Max爺のひとり言

のこり少ない日々の記録
~でもまあ いろんなことをやってきたなあ~

2017 工作はじめ 第3回ー2 シルクライン - 絹糸の染色 と 糸繰り大失敗

2017年03月20日 | シルクフライライン

フライフィッシングをより楽しいものにしようとシルクラインを10数年前から自分で編み始めたんだが・・・

シルクラインに色がついていたら、もっと楽しくなるんではないか、という考えが浮かんだ。

これまで編みあがったシルクラインを草木染で染色したことはあり、それはそれなりに心浮き浮きするものだった。  誰も使っていない色のシルクライン・・・それも自分で編んで自分で染めて自分でコーティングしたシルクライン・・・

玉ねぎの茶色い皮でブラウンのシルクライン、竹の葉でグリーンのシルクライン、セイタカアワダチソウで黄色いシルクライン、それぞれそれなりに良かった。

だが、模様の入ったシルクラインを編んでみたいな・・・世界に1本しかない自分だけのシルクライン。

ワシの知る限り模様の入ったラインは、Thebaultの赤い線の入ったラインくらいかなあ。  そのThebaultも最近では見かけなくなった。  そこまでロマンを求めるFFマンがいなくなったのかなあ・・・

でもいい、ワシひとりでもロマンを追い求めるのだ。

模様の入ったシルクラインを編むには、編んだ後での染色ではできない。  
それぞれの色に染色した絹糸を使って編む必要があるのだ。  
これだけで手間は何倍にも増えるのだ。

まず、綛(かせ・・・輪っかに巻いてある絹糸の束)状態の絹糸を買わねばならない。 糸駒に巻いてしまっては糸の染色ができないのだ。

そして、21中2、21中3、という細さの絹糸を仕入れて、染色を試みた。

21中というのは・・

繭玉1個から取れる生糸の太さは3デニール。  

1デニールというのは重さの単位で絹糸は重さで売買される。  1デニールは9000m(九千メートル)で1グラムとなる重さの単位。 吹けば飛ぶような天女の羽衣のような軽さ。  蚕は口から3デニールの糸を吐き出してまゆをつくる。

これでは細すぎるし、引っ張り張力も弱い。  それでも1デニールで3~4グラムくらいの錘はぶら下げられるそうだ。 だから何本も合わさると強い糸になる。

繭から糸をとる工程では、通常、繭7個からそれぞれ3デニールの糸を合わせて、3x7=21デニールの糸とする。  繭9個で3x9=27中という糸もある。

繭から糸をとる、この工程は、座繰り(ざぐり)と呼ばれる。

21中の 中(なか) というのは・・・蚕は生き物である。  繭を作るとき、蚕は繭の外側から糸を吐いて行き、次第に内側を作っていく。  最初は蚕の栄養状態は良く、元気なので、太目の糸を吐くのだが、次第に弱っていき、繭の一番内側の糸を吐くときには・・・体力の限界!(ウルフ 千代の富士)・・・その糸は細い糸となってしまう。

そこで、座繰りの名手は、どのあたりで予備の繭糸を追加するのか判断して、絹糸全体がほぼ同じ太さとなるように調整しているのである。  だから・・・中(なか 平均ちゅうことかな)・・・と呼ばれる。  7個の繭を中心に糸を引くのだが、鍋の中には調整用の繭も何個か浮かんでいる。  

21中2 という糸は、繭からとった最少の太さである21中1という糸を2本撚り合わせた糸、21中3は3本撚り合わせた糸のことなのだ。

なぜこんなに細い糸を使うの? と思うでしょ?  それは最大のFlexibilityを考えたから。

シルクラインを編むにあたっては、ラインの番手、テーパー部の糸の太さ、など、さまざまな太さの絹糸が必要となる。  DT#3用、DT#4用、DT#5用・・・と、それぞれ用の太さの糸を仕入れた場合、膨大な絹糸在庫が必要となる。  

必要な都度、合糸(ごうし)という作業をすることで、ほしい太さの糸を作り出せる。  2と3があれば、どんな数字も作れるでしょう?  

23、2+2=4、2+3=5、3+3=6、2+2+3=7、3+3+2=8、3+3+3=9・・・とね。

だから・・・染色は21中2、と、21中3の綛(かせ)糸を染色することになるわけ。

染色自体はうまくいった。  デルクスという酸性染料を使った。 1日で何綛かの染色と乾燥が完了した。 1日で終わったのは、部屋のサーキュレータの下に染色後の絹糸をぶら下げておいたから乾燥が短時間で済んだからだ。  ふつうは日陰で陰干しの自然乾燥なので時間がかかるはずだ。

問題は、染色後の綛からの糸繰りという工程。

綛状の絹糸は、1周1.27mで、4000回位巻かれていて、綛1つで5000m以上の長さがある。 

これを、マイワ(あるいは五光)という回転器具にかけて、糸繰りをして、より小さく扱いやすい糸駒に巻き取っていく。  この工程を糸繰り(いとくり)という。

糸繰り中の絹糸、綾も見えるでしょ~?

