時代劇ファンの丸の内さんからひさびさ和崎俊哉さんの作品紹介を頂きましたので僭越ながらコメントさせていただきます。
和崎俊哉さんはミラーマンの村上チーフで工藤堅太郎先生の藤本武と並んで特撮ファンにも人気のある俳優さんでおられます。
しかし、工藤先生はアクションの主役から三枚目の役柄までマルチファイター的な個性でおられるのに対し、和崎さんはどちらかというと時代劇俳優さんというイメージが定着されている気がします。
時代劇ファンは和崎さんを時代劇俳優と思って、ひょっとすると村上チーフは二の次でないかとも想像されます。
新選組の近藤勇役などもばっちりはまりどころでした。ホームドラマにも出ておられましたがあまり印象がないのは残念でした。
この むっつり右門 は中村吉右衛門さんの主演の右門で 十二番手柄 の 逃亡者 とタイトルされて放映されました。1970年代の放映かと思われます。
和崎さんの役柄は無罪の逃亡者をかばう役柄の凛々しい男前の侍の役柄です。
髷をきちんと結んで端正な、きりっとした侍役は和崎さんそのもの。その魅力に溢れておられますね。
(作品の見どころなどは下手な解説の私より、丸の内さんにお願いすることとさせていただきます。<m(__)m>)
和崎さんの上手い表情は苦境に陥ったときとかややこしい話になると 額の眉間にしわを寄せ ううーーん
とうなる苦悶の表情がとくにファンにうけておられると思います。
東映時代はいわゆる大部屋俳優さんから頭角を現し、その渋い演技がスタッフの目を引き脇役俳優さんとして活躍されておられました。時代劇俳優さんでおられることから剣術なども良く学ばれて立ち回りのカメラ映りも秀でておられると感じます。
さて、和崎さんは72歳で癌でお亡くなりになったということは後々になってもファンに知らされずどちらかというとひっそりと人生の幕を引かれていったという感覚をぬぐい切れず、あたかも 武士道の名著 葉隠 にも通じる侍らしい最期を遂げられたと感じます。
ずっとお元気でいてほしかったというのはミラーマンのファンとしてもおそらく和崎さんの強いファンとしても切なる願いであったと痛感します。
右門の『逃亡者』を取り上げていただき、ありがとうございます(^o^)
まずはコメント読んでらっしゃる方へ あらすじを。
柳川藩の役人・原田左近(和崎さん)は、荷車に轢かれそうになった息子を救ってくれた卯之吉(柴田てる彦)と出会う。
卯之吉が、悪人の罠にはまり、無実の罪で逃亡しているのを知り、かくまってやる。 しかし、実は、卯之吉は隠れキリシタンであった。 心美しい卯之吉を役人に渡すことはできない。しかしキリシタンをかくまえば、主家に害が及ぶ。 主家への忠義と人道との板挟みになった原田は、卯之吉を逃がし、自害して果てるのであった。 右門も、哀しい結末をただ見届けるしかなかった。
この作品は、私が一番好きな和崎さんの時代劇です。
苦悶に満ちた和崎さんの表情。心に残ります。
(かわいそうな役・被害者役を演らせたらピカイチ(笑)の柴田てる彦さんも良い!)
ラストは観ている者も、右門と同じ哀しい気持ちになります。
息子の為にも、なんとか生きながらえる術はなかったのだろうか・・・と。
和崎さんの端正なお顔立ちと重厚な雰囲気が、こういう悲劇的なストーリー
をさらに盛り上げていると言えますね。
本物の武士の様な和崎さんの佇まいが、素晴らしいと思いました。
ミラーマンの村上チーフにみられるリーダーとしての貫禄、使命感の強さ、部下を思いやる優しさ、これらは和崎さんでしか演じられないと思っています。(藤本武や京太郎を束ねつつ、御手洗博士からも信頼されて・・・大変やな~)
「葉隠」と、よしひろさんがおっしゃるように、最期は孤高の武士が静かに去っていくように(ファンの前から)逝かれました。
生前に、工藤先生、石田さんと三人で【ミラーマン・ファンミーティング】なんてやってもらいたかったですね・・・
和崎さんは葛藤のシーンがなんとも絶妙でしたね。素顔のご本人は葛藤とあまり縁のないような御性格といっては失礼かもしれませんがそんな感じをうけます。
和崎さんは侍姿がよくお似合いと言う点はPOINTGETされているところで多くのファンを魅了しているところでしょう。
その点工藤先生は侍役から三枚目の町人役、ボクサー役など実に幅広いキャラで万人受けされるアドバンテージをお持ちで、考えてみればミラーマンはすばらしいキャスティングだったのだと痛感します。
来年はミラーマン50周年で石田信之さんが昨年旅立たれた中、いまでもご活躍の工藤先生に澤井孝子さんと連絡とれないかどうか相談してみますね!
ありがとうございました。