大手企業のIT幹部が2011年に受け取った給与は、どの業種が最も高かったのだろうか? 大手企業のIT部門で上級および中間管理職を務める幹部らを対象に米TechTargetが実施した年次調査「IT Salary and Career Survey」によると、平均給与が突出していたのは以下の4つの業種だ。
・航空宇宙/防衛産業
・ビジネスサービス/コンサルティング(非IT関連)
・製造(IT関連)
・研究開発
これら4つの業種では、IT幹部の3分の1が21万ドル以上の年収を受け取っている。一方、金融サービス業界は2011年の調査では7位に後退し、年収が21万ドル以上のIT幹部は21%となっている。2010年の調査では、金融サービス業界のIT幹部は27%が21万ドル以上の年収を受け取っていた。この業界にもついに景気後退の影響が及んできたということなのだろう。IT幹部の平均給与が最も低かったのは2年連続で教育業界となっている。この業界では年収9万ドル以下のIT幹部が4分の1~3分の1を占めた。
2011年にIT幹部の平均給与が大幅にアップしたのはヘルスケア業界だ(業種別平均年収の表を参照のこと)。2011年の業種別平均年収ランキングにおいて、「医療/ヘルスケア/医薬/バイオテクノロジー」の分野は金融サービスセクタと同じく7位に付けており、年収21万ドル以上のIT幹部が21%だったのに対し、年収9万ドル以下のIT幹部は9%と比較的少なくなっている。これは2010年とは正反対の結果だ。2010年の調査では、この業界の順位は下から2番目で、年収が21万ドル以上のIT幹部は9%にとどまっていた。
この年次調査は米TechTarget下のWebサイト、SearchCIO.comとSearchCIO-Midmarket.comの読者を対象に2011年11月に実施したもの。世界の32業種にわたる企業のIT幹部とIT従事者から1700件以上の回答が寄せられた。ランキングは全業種の上級および中間管理職レベルのIT幹部からの回答に基づいて作成された。年収レベルは「21万ドル以上」の高所得者層、「9万~21万ドル」の中所得者層、「9万ドル以下」の低所得者層に分類されている。
※関連記事:2011年はCIOの年収がダウン──CIOの適正年収は?
→http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1202/06/news03.html
●2012年の業種別給与動向
2012年の給与について、昇給とボーナス支給を確信しているIT幹部が多かったのは「法律/保険/不動産」セクタだ。これらの業種では、実に80%ものIT幹部が「2012年には昇給とボーナス支給を期待できる」と答えている。
ただし昇給とボーナス支給を予想しているIT幹部が50%以上に上った業種は他にも多数ある。「航空宇宙/防衛産業、ビジネスサービス/コンサルティング(非IT関連)」「エンターテインメント」「製造(非IT関連)」「金融サービス」「技術サービスプロバイダー、卸売/小売業(非IT関連)」などの業種だ。
一方、「政府機関」に勤務するIT幹部は昇給を期待できないようだ。このセクタでは昇給とボーナス支給を期待しているIT幹部が7%にとどまった一方で、5%のIT幹部が減給を予想している。
※関連記事:昇給ゼロ時代にITスタッフのモチベーションを維持向上させるには
→http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1004/05/news01.html
●業種別の仕事満足度
仕事満足度の面では、「自分の仕事に満足している」と答えたIT幹部が最も多かったのは「エネルギー/公益事業」「と建設/鉱山/農業」のセクタだ。これら2つの業界では、約3分の1の回答者が「自分の仕事に非常に満足している」と答えている。
■業種別平均年収
業種セクタ平均年収
医療/ヘルスケア/医薬/バイオテクノロジー13万2987ドル
金融サービス12万8569ドル
製造(非IT関連)12万7911ドル
卸売/小売業(非IT関連)12万2336ドル
教育11万2691ドル
政府機関11万0131ドル
だが一方では、悲観的な意見が目立った業種も少なくない。「自動車/輸送」「政府機関」「研究開発」の3分野では、それぞれ半数以上のIT幹部が「自分の仕事に幾分不満」か「全く満足していない」と答えている。さらにその上、この調査ではほぼ全ての業種において(22業種中15業種)、30%以上の回答者が自分の仕事に「全く満足していない」か「幾分不満」と答えている。
IT幹部として豊富な経験を有するホセ・ボット氏の場合──同氏は2011年にはマイアミに拠点を置くグローバル金融サービス企業で暫定CIOを務め、高い報酬を受け取っている──、仕事に対して感じた不満はいずれも給与や業種とは無関係のものだったという。同氏によれば、金融サービスは目まぐるしく変化する多面的な業界であり、CIOにとっては恐らく最もやりがいを感じることのできる業種だ。その代わり、IT幹部にはITならではのフラストレーションがあるという。「今日のCIOは皆、社内のソリューションだけでなく、アウトソースソリューションやクラウドソリューションなど、複数のソースから構成されるIT環境の管理に悪戦苦闘している」と同氏。IT部門はまだ、こうしたマルチソース環境に対処できるほど十分迅速には進化していないのだ。「いまだにITスタッフが自分のことをスペシャリストだと思っているようなグローバル企業も中にはある。だがわれわれに本当に必要なのは、プロジェクトとプログラムの堅実なマネジメントスキルを備えた人材だ」と同氏は続けている。
