レアアース泥 インド洋で発見 東大研究チーム
エコノミックニュース 5月26日(日)18時29分配信
今世界的に不足している、ハイテク製品に不可欠な、レアアース(希土類)が、インド洋東部で、日本の東京大学、加藤泰浩(地球資源学)らの研究チームが発見された。
このレアアース泥が太平洋以外で見つかったのは、今回の発見が初めてだ。これで世界の海洋に、広く存在する可能性が高くなったといえよう。
これまで、海底のレアアース泥は、同チームが、日本の排他的経済水域(EEZ)内の南鳥島沖などで発見、資源化を目指している。
新たに見つかったのは、インドネシア・ジャカルタ西方沖約1千キロのオーストラリア領周辺海域だ。国際共同研究などで採掘された削減試料を分析したところ、水深5600mの海底下75~120mの場所に、最高1113ppm、平均約700ppmのレアアースを含む泥の量があることが判明した。
レアアース泥は、地下深部のマントルが上昇する、中央海嶺から噴出する。酸化鉄などが海水中のレアアースを吸収し、周辺に堆積して形成される。
発見場所では、中央インド洋海嶺などの活動に伴い、堆積したとみられる。今回の発見は、レアアースの世界産出量の9割を占める中国に、大きな打撃を与えるだろう。
レアアース輸入国では、世界一の日本、年間消費量も2万7000トン、その内の80%を中国に頼っているのが現状だ。
また、現在国際市場で、闇取引されているレアアースは、年間2万~3万トンと言われており、価格面でも年々高くなる一方だ。日本は、数量の確保のめどが立ってない状況だ
こうした事情に、中国以外からのレアアースの確保が不可欠だった。そんな中の今回の発見である。
日本と中国は、尖閣諸島問題などで、冷え切っており、これまで中国に頼っていたレアアースを他から確保できるとなれば、大変なメリットになろう。こうした資源が発見されれば、中国の影響力が将来的に弱まる可能性がある。(編集担当:犬藤直也)
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