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宇宙誕生は138億年前=星や銀河の物質は4.9%―欧州衛星が精密観測

2013年03月23日 | 日記

宇宙誕生は138億年前=星や銀河の物質は4.9%―欧州衛星が精密観測

時事通信 3月23日(土)18時12分配信

 宇宙がビッグバンで誕生したのは従来の推定よりやや古い138億2000万年前で、星や銀河などを構成する通常の物質の割合も推定より若干多い4.9%の可能性が高いことが分かった。欧州宇宙機関(ESA)が2009年に打ち上げた天文衛星「プランク」で宇宙全体から一様に届く電波「宇宙背景放射」を精密に観測、分析した成果として発表した。
 宇宙は誕生した頃には非常に熱く、密度が高かったが、その後膨張して冷え、現在は絶対温度2.7度(セ氏零下270.4度)まで下がった。この温度は短い波長のマイクロ波として観測でき、宇宙の方向による微妙なむらを分析すると、宇宙の膨張ペースなどが分かる。
 米航空宇宙局(NASA)が01年に打ち上げた「WMAP」の観測では、宇宙誕生は137億7000万年前と推定されたが、より高性能なプランクの観測により、膨張ペースが遅く、やや古かったことが分かった。
 宇宙全体の質量のうち、星や銀河、星間ガスなどとして存在する通常の物質の割合は、WMAP観測による4.6%から4.9%、謎の暗黒物質の割合は24.0%から26.8%に増えた。一方、正体不明の暗黒エネルギーの割合は71.4%から68.3%に減った。
 暗黒物質は現在、重力によってのみ観測でき、通常の物質を引き寄せて星や銀河を形成させたと考えられている。一方、暗黒エネルギーは宇宙の膨張を加速させているとみられ、ともに国内外の物理学者らが正体の解明に取り組んでいる。
 宇宙の温度のむらの分布はどの方向もほぼ一様とされていたが、プランクによる観測では、方向による違いが予測以上に大きいことも分かり、新しい宇宙理論につながると期待されている。
◇宇宙背景放射
 宇宙背景放射 宇宙誕生直後には熱かった温度が膨張して冷え、現在は宇宙全体から届くマイクロ波(波長の短い電波)として観測される。1965年、米国のペンジアス氏らが電波望遠鏡の「雑音」を調べていて発見し、78年のノーベル物理学賞を受賞。米航空宇宙局(NASA)のマザー氏らは宇宙背景放射を観測する最初の衛星「COBE」を89年に打ち上げ、絶対温度で2.7度(セ氏零下270.4度)と解明し、2006年の同賞を受賞した。 



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