「RAP食」をザックリと説明するなら・・「腸内細菌叢のバランスを壊す様な食品・薬品を摂取しないことを前提に、油炒め・天ぷら抜きの古典的な日本食で、脂質が多い魚や肉などを控え、脂質が少ない魚や肉を多く摂取。そしてマクロファージの貪食能を高めるために、野菜たっぷりの野菜ごった煮味噌汁を毎日1~2回食べ、高品質トコロテンの130gを毎日2回食べ、塩無添加煮干しを毎日10~15g食べる」です。(2022年8月:根本的に修正が必要でした。詳細は後述)
動脈硬化を治せるRAP食と、治せないまたは進行を食い止められない食事療法との違いは・・直接プラークを観察できる科学技術を羅針盤にしているか、旧来手法である疫学調査を羅針盤にしているか、の違いです。
追記:2015年5月18日
<魚をフライパンで焼いた時の残り汁の魚油は危険です>
4月に・・脂の多い魚にはご注意を!・・との記事を掲載しましたが、青魚の脂はいい脂とテレビで聞いたので・・アジやサンマなど魚を・・焦げないフライパンで焼いたときに出る・・汁がもったいないのでと・・1年間も・・その出汁を週に3日程度は野菜炒めとして・・また・・週に3日は「肉じゃが」の味付けとして・・つまり・・魚の焼き汁をほぼ毎日口にしていた人のプラークは明らかに(1.47→1.47→1.50→1.60mmへと)悪化しました。
魚は網で焼きましょう。焼くときにしたたり落ちる・・あの油・・下の受け皿に落ちて・・へばりつきますね・・酸化したその油は食べてはいけません。
魚や肉を頻繁に焼くと・・換気扇が油汚れしませんか?揚げ物料理をする台所の換気扇も油汚れがすごいです。加熱・酸化した微粒子の油は・・見えないけれど・・超微粒子となって・・煙や蒸気と共に空中に舞い上がり・・換気扇が汚れる・・ということは・・料理をする際は・・自分も超微粒子の油を肺の中へ吸い込んでいることになります。焦げた微粒子の油・・肺がんの原因物質にならないのか?・・心配です。
そこで調べました・・私の予感は大当たりです。JACC studyという日本の大規模コホート研究で「肺がんとの食習慣の研究」の項目を 小笹晃太郎先生が報告されています。
結果:女性でハム・ソーセージ・レバー・揚げ物をよく食べる人が肺がんで死亡しやすい。男性ではこの関係は認められない。
同じ脂肪豊富な食べ物を食べて男女差があるのが判らない・・との考察ですが・・
私の推論は・・「女性がハム・ソーセージ・レバーの油炒めを調理し、その脂が液体になり高熱で気化し・・その噴煙・蒸気を吸い込むためと考えます。揚げ物・天ぷら類も男性・子供達は食べるだけ・・調理する際に発生する微粒子の気化した酸化油が女性の肺がんを発生させていると考えるのが妥当です。・・
女性の方・・油炒め、ハム、ソーセージ炒め、てんぷら・揚げ物調理時は・・・必ずマスクを付けましょう。・でも・調理しなければ・・・食べなければ肺がんにもなりにくいのです。
たばこを吸わないでも・・気化・酸化した油を吸えば・・肺がんになりやすい(私の仮説)。
<エゴマ油・ココナッツオイルなど・・生でも摂取は控えましょう>
テレビの影響で認知症予防の為にと・・5ヶ月間の間・・エゴマ油とココナッツオイルを1週間毎に交互に毎日ドレッシングにかけて食べたり、スープに垂らして食した人のプラークが明らかに悪化しました。
エゴマ油とココナッツオイルを使用しない時期はプラークが改善中だったので残念です。
健康にいい成分の研究はお金になるのでよく研究されて・・知られていますが・・健康に悪い成分を研究してもお金にならないので・・学者もご存じではありません。全ての食用油にはいい成分も悪い成分も含まれていると考えるのが自然です。くれぐれもご注意下さい。
