秋だね~、秋だね~。(チョコだね~、のパロディー)
先週末、MaxRodご注文の東京のBさんと、ロッドの筆下ろしにFishOn鹿留に行ってきた。 最初、なんとなく、釣れなかったが、慣れてくるうちに投げると釣れる雰囲気に突入。 Bさんも調子よく釣っている。 FishOnが心の故郷と言われる所以である。 ここにくると、不調だった川での釣りも、調子を取り戻せる。
わしの方も、ドライフライにチョコチョコとアタックがくる。
投げた、出た、フッキング!、と思ったら、急に力が抜けてしまった。 良く見ると、シルクラインが途中から切れて、持っていかれてしまった。
ネイルノットで、新しいリーダーを取り付けてみると、ノットを締める段階で、ラインが切れる。 あれっ? と思って、ラインの先端を引っ張ってみた。 プッツン、と切れる。 腐っている。 シルクラインが腐っている。
茫然である。 状態は、古いシルクラインを、一昼夜飽和重曹水につけておいた時の様子に似ている。 コーティングが、ポニョポニョになってしまっている。 シルク自体も黄色く変色して、強度が既にないのだ。 このラインは、編み機と同時に最初に完成したシルクラインだ。 すでに5,6年経っている。 手入れしたこともないんだな。 濡れたまま放置したのがよくなかったのか?
一体、どおしてコンナ風になるのかな? もうひとつの#4のシルクラインをリールから引き出してみると、こちらは、自作のニスを混ぜて作ったコーティング剤、表面がベトベトして、ラインが互いにくっついているような状態。
恐らく、最近の暑さのために、熱でコーティング剤に化学変化が起きているに違いない。 コーティング剤の材質が熱で変化し、シルクラインと分離、コーティング剤がシルクを変質させてしまった。
うへ~、コーティング・オイルのレシピを再検討せねばならん。
コーティング時に一旦固まったとおぼしきラインも、このような変化には、耐えられないのか? さすがに、Phoenixラインは、しっかりしている。 固め方が違うのかな~。
勉強、勉強。
遂にできました完成度100%のシルクラインが。
編み機を製作してはや何年かな?
研鑚を重ね、編み機の改良、編み方の研究にも時間がかかりました。
結果、よりスムーズなライン表面と、スムーズなテーパー部が実現できました。
また、従来よりも細い絹糸を使用するための装置も完成し、1番から何番のラインも手持ちの絹糸在庫から製造可能です。
今回完成したのは、ライン,リーダー一体方式のシルクラインです。 これまで不便を感じていたのは、ラインとリーダーの結び目がロッドのスネークガイドや、トップガイドに引っかかって、ライズを目の前にして四苦八苦することでした。 結び目をトップガイドの外にだすためにロッドを逆に曲げたり、振ったり、バタバタしていると、ライズが消えていたりするんです。 動きを察知されるんですな。
この現象の改善にはいろいろな方法があるんでしょうが、ワシはライン+リーダーを一体化して結び目を追放したわけです。 ラインの先端に3Xのティペットから結んでいけば、OK。 ここは結び目でもかなり小さいので引っかかりません。 引っかかるのは市販リーダーの硬いバット部で作った結び目です。
ラインの先端部はリーダーですのであまり強く引っ張ると切れることがあります。 3Xより強いことは保証します。 通常は、より弱い先端のティペットが切れるはずですが、万が一、ライン先端が切れた場合は、ファールドリーダーや市販のリーダーを取り付ければ、これまたOK。 ここで普通のシルクラインになるという訳です。(^^)
自分用ですが、どうしても欲しいという方は、自分でコーティングをするという前提で、メールをください。 特別にお作り致します。 もちろん有償です。 お値段はショップ価格+3Kらいかな。
糸駒100個を作った。 ふ~、しんどかった。
塩ビ板を丸く、くり抜く。 フライス盤で使うくり抜き機を作った。 そしてドリルで穴あけ。 次に塩ビパイプをちょん切り、両端に臍を切る。 パイプと丸板を組み合わせて接着。 丸板のバリ取り。 これを100個分、1つづつ作ったのだった。
マイワ(五光)を使って原糸2枷分を糸駒に巻き取った。 糸駒、約30個分になった。 枷からの糸巻きは高速ではできないのだ。 糸がつったときにプッツンと切れてしまうのだ。 ゆっくりやるから、一駒分を巻き取るのに約30分かかる。
明日からは、これを前述の合撚糸機にかけてテーパー糸を作るのだ。 シルクライン1本につき、16個のテーパー糸(駒)を作る。 段取りに時間のかかる仕事なのだ。
その代わり端から端までスムーズ表面のシルクラインが作れる。
編みながらテーパーを編みこむこれまでの方法と比べると、前準備にやけに時間が取られる。 果たしてトータル時間は減るのだろうか? 不安だ。 時間を減らせないと、えらく高いものを作ることになる・・・。
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変な写真ですが、周りに汚いものが映っているので部分消去しています。