綛には、綾(あや)という工夫がされている。  絹糸は、必ず綾かけ状態で巻いてある。 さもないと糸が先に巻いた糸の間に潜り込んで、糸口が分からなくなり、二度と取り出せない、なんていうことになる。 実際に何度もそういう経験をしている。

綛を巻くときには、巻きながら、左右に首をふる装置で交互に斜めに糸を巻いていく、 そうすれば上の糸は必ず下の糸の上に交差する。  

この綾を、綛に巻いた時と同じ状態でほどけるように、ひびろ、あるいは、あみそ、という糸が綛糸と直角方向に何か所か縫い付けてある。   このひびろがないと、綛をあちこち動かしている間に、せっかく巻いた綾が乱れて、綛から糸を取り出せなくなるのだ。

ここが本日の問題なのだ。

染色する際、綛は、洗浄、すすぎ洗い、染色、すすぎ洗い、色の固定剤、すすぎ洗い、乾燥・・・と幾度となく動かされる。  すすぎ洗いでは、水を切るため、絞ったりする。

だから、この間に綾がみだれないように注意が要るのだが・・・やっちまったんだな、たぶん・・・

染色自体は、何度もやったが、簡単にできる。

糸繰りの段階になって問題が噴出する。

プロの染色では、綾を乱さないように綛の輪の中に2本の棒を通して輪の状態のまま染色するような工夫がなされている・・・が・・・これをするには深い鍋が必要になる。  家庭用の浅い鍋では、かえって糸を何度も動かすことになる。

マイワの上に注意深く綛を乗せる。  全ての ひびろ の結び目を手前に来るようにし、綛がねじれていないことを確認。  ひびろは1綛に3か所、或は4か所入っているが、そのうちの1つにだけ綛糸の巻き始め、巻き終わりである 糸口(いとぐち) が結び付けられている。   

話の糸口とかいいますよね。  つまり、とっかかり。 糸口がないと話がすすまない・・・

どっちが巻き始めでどっちが巻き終わりなのかを注意深く調べます。  
ひびろ をカットする前に、いずれか一方の糸口を辿っていきます。  スムーズに糸のでる側を選択し、糸口をなくさないようにマイワに仮に固定しておきます。  そしてすべての ひびろをカットするのです。

やっと糸繰り開始です。

手巻きの糸繰り器でゆっくり、ゆったりと巻いていく分には問題は出ないのかもしれませんが、ワシの場合はせっかちなので、モーター式の玉巻き器で巻いているのです。  それでも1綛の糸を全部巻き取るのに丸1日かかるのです。 なんせ5000mですから・・・

マイワに巻いた綛糸の張りが強すぎても、弱すぎても、スムーズに糸繰りができません。   綾かけに巻いてあるとはいえ、ひびろで綾を固定してあったとはいえ、綾の部分部分がねじれていて、上下が逆転している部分もあるのです。

下に輪ゴムで弾力をつけ、ふわっとした張りのある状態でマイワに乗っていなければなりません。  
張りが強すぎると、踏みつけられて下になっている糸が出てきません。

逆に、綛状態の時に、一部に糸のゆるみがあったりすると、糸を引き出す際に、もつれが発生します。

また、糸繰りが進んでくると、ゆるみが次第に多くなってきます。  ねじれの下から引っ張り出した糸は緩んで上に出てきたりするのです。  糸の残量が当初の半分くらいになった時には、マイワ上の綛糸は、真ん中の方に寄ってきます。  当然踏みつけが多くなってきます。  やんわりと広げてやり、マイワの張りの強さを調整します。  そして糸の出具合をしばらく注視します。

考えてみてください、左右に振りながら巻いてある糸をほどいていくんですから、斜めに く の字になっていた部分が伸びて、ゆるみとして糸繰りの邪魔をするようになるのです。

染色時にいじくりまわした綛糸には、最初からこのゆるみがあるのです。  かりに染色後にゆるみが無かったとしても、せっかく入れた綾が仇となってくるのです。

綛糸のゆるみ

 綛糸が緩んでくると、糸には撚りをかけてあるので、隣の糸にくるくるっと巻きついたりして引っかかってしまうのです。

巻きついて引っかかった綛糸

撚りの強い糸の場合は、緩むと悪さを始めます。  これを避けるには、常に糸にテンションをかけておくことなのです。

糸を緩めると、こんなことも起こるのです

引っかかったまま、糸繰りを止めないと、ブツッと糸が切れてしまいます。  ここがモーター式糸繰り器の問題点です。

・・・そして大事な糸口を見失ってしまうのです。

糸口を失った綛糸は、もうダメです。  (解決策は見つけました。 最後にあります)

