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部下を惹きつけるプレイングマネジャーとは

2013年09月04日 | 日記

部下を惹きつけるプレイングマネジャーとは

ITmedia エンタープライズ 9月4日(水)8時50分配信

 前回までの連載で、プレイングマネジャーとして、変化の激しい時代に対応するために、自分がマネジメントをする組織をどうしていきたいのかという、意志となるビジョンの重要性を述べた。また、そのビジョンは、以下3つのポイントが合致しているかどうかについて触れてきた。

(1)対上(周囲から求めらること)の観点

上から与えられた目標ではなく、自分の頭で考え抜いたビジョンであるかどうか

(2)対下(部下への伝達)という観点

部下にやるべきことを伝えるではなく、部下の力を引き出すビジョンであるかどうか

(3)自分という観点

やらねばならないビジョンではなく、自分が成し遂げたいビジョンであるかどうか

 今回は、(2)対下(部下への伝達)(3)自分という観点でさらに詳しく考えていきたい。

●周りの人の力を引き出すアプローチとは

 以前、ある会社の40代~50代のマネジャー数十人に対して、育成プログラムで3日間一緒に過ごす機会があった。多数の優秀なマネジャーがいたが、その後しばらくして高評価で昇進したのは、最年少のマネジャーAさんであった。

 3日間の育成プログラム時のAさんを思い出すと、他のチームの議論がバラバラな中で、彼が参加しているチームはいつも盛り上がっていた。では、他とは何が違うのかというと、どのような議論においても、Aさんが主体的に意見を提示し、自然に皆で目指す方向性を合意していた。

 例えば、問題ある部署のケーススタディーを議論する際は「この部署は、他とは違い○○な価値を提供する△△分野でNo.1な部署でありたいよね」と提示し、さまざまな論点で議論をする。また、チーム内で相互にフィードバックをしあう時には、最初に皆の意見を引き出し「せっかくの機会だから、どこよりもきちんと指摘しあい今後につながる場にしよう」というような方向性を打ち出す。こうして、賛同したチームメンバー皆で真剣に活気ある場を作り上げる。後で聞いた話であるが、Aさんは職場でも同じように部下の力をグイグイ引き出し、活気ある成果が出る職場を作っているようだ。

●答えるべき3つのWhy

 では、部下の力を引き出すビジョンにはどのような特徴があるのか。それは、何を行うのか(What)だけでなく、なぜ行うのか(Why)に重点を置いてビジョンが語られているかどうかだ。では、どのようなWhyを押さえる必要があるのかというと以下の3つである。

 まず1つ目は、この場にいるWhy。ビジョンを語る際に、相手が「聞きたい」と思っているかどうかだ。アップル社の創業者であるスティーブ・ジョブズについて書かれた「スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン」において、人を惹きつける法則の一つに「聞き手は"なぜ気にかける必要があるのか"と必ず自問している。まずこの問いかけに答えてあげれば、聴衆者を話に惹きこむことができる」とある。

 人はどうしても「相手は聞いてくれるもの」という前提に立ってしまうものである。特に役職者にその傾向がある。しかし、聞き手を惹きつけるためには、早い段階で「(聞き手である)部下たちが最近感じている問題意識に触れる」「部下たちが目指している思いと関連付ける」というような相手に聞く必要性を喚起するということが重要だ。そのためには、日ごろから部下の意見を引き出し、部下を理解し、ビジョンが部下にとって意味があるものかを考えていることが大事である。

 2つ目は、この仕事に対するWhy。「そもそも何のため」という一段上の視点からビジョンを語っているかどうかだ。一方で、ただ、夢物語であっても心からは共感しにくい。一段上の目的を押さえ、聞き手にとって理解できる言葉に落とし込んで語っているかが大事である。先ほどのAさんの事例でも、例えば、一段上から「部署が提供している価値」に改めて触れ、その上で「○○な価値を提供する△△分野でのNo.1」というような相手が分かりやすい言葉に落とし込んで語っている。