これが、稼動中の合撚糸機と玉巻機です。 この写真は、2つの装置が組み合って稼動中のものです。 左の部分が玉巻機、右の回転部分が合撚糸機です。
ばらして合撚糸機、玉巻機それぞれでも稼動できます。
手順としては、
1. 絹糸の枷(わっか)の状態からの玉巻きには、別途、五香(マイワ)と組み合 わせて玉巻機部を使用します。 (玉巻き機)
枷1つから玉(糸駒)が14個~9個くらいできます。
超低速でないと、枷糸が切れてしまいます。
2. 1でできた玉巻(駒を)合撚糸機にて合糸、撚り合わせします。 (合撚糸機)
この装置では、元玉(駒)を4個まで同時に合撚できます。
2倍の太さの糸を作るのには2個、3倍は3個、4倍は4個、の駒を乗せて高速回転で 合撚します。 合撚機と玉巻機の回転比は、8倍、つまり、5cmで8回の撚りが かかります。 メートル換算すると、160回/m の撚糸(双撚り)となりま す。 玉糸を一定方向に捩りながら、複数の駒を反対回転で撚り合わせます。
3. 2で出来る合撚糸を玉巻きする。(玉巻き機)
合撚してできる玉(駒)は1個です。
このプロセスにて、同じ太さの糸の玉を、16個づつ作ります。 16個の駒でシルクラインの番手1種類が編める訳です。 テーパーを付けるのには、異なる太さの糸玉が別に3種類、x16個必要になります。 編んでいる途中で糸が無くなると、またこれを作らねばならないのです。
時間のかかるの、わかるでしょっ! あ~、気が遠くなる。
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昨日今日と、新鋭機で1本目を編んでみました。 想定した通りテーパー部は見事にスムーズ化に成功。 スラーっとスムーズなテーパーが編めていました。 が、手間のかかること、テーパー部を編むのにこれまでの時間の倍以上かかってしまいます。 痛し痒しってところですが・・・、絹糸も多種類準備が要るし、諸費用も上がっているので多少価格に転嫁させてもらわざるを得ないのかな~、つらいところです。 表面がスムーズになった分、塗装の仕上がりはきっと良くなる筈です。 明日から本格的に編んでいきます。 グワッシャ,グワッシャ、と。
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いやいや、長くかかってしまったが、遂に完成した。 2台の最新鋭シルクライン編み機。(部品を改良しただけだがに)
全部解体して全ての部品を見直し、まずいところを全部直したのです。
高速回転で出ていた金属紛も、部品をエンプラ(エンタープライズ・プラスチック)化することで、出なくした。 テンション機構もすべて見直してバランスを調整しやすくした。 実は糸駒の巻き方でもテンションのアンバランスが起こる。 すでに開発済みの玉巻き機を使うことで、この問題を解決できるだろう。
編み機の完成に満足して、しばしこの余韻にひたっていたい。 編むのは、一服してからにしたいな~。 とはいえ、編み始める前にやらねばならぬことがまだまだあるのだ。 ライン・テーパー設計をして原糸の合撚し、番手ごとに糸駒を16個づつ作成せねばならん。 これがまた馬鹿にならない時間を要する。
ほんとは、絹糸原糸を染色してからやりたいのだが、染色にまた1年くらいの研究が必要になってしまいそうだ。
とりあえず、今年は絹の白糸だけにしよう。 染色は来年のプロジェクト。 DT#2、#1ラインも作りたいし、また、それに合ったロッドも作ってみたい。
一服したら、編み出します。 もうちょっと待ってね。
いよいよ本日からライン編み機の修正に着手しました。
まず、糸のテンション関係で16本の糸駒の心棒の作り直し。 精密に1mmも狂わないように有効部の長さをそろえます。 ここが狂っていると糸駒を押さえるバネの力が、駒ごとに違ってしまい、テンションを狂わせるのです。 最初のバージョンはかなりの差が出ていました。 バネの方も、長さが違っているとテンションの違いになって現れます。 僅差であれば、テンショナーの方を強めにすればその差は解消できるのですが、絹糸が細いとテンションを余り強くできないので、テンション開放で編むことになります。 そうすると、このバネのテンションの差が効いてきてしまうのです。
また、編んでいる最中によく外れる糸繰り出し部をカシメポンチを使って固定。 これは16個の糸駒台に各6箇所関連部分があるので、16x6箇所についてこつこつとカシメました。
明日は、コマ送り部を固定式から回転式にするための作業です。 こうすれば、こすれあう部分が、回転するので金属紛が出なくなります。 言ってみれば、単なる円筒であったものを内部円筒に段差を付け、外側にブッシュをはめて回転するようにするわけです。 だんだん本格的な精密機械の域に入ってきた感があります、が、これを目分量とミニ旋盤の手送りでやるんですから根気と時間を使います。 全く同じ部品を多数作ることの難しさが身にしみます。 工夫、工夫! もの作りニッポンよ、よみがえれ!