下の写真の綛から糸繰りでまきとった駒は、たった一つでした。  綛糸は 捨てる羽目に・・・糸口を失っただけで・・・

1駒だけ?・・・ぐ・ぐ・ぐ・ぐやじぃぃ~

糸口が見つからないので、じゃ~別の部分から始めよう・・・とするとスムーズに糸が出てきません・・・交差していますから・・・

そうこうしてると、こんな状態になっちまいます。

こうなったら・・・もうダメ

これも・・・もうダメ

悪あがき・・・手駒で糸をくぐらせながら巻いてみましたが・・・途方もない時間がかかります・・・途中で投げ出しました。  半分は回収しましたが・・・

手巻きなんて考えるんじゃない! 時間の無駄・・・

そして残りの綛糸は、こんな状態に

カットして束にして・・・捨てることに・・・

合計で、黄色1綛半、オレンジ色1綛を捨てる羽目になりました。

どういうわけか・・・21中3(ひびろ4か所)ばかりがダメになり、21中2(ひびろ3か所)はすべてうまく糸繰りができたのです。  なんでかな~・・・ひびろが多い方が緩みやすいのかな~?  だれかおせ~て・・・

これだけの記事では、な~んだ、ただの失敗談か・・・と思われるでしょうが・・・続きがあるのです。

 

やっと見つけた糸口の発見法

ブツッと切れて見失ってしまった糸口が見つかれば・・・そこからまた糸繰りが続けられるのです。  

正しい糸口が見つかれば、踏みつけられていても、引っかかっても、引っ張り出せるのです。  巻いてあるだけなのですもの。

だから、糸口は大事なのです。

この方法に気付くまでに2綛半の染色後の綛糸を無駄にしたのです。  なんと高価な代償・・・

 

掃除機を使うのです!

 

マイワに乗った綛糸の上に、掃除機の吸い込み口を近づけ、マイワをゆっくりを回すのです。  綛糸がほどけける方向にマイワを回すのです。

すると、糸口が掃除機に吸い込まれるので・・・見つかるのです。

下に映ってるのが掃除機の吸い込み口、糸が出てるの見える~?

 

高価な絹糸を捨てるなんて・・・と 先達からお叱りを受けるのは間違いありませんが・・・捨てる前に、こんな悪あがきもしているのです。

乱れた綛を小分けにして、手巻きしよう・・・とやってみましたが、結局綾の乱れは解消できず、時間ばかりが過ぎていきました・・・膨大な時間が・・・  

小分けも無理

そして、うまく糸繰りが完了したのは・・・

21中2 黄色、オレンジ 各1綛  こちらは順調にモーター糸繰りが完了。

21中3 黄色 半綛 (途中でゆるみが発生して半分没)  なぜ21中3は失敗が多い。

なんとも少ない収穫・・・

 

ロマンに満ちたシルクラインを編むには・・・膨大な時間が・・・かかるのです・・・だが、きっと成功して見せる・・・

 

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2017 工作はじめ 第3回-1 シルクライン編み機 無段階テーパーの完成

2017年03月05日 | シルクフライライン

久々にシルクラインを編んでいる。  

これまで気になっていたことや糸駒の作成方法を見直し、整経(せいけい)という工程を入れてみた。

すると・・・

テーパー部の編み上りが、階段状から無段階スロープ状に変わった。  一層スムーズなテーパーとなる。

フライラインで最も頻繁に使う部分・・・それがテーパー部分だ。  

フォルスキャスト、ピンポイントキャスト、トリックキャスト、ロングキャスト・・・すべからくテーパー部のコントロールにかかわる。

さらに、編み機ボビンのテンショナーの改良を試みたところ・・・たまに起こっていた引っ釣れが起こらなくなった。  16個の糸駒のテンションをほぼ均等にすることに成功した。

なんと・・・苦節十余年・・・ 苦労しながら編んできたシルクライン編み機・・・とうとう100%の完成度となったのかな?

いやいや・・・まだ残っている・・・音・・・だ。

がらがら、がたがた、グァシャグァシャ・・・という音はいまだに消せない。  

この音が、さらさら、ことこと、カサカサ、程度に小さくできれば・・・いいなあ・・・

 

今年3回目の工作はじめは シルクラインシリーズになりそうである。

自分で作るシルクラインに、より一層の楽しみを提供できるように・・・今、在庫をためている・・・

 少しづつ増やしてます

 

あ~、たまには渓流で釣りをしたいなあ・・・シルクラインで・・・誰かつれてって~

  

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シルクラインの疑問 第2回 コーティングレシピを考える

2016年06月29日 | シルクフライライン

ベタベタになったシルクラインのコーティングを重曹水につけて落としたところまでは簡単に1時間で済んだ。

さて次は、コーティングをどうするか・・・だ

 

ワシの狭い経験だけからシルクラインの違いについて言わせてもらうと・・・(違っていたら済みません・・・)

煮亜麻仁油4:Spa1:テレピン2で含浸した#3ライン

ワシの編んだゆる編みのシルクラインをどぶ漬け、コーティングを5回ほど繰り返したものだが、

SPAは1液性ウレタン混合のもの。

乾燥完了まで 約1か月ちょっと。

キャスト時、バンブーロッドでラインがスムーズに伸びる柔らかいライン。  キャスト時のループは投げ方にもよるが、ワイドループでもナローループでも自由自在。 どちらかというとナローループとなる。  
場合によっては、ドラッグ回避のために、くしゃくしゃに水面に落とすこともできた。 (ファールドリーダーとの組み合わせで)

