています。 当時は、ローライダーガイドというのが流行っていたようです。 ローライダーガイドなのにスピニングリールとの組み合わせで載っていました。
一方、2016年のFujiのカタログでは、エギングロッド(スピニング仕様)には、Kシリーズとしてもう少し背の高いガイドが使われています。 LCガイドは船釣りとかタイ釣り用のロッドとして載っています。 ちなみにベイトロッドにはMNとかLNというガイドが使われています。
ローライダーガイド LCシリーズ
ワシは、この竿は基本的にローライダーなので、ベイトリールで使いたいと考えている。 投げるものは、エギ・ルアー、餌、なんでも来い、てな感じ。 ベイトリールがうまく投げられないときや、特に遠投が必要なときは、急遽スピニングリールを取り付け、やや重めのエギ・ルアーを投げるつもりだす。
ローライダーガイドの短所は、ラインの擦れ抵抗ということになりますが、重いものなら多少擦れても飛ばせると思うからです。
さて、と・・・ガイドのラッピングの接着についてご紹介しておきますね。
ガイドラッッピングは、ガイドを竿に固定するためにガイドフットに糸をきれいに巻いたものです。 竿の顔といいますか・・・デコレーションも兼ねて皆さん色々な色の糸を使います。 ワシは今回・・・情熱の・・・赤の絹糸を使いました。 赤巻きです。
ラッピングは、まずその第一目的であるガイドの固定という意味で、竿とガイドに接着します。 単にラッピングの上をきれいに塗装する前に、この接着をきちんとしておかないと、ガイドが抜けたり、ラッピング塗装が割れたりします。 ラッピングの塗装は接着後に行います。
接着には、ラッピング接着専用のエポキシセットが売られていますので、それを使うのが一番簡単でしょう。
ワシの場合、ボートのグラッシング用に買ってあった、低粘度エポキシを使いました。 コニシボンドE206W(Wは冬用の意)です。 この二液性エポキシは本来コンクリートの隙間に充てんしてコンクリートを接着するために開発されたものです。 注射器のようなものでコンクリートの隙間に流し込み、接着固定するのです。 だから粘度が低く作られています。
コニシボンドE206W
これをボートでグラスクロスの上からFRP処理するのにも使います。 ラッピングの接着って、絹糸とガラスクロスの違いはありますが、グラッシングと同じなんですね。 グラッシングにはコツがあるんです。
あまり厚く塗るとムラが出来て失敗します。 表面にクロスの糸目が見える程度に均一に塗り広げます。 塗るというよりもヘラで擦り広げるって感じですね。
そこでワシはこんなもん作りました。 刷毛なんぞ使いません。 使うのはゴムの板材です。 適当な幅にゴム板をカットして、棒切れに輪ゴムで止めただけです。
手製のゴムヘラ
E206のレジンは全くの透明です、が、硬化剤は黄土色しています。 硬化剤はザリガニが腐ったような、いやな臭いがします。 が、混合後には臭いは消えます。 乾燥後は、ほんの少しだけ黄色っぽくなりますが、極く薄い色ですので、気になりません。 色合い、塗り具合などについては、当ブログのProaパドルのグラッシングを参考にしてください。
レジンと硬化剤の混合比は、重さで2対1の割合です。 大量に使う場合は、計りで重さを厳密に管理します。 が、ラッピングで使うくらいの量では、計りに掛けるったって・・・で、
こうしました。 下の写真、小さなお玉を使いました。 レジンは、このお玉で2杯、硬化剤は1杯を混合しました。 使った容器も写真に写ってます。 漆や日本画の絵具に使う小皿です。 使用後は(乾燥前なら)テレピン油をティッシュにつけて拭けばきれいになります。
極小のお玉と絵具小皿
E206は水のようにさらさらでもなく、一般のコニシボンドのように固くもなく、ちょうど中間的な粘度です。
最初はラッピングに簡単に染み込んでいきますので、ガイドフットとラッピングの隙間にも入り込みます。
ワークタイム(作業できる時間)は、About2時間くらいです。 混合後2時間すると少しづつ粘度が高くなってきます。 多少固くなってもヘラなら押し込めます。
今回は、竿2本分のラッピングを約2時間かけて接着できました。 でも、終わりの方は粘ってきて多少焦りました。
乾燥には約24時間が必要です。
ゴムヘラで、ラップの上から塗りこみます。 塗っては平らに押さえつけて浸透させます。 じゃによってゴムのヘラが一番適しているのです。
さて、グラッシングと同じ要領と申し述べましたが・・・もう一手間加えます。 余分のエポキシをラップの上から取り除くのです。 取り除かないと、糸目が見える部分と厚くエポキシの乗った部分とがムラになって乾燥してしまいます。
そこで、ヘラの写真の下の方に映っているでしょ・・・細い竹ひごに巻いたコヨリが・・・ティッシュを裂いて竹ひごに巻いただけのものです。 (ティッシュがラップに残らないように要注意、コヨリは固くきっちり巻きます)
エポキシが浸透したラップの上を、この竹ひごを転がします。 余分のエポキシはティッシュに吸い取られて、均一に糸目が見える状態になります。 この、糸目が見える程度に均一化するのが大事なのです。
二度目からは糸目を均一に消すように塗装していけばきれいに仕上がります。
こうすることで液垂れすることもありません。 やらないとエポキシが下に垂れてきて固まります。
いちおう、ガイドが竿の下に来るように置いて乾燥を待ちます。 万が一少量垂れてきても、ガイドフットの部分に溜まりますから丁度良いわけですね。
ガイドを下にして乾燥中
ガイドフットにはエポキシが入り込んで竿と直接にも接着されます