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好評を得ております自分で作る未コートシルクラインですが、しばらくお裾分けをお休みさせていただくことにいたします。 しばらくお時間をいただいて、コーティング済みシルクラインの開発に傾注したいと思います。
とはいえ、かなりたくさんの方々にご購入いただきましてありがとうございました。
いろんな方がおられまして、非常にスムーズに市販のものと変わらないコーティングをご自身で完成させた方、コーティングしすぎてコーティングの剥がし方を相談にこられた方、お一人で3本も作られた方、等、悲喜こもごもです。
MRCとしてもコーティング技術の確立をおこない、割安で高品質なシルクラインの完成に努力する所存です。 完成いたしました暁にはホームページでご紹介いたしますので、しばらくお待ちを願います。
シルクラインを編むためには、絹糸を巻いておく糸駒が必要なんだな。 この糸駒のサイズは、編機のボビンとマッチしたものでなくてはならないの。 サイズが違うと、回転で、糸が勝手に出てきたり、逆に糸に余計なテンションがかかったりするのね。 また、駒の深さは、巻ける糸の長さに関係してくるから大事なの。
あまりに駒が長い糸を巻けるということは、大量の糸を無駄に巻いておかねばならないので不経済なの。 つまり大量の絹糸を駒の上に在庫することになるの。 絹糸って、バカにならないほど、た・か・い・のね。 逆に、あまり短かすぎると駒1式(16個)で編めるシルクラインの本数が少なくなって、何度も何度も小分けせにゃならん。 まあ、駒1式でライン3本くらいが丁度良いってとこかな?
糸駒って、絹糸の太さごとに1式いるのね。 だから、DT#3からDT#6までで4セットの駒がいるのね。 これが編機2台分となると、8セットの駒がいることになる。
合計で何個になるのかな~。 16 x 8 = 128個
これ、他所で売ってないので自分で作らなければならないのが、つ・ら・い。
写真は、2セット分 + 1個(壊れた時の予備)。
作り方は、
アミンの丸棒を、バンドソーで玉切り。
カットした玉の両端を旋盤で端面削りして平らでつるつるに。
旋盤で玉に穴あけ。
旋盤で写真の形に成形。
ヤスリ掛けして引っかからないように磨く。
そして完成。
これを33個やるのに、根気と暑さによる遅れも入れて、約1週間。 ふ~、趣味も昂じると、つ・ら・い。
自作シルクライン編機が奏でる音。 決して快いものではありません。
まず、ウィ~ン、というモーターの音。 スピードコントロール付きのモーターということで、電気ドリルを応用している。 だから音が大きい。
次に、8つのギアが回転する音、これは1ギアに付き2個のベアリングを使っているので音は軽い。 カラカラカラっと小気味良い。
その次は、ギアに取り付けてあるアルミのコマ送り機構が互いにぶつかり合う音、ガキッ、ギャキッ。
またその次は、移動する糸駒がギアからギアに受け渡しされる音、カチャカチャカッチャン。
時折、糸のテンションが偏り、駒が溝に引っかかり機械はとまる。 その音たるや、ガッキーン、ウィーンウィーンウィーン、とモーターの悲鳴。
これらの音が入り乱れ、あたかもオーケストラのごとし。 下の行を楽譜のように複数行同時に右に読んでみてください。
ウィーン、ウィーン、ウィーン、、、、、、、、、、、、、、、、ヴィーンヴィーン
カラカラカラカラ、、、、、、、、、、、、、、、、ガッキーン、
、、、、、ガキッ、、、、、、、、ギャキッ、、、、、、、、、、
カチャカチャカッチャン、カチャカチャカッチャン、カチャカチャ
わし、中耳炎になったみたい・・・