という感触を持っている。

一方、

Pheonix DT3ライン ・・・買ったのは10数年前 

10数年前のPheonixラインは、コーティングは厚めにされており、表面はなめらか(ざりざり感はなく、しっとりしたすべすべ)だったように思う。  ガイドを滑る感じはザリザリだったけれど・・・

ラインは硬めで、キャスト時のループは、やや大きめになったような気がする。

・・・と、このような感じを持っている。 (最近はベタベタになったので投げていないから懐古調・・・)

コーティング剥がしてみると・・・やや硬編み・・・Phoenixは8本編み。 ワシの編んだラインと大差はなかった。

Pheonixラインのコーティング剤は、何を使っていたのかは分からない。  が、表面のすべすべ感から察するに、Bee’s Waxのようなものが入っているような気がした。  夏の暑い日に使っているときに踏んでしまい、引っ張ったら表面のコーティングがペロッと剥がれた部分があった。

最近のPheonixラインを写真でみると、亜麻仁油のみのHalford Methodによる方法ではないか、と思わせるように変わっているみたい。 (だとするとキャスト感はずいぶん異なるとは思うのだが)

 

同じシルクラインで、このような差異が生じるのは何故なんだろうね?

・元になるシルクラインが硬く編んであるのか、緩く編んであるのか、の違い

  8本編みか16本編みか  8本編みでは芯までシルクが詰まっていて硬くなる
  16本編みでも芯を入れて編んでいる場合には、それ相応に硬くなる

・コーティング剤の違い

  亜麻仁油だけ (Halford Method)  
  亜麻仁油、ワックス、樹脂、などの混合
  桐油だけ
  亜麻仁油+桐油+樹脂、などの混合

・コーティングの厚みの違い

  厚くコーティングするには細めに編んだシルクラインを使わないと重くなりすぎる
  薄いコーテイングの好きな方は、やや太めに編んだシルクラインが必要となる

 

一概には、どんなラインが良いとは言えない。  それぞれ自分に合ったスタイルのラインを選ぶしかない。

 

・・・でこれから裸のシルクラインにコーティングを施すにあたって、コーティング剤について考えてみたい。 そして、それぞれについてサンプルピースによる実験を試みてみたいと思っている。

・亜麻仁油だけのコーティング (Halford Process)
  
ワシの編んだ柔らかめのシルクラインにHalford Methodを適用したらどんなラインになるのか知りたいから

・亜麻仁油+ロジン+テレピン

亜麻仁油だけの硬い仕上がりをロジン混合で柔らかくなるか
ロジンによって表面のすべすべ感は向上するのか否か、
浮きはどうなるか

・亜麻仁油+ロジン+Bee’s Wax+テレピン

昔のPheonixのような手触り、しっとりすべすべにしてみたいから、
Wax入れるのは少しでも浮きをよくしたいから

これに少量のカルナバ蝋を混合してみたい。 表面の硬さ、浮き具合に変化があるかどうか・・・

ロジンの代わりにSPAバーニッシュを使った場合・・・SPAにもいろんなものがあり、桐油混合のもの、1液性ウレタン混合のもの、2液性ウレタン混合のもの、などがある。

・桐油だけ  以前テストした時には、カチカチになり、フライラインに適しているとは思えなかったので没。
黄変もひどかったと思う。

・亜麻仁油+桐油  硬化、黄変、乾燥後のラインの硬さ、どうなるか?

・Bee’s Wax+亜麻仁油で作ったワックスのみをシルクラインに摺り込んだ場合・・・ドライラインとして使えるか否か、カルナバを混合した場合、どうか・・・

・・・等々 (どこまでできることやら・・・)

 

よく、シルクラインのコーティングはこの方法が良い、この方法でなければ嘘だ、というような意見を述べておられる方がいますが、ワシはこう思うのです。

個々人の釣りのスタイル、どんなロッドを使っているか(硬いロッドなのか柔らかいロッドなのか、バンブーなのかグラスまたはグラファイトなのか)、どんなループが好きなのか、どんなキャストが好きなのか(トリックキャスト、くしゃくしゃ落とし、くるくる回し、フライファースト、等々)、によって

ラインに求める性能、性格は異なると思うのです。  

リーダーに求める性能だって同じでしょ?  