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・航空宇宙/防衛産業
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・製造(IT関連)
・研究開発
これら4つの業種では、IT幹部の3分の1が21万ドル以上の年収を受け取っている。一方、金融サービス業界は2011年の調査では7位に後退し、年収が21万ドル以上のIT幹部は21%となっている。2010年の調査では、金融サービス業界のIT幹部は27%が21万ドル以上の年収を受け取っていた。この業界にもついに景気後退の影響が及んできたということなのだろう。IT幹部の平均給与が最も低かったのは2年連続で教育業界となっている。この業界では年収9万ドル以下のIT幹部が4分の1~3分の1を占めた。
2011年にIT幹部の平均給与が大幅にアップしたのはヘルスケア業界だ(業種別平均年収の表を参照のこと)。2011年の業種別平均年収ランキングにおいて、「医療/ヘルスケア/医薬/バイオテクノロジー」の分野は金融サービスセクタと同じく7位に付けており、年収21万ドル以上のIT幹部が21%だったのに対し、年収9万ドル以下のIT幹部は9%と比較的少なくなっている。これは2010年とは正反対の結果だ。2010年の調査では、この業界の順位は下から2番目で、年収が21万ドル以上のIT幹部は9%にとどまっていた。
この年次調査は米TechTarget下のWebサイト、SearchCIO.comとSearchCIO-Midmarket.comの読者を対象に2011年11月に実施したもの。世界の32業種にわたる企業のIT幹部とIT従事者から1700件以上の回答が寄せられた。ランキングは全業種の上級および中間管理職レベルのIT幹部からの回答に基づいて作成された。年収レベルは「21万ドル以上」の高所得者層、「9万~21万ドル」の中所得者層、「9万ドル以下」の低所得者層に分類されている。
※関連記事:2011年はCIOの年収がダウン──CIOの適正年収は?
→http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1202/06/news03.html
●2012年の業種別給与動向
2012年の給与について、昇給とボーナス支給を確信しているIT幹部が多かったのは「法律/保険/不動産」セクタだ。これらの業種では、実に80%ものIT幹部が「2012年には昇給とボーナス支給を期待できる」と答えている。
ただし昇給とボーナス支給を予想しているIT幹部が50%以上に上った業種は他にも多数ある。「航空宇宙/防衛産業、ビジネスサービス/コンサルティング(非IT関連)」「エンターテインメント」「製造(非IT関連)」「金融サービス」「技術サービスプロバイダー、卸売/小売業(非IT関連)」などの業種だ。
一方、「政府機関」に勤務するIT幹部は昇給を期待できないようだ。このセクタでは昇給とボーナス支給を期待しているIT幹部が7%にとどまった一方で、5%のIT幹部が減給を予想している。
※関連記事:昇給ゼロ時代にITスタッフのモチベーションを維持向上させるには
→http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1004/05/news01.html
●業種別の仕事満足度
仕事満足度の面では、「自分の仕事に満足している」と答えたIT幹部が最も多かったのは「エネルギー/公益事業」「と建設/鉱山/農業」のセクタだ。これら2つの業界では、約3分の1の回答者が「自分の仕事に非常に満足している」と答えている。
■業種別平均年収
業種セクタ平均年収
医療/ヘルスケア/医薬/バイオテクノロジー13万2987ドル
金融サービス12万8569ドル
製造(非IT関連)12万7911ドル
卸売/小売業(非IT関連)12万2336ドル
教育11万2691ドル
政府機関11万0131ドル
だが一方では、悲観的な意見が目立った業種も少なくない。「自動車/輸送」「政府機関」「研究開発」の3分野では、それぞれ半数以上のIT幹部が「自分の仕事に幾分不満」か「全く満足していない」と答えている。さらにその上、この調査ではほぼ全ての業種において(22業種中15業種)、30%以上の回答者が自分の仕事に「全く満足していない」か「幾分不満」と答えている。
IT幹部として豊富な経験を有するホセ・ボット氏の場合──同氏は2011年にはマイアミに拠点を置くグローバル金融サービス企業で暫定CIOを務め、高い報酬を受け取っている──、仕事に対して感じた不満はいずれも給与や業種とは無関係のものだったという。同氏によれば、金融サービスは目まぐるしく変化する多面的な業界であり、CIOにとっては恐らく最もやりがいを感じることのできる業種だ。その代わり、IT幹部にはITならではのフラストレーションがあるという。「今日のCIOは皆、社内のソリューションだけでなく、アウトソースソリューションやクラウドソリューションなど、複数のソースから構成されるIT環境の管理に悪戦苦闘している」と同氏。IT部門はまだ、こうしたマルチソース環境に対処できるほど十分迅速には進化していないのだ。「いまだにITスタッフが自分のことをスペシャリストだと思っているようなグローバル企業も中にはある。だがわれわれに本当に必要なのは、プロジェクトとプログラムの堅実なマネジメントスキルを備えた人材だ」と同氏は続けている。
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