 3つ目は、達成することに対するWhy。目指すべきビジョンを語るだけでなく、そのビジョンが達成した時どのような状態であるかを語っているかどうかだ。それは、頭で理解、納得できる論理があるとともに、その時自分たちがどのように感じるかを聞き手が想像できることも重要だ。顧客から喜ばれている情景、全員で充実感に浸っている情景、これからの自分にやりがいと期待を感じている情景。そういった想像によって、聞き手である部下がワクワク出来るとさらに良い。

 部下にやるべきことを伝えるのではなく、部下の力を引き出すビジョンであるかどうか。人を動かし、部下の力を引き出すマネジャーは、時間が限られていたとしても、上記3つを自然に伝えている。皆さんがビジョンを語る際も、対部下の観点として、上記3つを改めて考えてほしい。

●人を惹きつける前提として、そもそも自分は賛同しているのかどうか

 そつがなく周りから決して悪くは言われない40代のプレイングマネジャーBさんがいた。周りのメンバーが「ビジョンは掲げているが、Bさんは本当にマネジャーをやりたいのですか?」と質問すると、言葉が止まってしまった。「やらねばならない」という思いで日々行動し、そしてビジョンも掲げてみたが、自ら「したい」というような思いが全く含まれておらず、何も言い返すことができなくなっていた。

 このような人は多い。目指すべきビジョンを書くときに与えられた目標を書いたり、どこの部署でも通用しそうな標語のようなものを書いたりするような人だ。責任感が強く、まじめな人に多い傾向である。しかし、「やらねばならない」で描いたビジョンは、周りだけでなく自分自身を動機づけることも難しい。

 野田智義・金井壽宏著「リーダーシップの旅」では、リーダーになっていくプロセスには3つの段階があり「"リード・ザ・セルフ(自らをリードする)"を起点とし、"リード・ザ・ピープル(人々をリードする)"、さらには"リード・ザ・ソサエティ(社会をリードする)」"へと段階を踏んで変化していく」とある。目指すべき方向性であるビジョンに対して、まず自分が前に進んでいると、いつの間にか振り返ると人がついてきているという状態なのだ。人が動きたいか動きたくないかの前に、まずは自分が動きたいと思い、前に進むことこそが、リーダーシップを発揮する上で大事なのである。

●やらねばならないビジョンではなく、自分が成し遂げたいビジョンを描く

 「やらねばならない」ではないビジョンを描くためには、以下2つが大事である。

 まず1つ目としては、自らが何を大事にして仕事をしているのかを認識し、それにそったビジョンであるかどうかを考えて欲しい。例えば、「創造(新たなものを創りだす)」を大事にして仕事をしている人であるならば、そのビジョンには「創造」ができる可能性があるのかということである。また、「人とのつながり」を大事にして仕事をしている人であるならば、そのビジョンには、部署内外の人とのつながりが促進されるような内容になっているのかということだ。

 ビジョンを描くために、自ら働く上で、マネジャーとして大事にしている信念を見つめてほしい。信念が含まれると、ビジョンに自分の色が出てくるだろう。

 2つ目としては、自らの役割や制約条件にとらわれ過ぎずに「自分自身はこの部署全体で、どのような価値を提供していきたいのか」「自分自身は、どのような組織状態で働きたいと思っているのか」を考えてほしい。「やらねばならない」をすべて外してみた時に、自分が本当に「したい」ことが現れる。それを見つめることで、改めて自組織のビジョンを見てほしい。そして、自分自身が動きたいビジョン、すなわち、自分が成し遂げたいビジョンを描いてほしい。

 前回と今回を通じて、プレイングマネジャーとして現状を打破するために、ビジョンを描く3つのポイントについて述べた。次回は、これらのビジョンをもとに「やるべきこととやらないことを決断する」について詳しく考えていきたい。【上林 周平】

(ITmedia エグゼクティブ)



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