硬いのがいいのか、柔らかいのがいいのか、長いのか、短いのか・・・ナイロンのモノフィラリーダー?、ナイロンのブレイデッドリーダー?、シルクのブレイデッドリーダー?、シルクのファールドリーダー?、PEのファールドリーダー?、タイイングスレッドのファールドリーダー?・・・

コーティング・・・ひいては出来上がったシルクライン、に求める要件も、そこから派生するのではないでしょうか。   

シルクラインは高価なので、余りあれこれとチョイスする機会には恵まれないのかもしれませんし、メーカー側も機能性を売っているわけでもないので・・・いろいろ買って試してみるしかないのでしょう。

比較的安いブランクのシルクラインに、あれこれ自分で染色やコーティングしてみるのも一興ですよ。

自分にぴったりなラインが出来上がると釣りが一段と面白くなる筈です。

 

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シルクライン~劣化コーティングの除去

2016年06月26日 | シルクフライライン

最近、シルクラインのコーティングがベタベタに溶けてくっついてしまって使い物にならなくなったことを一つの理由として、フライ釣りに行かなくなっていた。

先週、未塗装シルクラインのご注文をいただき、あれこれやっているうちに、突如、制作意欲がよみがえり、手持ちのリールを持ち出してきて、使い物にならないシルクラインの補修を始めだしたのだす。

ベタベタのPhoenix

ネトネトのMaxのレシピ

リールもこんな感じにベチョベチョ

PhoenixのDT3は、日に当たっていた部分は色が変わっちまってる。  これ買ったのいつだったかな~、10年以上は経っていると思う。

自分で編んだ自分のレシピの方が、幾分劣化が早いかな。  コーティングしたまま放置してあった未使用ラインも、約10年・・・、ドライヤーの上で、そのまま劣化しておった。

コーティングの劣化は、シルクラインそのものをどれほど劣化させるか・・・ということも調べにゃならん。

そこで、全劣化ラインのコーティングを取り除くことから始めたのだす。

まず、準備・・・

重曹・・・安いやつ、お掃除用

食器あらいには、水1Lに3~4杯入れよ・・・と

・・・で、60度のお湯に大匙で4杯入れた

お箸で重曹をよ~く溶かして

ラインとリールのスプールを漬け込んだ

まだ水は透き通ってるね

5分ほどで泡が出始める

Phoenixラインは、泡が出てくるのが遅い。  重曹には溶けにくものが混ぜられているように思われる。 例えば・・・ビーズワックスのようなものとか・・・Phoenixのコーティングを研究してみたいな・・・

やく30分ほどおいてから、お箸でラインをほぐすように混ぜ混~ぜ、混ぜ混ぜ~すると、ラインの間からどす黒いもやもやが溶け出てまいります。

リールのスプールは30分で、ほれっ、この通りきれいに

自作のシルクラインはこんな風に、もとの絹の色に

Pheonixは溶けにくい、左側がPheonix

Phoenixラインは黄色っぽく染色してあるのかもしれない。 黄色が抜けない。

重曹水は八丁味噌の味噌汁のよう

一部に塗料の残ったPheonixと自作ライン、もう一度新しい重曹水に

置くこと5分、重曹水の中で手でラインを揉み揉みした。

そして流し水(お湯)で揉み洗い、キッチンペーパーの間に挟んで圧力かけること2度繰り返し、

外につるして陰干し・・・紫外線でシルクが劣化するかもしれんので・・・

作業場の屋根の下につるして陰干し

・・・ということで、作業時間はやく1時間くらいかな。  コーティング落とすのは超簡単なのだが・・・

 

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編んでます シルクフライライン

2016年06月24日 | シルクフライライン

久しぶりにいただいたシルクラインのご注文・・・

いざ編もうと思ったら・・・所定の糸がない。

で、枷(かせ)の状態の生糸から始める。  枷から糸駒に巻き取るのだ。

マイワ、あるいは、五光という糸車に枷をセットする。  日本人の知恵というのはすごいんだね~。  ほんとに驚かされる。

わっかにした細い絹糸を、もつれることなく1本の糸にほどく、というのは並大抵のことではない。  絹糸は21中3という細さなのだ。  蚕が口から出した糸が3デニール、これを7本束ねた糸が21デニールなのだ。  それを3本双撚りすると21中3という糸になる。  1デニールは9000メートルで1グラムという単位。

絹糸はすべからく交互に交叉するように巻いていく。 斜めに巻き、次に逆向きの斜めに巻く。  これは、ミシン糸のように並列に並べて巻くと、先に巻いた糸と糸の間に上に巻く糸が潜りこみ、スムーズに引き出せない。  時にはこんがらかったりするのだ。

枷を作る際には、交叉させて巻き取ったわっかの状態のまま、糸の位置が動かないように、一定間隔で直角に縫っておく。  それを4か所ほど行う。  その中の1つだけ、わっかの糸につながっているのだ。  そうしておくと、枷をくしゃくしゃにしたとしても、もとの状態のわっかに戻せるのだ。

枷から駒に巻き取っている様子

1つの枷からこんなに駒ができる

これを一番細い単位として、より太い糸に合糸し、かつ撚りをかけて別の糸駒に巻いていく。

そして所定の太さの糸を使ってシルクラインを編み始める・・・

あ~気が遠くなる・・・

 

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シルクラインの疑問 第1回 ラインの構造と塗装について

2015年02月12日 | シルクフライライン

これまでシルクフライラインを自分で作ってきた過程で感じた疑問について、一つ一つ考えたり調査したりして、納得のいく答えを見つけたいと思う。  世の中あまりにも多くのデマや風聞が飛び交っているのでね。

そこで順次テーマを設定して考察してみよう・・・かな?

