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「ノアの箱舟」計画 国際宇宙ステーションで実施

2013年10月06日 | 日記

「ノアの箱舟」計画 国際宇宙ステーションで実施

THE PAGE 10月6日(日)20時32分配信

地球滅亡の危機に備えた実験

 地球滅亡の危機に備え、人類を含めた生物種の宇宙への脱出を――という将来の「ノアの箱舟」計画の可能性を見極める実験が、今年8月から国際宇宙ステーションの日本の実験棟「きぼう」で行われている。マウスの精子を凍結乾燥させた“フリーズドライ精子”を使って宇宙放射線などの影響を調べるもので、精子は宇宙に最長で2年間保管し、地上に戻って来たら卵子と人工授精させるという。

宇宙環境で子孫を残せるか

 この実験は、山梨大学生命環境学部の若山照彦教授らが提案した「ほ乳類の繁殖における宇宙環境の影響」をテーマとする「スペース・パップ(Space Pup)実験」。“スペース・パップ”とは「宇宙の子」という意味だ。

 宇宙空間での生殖研究はこれまで、スペースシャトル(1994年)に乗った向井千秋さんによるメダカの受精・ふ化実験など、魚類や両生類で盛んに行われ、宇宙環境でも問題なく子孫を残せることが確かめられているが、ほ乳類での受精や発生の研究はほとんど行われていない。ほ乳類は環境の変化に敏感で、宇宙に運んでも交尾をしない可能性が高いからだ。実際、1979年にはロシア(当時ソ連)が衛星「コスモス1129」でラットの繁殖を試みたが、宇宙どころか地上での比較実験でも繁殖行動をせず、失敗に終わった。

 ほ乳類の成体の代わりに卵子や精子、受精卵などを使う方法もあるが、これらの細胞は小さすぎるために、宇宙飛行士が微小重力環境で顕微鏡を操作するのは難しい。何よりも、体外受精させた受精卵の培養可能期間は4、5日間しかなく、ロケット打ち上げ前からの準備から宇宙ステーションへの到達、実験棟への運び込み、実験開始までの間に死んでしまう。卵子や精子は液体窒素(マイナス196℃)を補充しつつ長期間の冷凍保存はできるが、宇宙用の冷凍庫の温度では「溶けてしまう」。

”フリーズドライ精子”で実験

 そこで若山さんらが計画したのが“フリーズドライ精子”だ。若山さんは、ハワイ大学医学部の柳町隆造教授のもとで不妊精子の研究をしていた1998年、核を抜いた未授精卵の中に体細胞の核をガラス細管で移植する「ホノルル法」(現在、定番となっている同じ遺伝子をもった“コピー生物”を作るクローン技術)を考案し、世界初のクローン・マウスを作った。さらに同年に成功したのが、マウスの精子のフリーズドライと、その精子を水で戻して卵子内に注入し、子マウスを誕生させる技術だ。フリーズドライの精子ならば、普通の室温で1カ月程度はもち、マイナス80℃以下であれば半永久的に保存できるという。

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