追記:2015年7月6日
<魚の無意識・意識的過食にはご注意を>
3月末より・・患者さん方に・・脂の乗った魚の過食をしないようにと注意していましたが・・3ヶ月経過して・・4人もその効果が現れました。1例は3年間もプラークの改善がなかった頸動脈プラーク:2.33mmが・・いきなり・・3ヶ月で・2.05mmへ・・0.25mmもプラーク肥厚が低下しました。ブリやハマチのカマの塩焼きをしばしば好んで食べていましたが、いわゆる白身魚(脂少なめ)に変えたとのこと。
集団での魚の過食の影響を、動脈硬化の未来塾45)として掲載致しました。ご覧下さい。
また、食生活が動脈硬化の・・真の原因である・・という真実に・・初めて気付いたDrと思われる近藤正二先生の書籍・・「長寿村と短命村」・・ぜひ御一読下さい。
<魚や肉の過食後には必ず野菜のごった煮です>
近藤正二先生のお言葉に「肉・魚を大食することが心臓疾患を引き起こす大きな原因となっているが、島の海女のように、たとえ魚を食べていても野菜多食の習慣があれば長生きは可能なのです」
この言葉に従い、食習慣アンケートとプラークのデータを解析すると・・・恐ろしいほどに・・
その言葉を裏付ける結果が出ました・・・結果は本日、動脈硬化の未来塾45)に掲載しましたが・・
野菜を多食していれば・・魚を多食していても・・プラーク堆積は起こりません・・魚を普通に食べ・・野菜を普通に食べている人と・・ほとんど同じ位の・・血管の汚れ方(プラークの程度)なのです。
なお、野菜ジュースは2023年9月19日現在では、継続しての飲用としては推奨していませんのでご注意ください(後述)。
<動脈硬化に効く薬は?と良く聞かれます・・・>
もしそんな都合の良い薬があったら・・アメリカの元大統領:クリントン氏が冠動脈ステント治療など・・受ける状態になるはずがありません。
でも・・私が創るなら・・
・・それは・・「酒・揚げ物・油炒め・霜降り肉・菓子パンを嫌いにさせる薬です」・・嫌酒薬は存在しますから・・「嫌油脂薬」「嫌菓子パン薬」etc・・を創薬してはどうでしょう。
スタチン剤・降圧剤・血糖降下剤はそれらのいずれにも該当しませんので・・抗動脈硬化(脳梗塞・心筋梗塞の予防)の効果は・・どう考えても・・期待できません。
<たまたま観たテレビで・・責任を感じます・・・>
昨日のテレビで・・「終電に乗り遅れた女性の家に行ったら・」・・・・優しい父は脳梗塞で半身不随・・本人:娘は29歳になり・常勤や結婚の夢も消えようとして・・夢は?の質問に・・「父の最後に・・父に感謝してもらえること」・・涙・・された人も多いのでは。せめて2回目の脳梗塞が無いように。
男性の離婚者・単身赴任者の食生活は・・プラーク堆積しやすいです・・特にご注意下さい。
世の中のお父さん!「アルコール多飲・肉・揚げ物・油炒め・菓子パンを控え・魚の過食に注意しましょう」 そうしないと・・自分と・・子供の・・孝行娘の・・「幸せ」「夢」まで・・あなたは奪うことになるのです・・・病院の薬のみ・・では・・決して脳梗塞を予防できません。
2015年9月7日-追記
<甘酒の多飲・頻回食は止めましょう・・・>
2015年2月22日追記の「甘酒」に関する記事を削除しました。毎日100cc以上を飲用していた5人中1人のプラークがやや悪化しました。
2022年10月5日現在:甘酒はRAP食の推奨食品ではありません。少量(30cc)でも毎日摂取は推奨できません。
<トマトを頻繁に食べましょう>
アミノ酸サプリより・・トマトを食べてはいかがでしょう。・・・"ニンヒドリン反応"・・知っていますか?