第1回目は、シルクラインの構造と塗装について

シルクラインの塗装には主として乾性油を用いる。  乾性油についてはまた今度。

まず、理想的なシルクラインの塗装というのは、コーティング(外皮塗膜)なのか含浸なのかということについて考えてみよう。

理想的なシルクライン(当然ドライライン)ってのは、一定の重さがあって、防水・撥水して水面に浮く、ということなんだな。
  
フライフィッシングではラインに重さが無ければ飛ばせないし、ラインが浮かなけりゃドライフライで釣りができないわね。

防水と撥水の能力は、使用中の浸水による重さの変化、撥水による浮力の変化という形で影響を与えるんだな。 

また、外部を中心に被膜をつくり、内部に空気の中空層を作るような塗装法をコーティングという言い方をし、芯の内部まで塗料を浸み込ませる方法を含浸ということに一旦してみよう。 (この差は非常に微妙で、実際に実現することは非常に困難ではあるが・・・)

ラインの内部に空気層を持つことはラインの比重を下げ、より大きな浮力を実現することになり、実現できればドライフライラインにとっては福音となる。 いわば中空のシルクラインってことだ。

ケミカルライン(PVCコーテイング)では内部は中空ではなく、比重の低いコーティング剤の化学的性質によって浮力を維持している。 内部にはライン強度を上げるための芯材が入っている。

一方、芯まで塗料の浸み込んだシルクラインでは、その比重は固化した塗料(乾性油)自体の比重に大きく左右されることになる。
  
一般にシルクラインの比重は1.2位で水よりもやや重く、水中でやっと漂っているという感じなのだ。 これに色んな油(たとえばMuciline)を表面に塗ることで撥水性を高めて水面に浮かして使っているんだな。 油が切れると沈んでしまう。

ご理解いただけると思うが、シルクラインってのは絹糸を交互に交差させながら編んだ組紐の構造でできている。 

太い絹糸で編めば帯締めのような太くて編み目のきれいな紐になり、細い絹糸で編めばシルクラインになる。 

また、同じx番手のシルクラインを編むにしても、1本200デニールの絹糸8本で編む場合と、1本100デニールの16本の絹糸で編む場合には、使う絹糸の重量は同じでも出来上がったシルクラインは内部の構造に違いが出るし、出来上がりのラインの太さにも違いが出る。 (デニールは絹糸の太さを表す単位)  

市販のシルクラインはほとんどが8本編みだから表面はゴツゴツだ。  16本編みは、出来上がりのラインは8本編みよりも細く仕上がる。

左8本編み、右16本編み

8本編みでは内部は中空にはならず、ロープのように詰まった状態になる。 一方、16本編み、あるいはそれ以上の本数で編む場合は、使う糸が細くなるために交差する糸は円断面の周囲に位置するが、中央部には空洞ができる。  市販の高番手のシルクラインでは、この空洞を埋めるために敢えて芯糸を入れた上で編んだりする。

更に、シルクラインを編むに当って、編み機ボビンに付いている糸送り機構のテンショナーを強くして硬く編む場合と、テンショナーを緩くして編む場合とで、編みあがったラインに違いが出る。 硬編みするとライン直径は細身に編みあがり、緩く編むと太めに編みあがる。  硬編みしてもラインを放置しておくと網目が自然に戻るという性質もある。

とまあ、こんなことを考えたうえで、コーティング(外皮塗装)か含浸か、ということを考えてみると・・・

コーティング(外皮塗装)をするには、絹糸には含浸させるが、内部の中空部分には塗料を入れたくない。 従って、一旦絹糸に塗料を含浸させた後はライン表面にのみ塗料を塗り重ねていくような塗装法や、それに見合った塗料を選ぶことになるのだろう。 外皮塗装には塗料の濃度は高い方が良さそうだね。

含浸させたければ、ラインを塗料に漬け込み、ライン内の空気を抜き、芯まで塗料を浸み込ませる、といった方法になるんだろうね。  

圧力を加えたり、下げたりして含浸効果を上げる方法が昔から行われているようだが、塗料をテレピン油などで希釈すれば、そんな大がかりな装置は無くても簡単に含浸させることはできる。

圧力釜を使うのは、多分に使う塗料の濃度と、ライン自体が硬く編まれているか否かということに関係があると思われる。 

市販の煮亜麻仁油程度であれば圧力釜など使わなくても含浸させることはできる。  おそらく硬く編んだラインにサンシックンドのような濃い乾性油を使ったので圧力が必要だったのではないのかな。  コーティング剤は、ワックスや樹脂を混ぜて煮詰めて作ると濃度が高くなる。

ここで疑問・・・なぜ空気(気泡)が内部に残っちゃだめなの?

