著者は、プリンストン大学のブライアン・カーニハン教授です。プログラミング言語AWKの開発者の一人で、AWKの「K」はカーニハン教授のことです。
本書購入の記事は、
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その「教養としてのコンピューターサイエンス講義」ですが、正直、読み進めるのに難儀しました。翻訳書特有の日本語のぎこちなさもあり、馴染みのない技術書を読み砕くのは、それなりにむつかしいと感じます。
けど、結論から言うと、文句なくこの本はすばらしいと思います。コンピューター技術全般をくまなく、専門家向けではなく、一般人が理解できるように解説してくれています。ハードウェアからソフトウェア、さらにはネットワーク関係に至るまで、特定の分野に偏ることなく、幅広くコンピューター技術の全般の解説がされています。
このような専門知識を一般人にもわかりやすく伝えるには、伝える側に、相当にこなれた含蓄が必要です。何ら予備知識のない一般人に対し、専門用語を使って解説しても、技術の中身は伝わりません。専門分野の知識を、一般人にも分かるようにかみ砕いて伝えることは非常にむつかしいことです。
本書はそれができています。
ブライアン・カーニハン教授のように、コンピューター技術全般を、借り物ではない自分自身の言葉で語ることができる人だからこそできることです。
しかもこの本は、なぜその技術が生まれたのか、背景や歴史にまでさかのぼった説明をしてくれています。背景事情まで紹介した上での説明だから、こむつかしい技術でも、興味をもって読むことができます。
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この本から学んだもの、得たものは多々あります。その収穫物については、いずれ、ブログの記事にしたいと思っています。
そのためにも、もう一度、最初から本書を読み直すことにしました。再読のために、なんと、本書の第2版を改めて購入しました。本書購入時にはすでに第2版が出ていたのに、出費をケチって初版を購入したのですが、結局、第2版を購入し直すことになりました。
第2版においては、3部構成から4部構成へと加筆がされていますが、それにとどまらず、随所で文章の表現ぶりが、より分かりやすく改訂されています。まぁ、初読では理解できなかった箇所が、再読だから理解できるというのも、幾分かはあるでしょうが。
結局、安くで買ったとはいえ、初版購入は余計な出費となりました。けど、初版と改訂版の双方を読み比べることができて、第2版はより読みやすくなっていることが分かりました。その意味では、必ずしも、全部が全部「無駄な出費」とまでは言い切れません。最初から第2版だけを読んでいたなら、文章表現の改訂ぶり、その工夫ぶりには気づくことができなかったわけですから。
2冊も買ったんだから、「無駄な出費だった。」と後悔しないよう、しっかり読み込んで自分の知識にしようという意欲が沸いてくる、そういう副次効果もありました。
◆ 教養としてのコンピューターサイエンス講義
それでは、また次の記事で
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