中学生の理科の実験で使われます・・指紋検出にも使われるアミノ酸検出反応です。
左は濾紙にミニトマトの汁を垂らして、乾燥させた後に、ニンヒドリン液を滴下して反応を見たものです。濾紙の中央の黒い斑点はトマトの種。・・この結果から・・トマトには非常に多量のアミノ酸が含まれていることが確認されました。おまけに抗酸化物質も含有。
・・つまり・・アミノ酸は蛋白質の直接的な原料ですから・・
トマトを食べても筋肉になるのです。野菜の葉で実験をしていませんが、おそらく・・アミノ酸が含まれているでしょう。 ・・草食動物が草を食べて筋肉質の身体になる秘密はアミノ酸なのです。患者さんからよく・・サプリのプロテイン摂取はいいか?質問されますが・・基本的には、竹輪(蒲鉾など)+卵白+塩無添加いりこ(塩無添加の食べる小魚)などからプロテインを摂取すべきです(2020年7月に修正)。どうしても摂取したいなら、植物由来にしましょう。牛乳由来のホエイプロテインは控えましょう。
当院HPの「動脈硬化の未来塾」にまだ掲載していませんが・・"野菜大好きな人"は・・"野菜が嫌いまたは普通の人"よりも・・血管プラーク年齢が10歳以上も若く、肉や揚げ物大好きでも・・野菜大好きなら・・プラークの肥厚が・・約10年分も抑制されていました。(書籍で詳しく解説)
<当院ではトコロテンをお勧めしています・・・>
海藻に含まれているフコイダンのマクロファージ活性化・抗炎症作用などを期待して、慢性肝炎、肝硬変、肝臓ガンの患者さん方にお勧めしていました。
ガン細胞を食べるのも・血管プラークを食べてくれるのもマクロファージです。
私自身が6年間も・・週に5個(土日以外)・・2017年以降は1日に300gを食べている製品は「崎永商店」のアゴ酢醤油だしのトコロテンです。
これは、味・量(小サイズ)・食感などを考慮して選択致しましたが・・プラークがたっぷり溜まっている方は・・冬でも毎日2個(150gx2=300g)をお勧めします。(毎日1個をお勧めしていた時期もありますが・・。
(2022年8月現在:鹿児島で製造の高品質な「やみつきトコロテン」130gを毎日2個いただいています。詳細は後述)
(ガン治療中・再発予防なら毎日の摂取がお勧め)
なお、海藻類の多食(ヨードを多く含むコンブなどの摂取過多)により、まれに甲状腺機能亢進症(動悸など)や機能低下症("むくみ"など)になったと思われる事例の報告がありますので、注意が必要です。なお、トコロテンのヨウ素含有量はコンブに比して極めて少なく、普通の魚並みです。
また、カリウム含有量も極めて少なく慢性腎不全や、透析中の方も摂取可能です。
当院において・・慢性肝炎や肝硬変、肝癌の方など・・このトコロテンを多数の方が毎日食べられていましたが・・甲状腺機能異常を来した方の経験は・・今のところ・・ありません。
#:甲状腺機能異常がある場合は主治医にご相談を なお、最近の甲状腺専門医の先生は海藻類の摂取制限はあまりされていないようです。
<オリーブオイル・ココナッツオイル・エゴマ油・亜麻仁油・などに注意・・>
最近、動脈硬化の未来塾48)として掲載しましたが、これらの油摂取で・・プラークが肥厚する場合が数多くの事例でありますのでご注意下さい。
テレビで勧める健康食品は・・血管プラークに対する影響に関しては・・ほとんど考慮されていません。
甲状腺機能亢進症や機能低下症と違って、プラークがたっぷり溜まっても・・脳梗塞や心筋梗塞になられて・・倒れるまでは・・決して自覚症状には表れませんので・・ご注意下さい。
2015年11月30日-追記
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