ワシャ内部に気泡や中空がある方がささやかにでもドライ効果に貢献すると思うのだがにゃ~・・・

疑問に対する答えは・・・たぶん・・・

気泡があると、表面にあるコーティングの傷、隙間から水が浸入し、ラインが水に沈むようになる。  これは、特にラインの先端部でよくおこる現象である。 ケミカルラインでも然り。

それだけなら、乾かせばまた浮くようにはなる・・・が、シルクの場合、シルクが水分によって劣化する。  そして・・・いつしか・・・切れるようになる。

・・・ということではないか?・・・と思う。

これを避けるには・・・(個人の意見です)・・・

ラインが水に沈む現象を感じだら・・・う~む、水が浸み込んでるな? と理解し、・・・使用後、ラインを乾燥させる。・・・ 乾燥後、表面の油分をきれいにふき取る。  前に使ったと同じコーティング剤で再びコーティングを行う。  

表面にあるであろうコーティングの傷を塞ぐためである。・・・そして再びラインにMucilineなどの油を塗る。

シルクラインの先端部は特に沈みやすいので、コニシボンドSU接着剤なんかで結び目をコーティング(防水)しちゃう。

針で穴開けてリーダーなんかを接続した場合も、シルクラインに空けた穴の部分を防水したほうがいいのかもね・・・

 

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All about braiding Silk Fly Line シルクフライラインの編み方

2014年07月07日 | シルクフライライン

シルクフライラインを編みたい方、必見です。 
この編み方(八つ打ち)がシルクラインの編み方です。 ゆったりのんびり編んでみてはいかがでしょう。
また、機械で編む場合も、これと全く同じ原理で編んでいるのです。

This is exactly how to braide a silk fly line.
Braiding machine is doing the same way.
Click the link below to see how to braide.  You can also do it.

シルクフライラインの編み方(動画)

 

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シルクラインのコーティングについて

2014年06月13日 | シルクフライライン

フライフィッシングで使うシルクラインについて、再生を趣味としている Wolfram Schott という人が、いろいろ調べた結果をまとめて論文を書いている。 本文は、USのReed Curryという人のサイトの Extract というタブの下ににリストされている。 論文名は、A few remarks about Silk Lines、2007年に書かれている。

ワシは、この全文を勝手に日本語に訳したのだが、ワード文書で、11.5MB程度のスペースを食うので、我がサイトには載せていない。

が、おもしろい記述も多々あるので、その中からシルクラインのコーティングについての記述をパクって下に掲げておく; (以下抜粋)   念のため、ワシもあまり詳しくないので質問は無しね。

最初の頃は、ラインはさまざまなもので含浸(防水)されていた;それらのレシピを紹介すると;

バルチック リンシードオイル(亜麻仁油) 1ピント、純白のインドゴム 3オンス、ビーズワックス 1/4 オンス、箔下ワニス テーブルスプーン1杯 (A. S. Moffat: The Secrets Of Angling, 1865, p. 24)

1.5ピントの煮亜麻仁油、3/4オンスのビーズワックス、1.5オンスの松脂、テーブルスプーン1杯のコーパルワニス (J. H. Keene: The Practical Fisherman, 1881, p. 391)

テーブルスプーン1杯の煮亜麻仁油、クルミ大のかけらのビーズワックスと松脂、松脂を粉にし、ワックスを薄くスライスして一緒にジャムポットに入れ、溶けるまで煮立った湯で湯煎する。(J. H. Keene: Fishing Tackle, Its Materials and Manufacture, 1886, p. 56)

3分の2の煮亜麻仁油と、3分の1の最高のコーチボディーニスを混ぜ、温める(H. P. Wells: Fly Rods and Fly Tackle, 1885, p. 50; 1901, p. 73)

エナメル引きラインを柔らかく、スムーズでしなやかにするためには、山ほどのカールした馬の毛でこすり、水できれいにする。 乾いたら、純粋の煮亜麻仁油に漬け、これが乾いたらパラフィンのろうそくでこすり、つづいて乾いた布でこする。(G. P. Holden: Streamcraft, 1919. p. 38)

マテリアルを殺したばかりの羊の血(熱した)の中にふんわりと落とし、指でよく揉み込む、沸騰した湯に1分間フルに落とし込む、山にして完全に乾き、スムーズで、つやが出て、輝くまで、つるしておく(W. S. Jackson: Notes of a Fly Fisher, 1927 and 1933. p. 158)

1880年, タックルメーカーのEatonとDellerが、最初の固く編んだシルクフライラインに、エアポンプ圧力下で純粋の煮亜麻仁油のドレッシングを施したものを作った。  この方法は、DellerとHawkesleyが、F.M. Halford(Halfordプロセスと呼ばれる)の助言に基づいて行った数々の実験から派生した方法である。  これらがスタンダードとなり、それによって全ての他のラインの拠り所となった。

(以上抜粋)

これらのほかにも色んなコーティング剤が考えられるし、実際に存在するのだと思う。

ワシのレシピはというと・・・

煮亜麻仁油 4 vs テレピン油 2 vs スパーバーニッシュ 1 をよく混ぜる。
最後にスパーバーニッシュを表面に薄くコーティング(滑るようにするため)
高温(30度C)には弱いよ。

こんなことを言ってた奴もいたな・・・

煮亜麻仁油 45%、桐湯 45%、ビーズワックス 5%、シリコーンオイル 5%
もちろん湯銭して溶剤にする。

ワシは最高級のカルナバワックスを買っておいた筈だ。 硬いという噂をきいたから・・・

ボートが終わったら、シルクラインの再生・・・やってみよう・・・

 

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Phoenixもダメ

2014年06月13日 | シルクフライライン

明日、釣りに行こうとラインを点検・・・
じぇじぇっ、ベタベタ・・・自作のラインだけでなく、Pheonixのラインも爪でひっかくとボロボロと剥がれる。

コーティングが溶けて(たぶん熱で)トロトロになってる。 踏むと足にくっつく。  これでは釣りにならない。

溶けて削げ落ちてこんな風になってる・・・

ティッシュで拭くと・・・くっつく・・・

急きょ、大昔に買ったPVCの#3だったか#4だったか、探し出して、Mucilinを塗りたくり、太くなったTipにファールドリーダーを取り付け、Knotted Leaderとして、ティペットの3X+4X+5Xを各60㎝づつ結んだ。

シルクラインのコーティングの保証期間は・・・使い方にもよるだろうが…3年~5年ってとこだな。  3年ごとにコーティングのやり直しをすると考えていれば安全だ。  シルクの部分だけはずっと使えるから。

ラインの保管は、25度C以下の冷暗所にて・・・コーティングが熱で溶けださないように・・・(25度Cは単なる目安、ご自分で状況をみて判断してね)

これからは、車中に置いておくと、30度Cから40度Cくらいになるから、シルクライン愛用者は要注意ですよ。  

Mucilinなどのランドレッシングも溶けだしてベストにしみ込んだりしますからね・・・(経験者は語る)

も一度きちんと整理しておこう;

本来FFはトラウト、サーモンを釣ることから始まっている。 つまり本来北国の釣りなのだ。

従って、シルクラインは適度な温度において使用されることが普通だと考えられる。(まあ、欧米の暑いときは日本の比ではないけどね。 一応そう考えておこう)

だから、30度C以上では使わない、あるいは、30度Cの気温には出さない方が良い。 (30度Cは単なる目安だから、ご自分で基準となる気温を決めるといい)

夏場は、コーティングが施されたシルクラインは使わない。 
暑い地域ではコーティングが施されたシルクラインは使わない。
釣っていて気温が高いと思ったら、時折シルクラインを巻いてあるリールごと水に漬けて冷やす。

夏場はPVCラインを使うか、コーティングしていないシルクライン、たとえば、蝋を塗りこんで浮かすようなシルクラインを使う。 夏場は、シルクラインは冷蔵庫に入れて保管する。

以上を守れば、シルクラインは10年くらいは(春、秋、冬に)使えるんじゃないかな。

しまう前に洗浄して乾燥させておけば、なおよいね。

そんなこと面倒だ、という向きは、だいたいシルクラインでも3年持てばいい、と考えておけば良い。
コーティングが溶けたら、飽和重層水に一晩付けておいてコーティングを取り除き、再コーティングを施して使うようにする。

 

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乾燥で編み機が・・・

2012年12月21日 | シルクフライライン

シルクラインのご注文をいただいており、先日から編んでいるんだが・・・

どうもマシンの調子がおかしい。  

この紐編み機、ゼロからワシが設計し、かつ、製作した代物だ。  材料は主に、金属と木で作ってある。

ここんとこの低湿度で空気が乾燥しているために木製部品が縮んだのだ。  
1.5㎜の高さに調節してある隙間が土台である木製部品が縮んだため1㎜位になっている。
ここを糸駒のベースが通過するんだが、引っかかってスムーズに動かない。  ウィーン、ガックン。

仕方がないから土台を止めてある木ネジを緩めて隙間を広げてみたらスムーズに動き出した。 ウィーン、ウィーン。 (合唱団ではないんだよ)

バンブーロッドにとっては低湿度は竹の水分を抜く効果があるのでいいのだが、木で作った精密機械は精密ではなくなってしまうようだ。  今日は一日機械の調整に追われてしまった。

12フィートのテーパー部を編むのに、半日はかかる。 テーパーを付けるために糸替えという工程が入るからだ。  16本の糸の太さを途中で変えることでテーパーを付けているのだ。  それも4段。  途中で失敗して更に半日。  きれいに仕上げる方法を見つけたのだが、手数がこれまでの倍かかる。  もっと楽に編む方法はないものか・・・

早く編み終わろうとして機械を高速で回すと、勢いというものは恐ろしい。  強まった遠心力でテンショナーの調子が狂ってしまう。  糸が余計にでてしまう。  目飛びが発生したり、ヒキツレが起こる、という悪循環。
手回しでゆっくり回すときれいに仕上がるのだが、途方もない時間がかかる。

最大の敵であるヒキツレの防止装置のアイデアが浮かんだ。  ヒキツレが起こると編んだラインが波打つ。  これがシルクラインの完成度を最高にできない理由だった。  このヒキツレ防止装置がうまく機能すれば、我がシルクラインの完成度がさらに一段あがることになる筈だ。

乞うご期待!

 

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