PC用のデータ格納デバイス(ストレージ)には、従前は
HDD(ハードディスクドライブ Hard Disk Drive)
を用いるのが主流でした。
最近では、これに代わり、
SSD(ソリッドステートドライブ Solid State Drive)
が急速に普及してきました。HDDに比べて、格段の高速データアクセスできるのが特徴です。
そのため、SSDを搭載したPCの体感速度は、
チョッパヤ(超速い)
となります。
OSやアプリケーションの起動時間が大幅に短縮されます。また、大容量データのファイル処理や編集もスムーズとなります。
PC起動のチョッパヤ、快適さを一度知ってしまったならば、もうHDDには戻れません。
そういうわけで、私が所有するたくさんのノートPCも、次から次にSSDへと換装していきました。通算すると、これまで10台近くの換装作業を行ったでしょうか。
SSD換装については、例えば
⇒ こちらの記事をご覧ください。
内蔵HDDのSSDへの換装に使用するのは、2.5インチ型のSSDです。2.5インチSSDは、HDDと同じ大きさ、形であり、しかも接続規格がHDDと同じSATA(シリアルATA)です。このため、HDDが格納されていた場所に、そっくりそのままSSDを入れることが可能です。このように、HDDからSSDへの交換には、2.5インチSSDを使用することになります。
【2】SSDの種類
2.5インチSSDも、SSDの一つですから、HDDに比べたらデータ転送速度は高速です。SSDへと換装したノートPCを初めて起動させたときには、OSの起動の速さに、皆、一様に驚きます。それぐらい高速です。
けれども、実は、上記の2.5インチSSDよりもさらに高速なSSDがあります。
そうです、高速なSSDの中でも、より高速なSSDがあるのです。
それは、
NVMe M.2(エヌブイエムイー エム・ドット・ツー)SSD
ってぇやつです。
【NVMe】(エヌ ブイ エム イー)とは、
「Non-Volatile Memory」(不揮発性メモリ)を使用したストレージのために最適化された通信プロトコルです。なお、プロトコルとは、異なるデバイスが通信する際の手順やルールのことです。
従来使われていたSATA接続規格(AHCIプロトコル)は転送速度の限界に達していたことから、SSDなどのストレージによる通信に最適化することを目的に作られました。そのNVMeにおいては、大幅に処理速度が高速化しています
NVMeには、PCI-Expressという接続規格が用いられます。PCI-Expressは拡張スロットの接続規格のことですが、NVMeにおいてはPCI-Express接続が使用されています。
【M.2】(エム ドット ツー)とは、
SSD接続端子の規格の名称です。
マザーボード上のスロットに直接取り付ける規格ですから、接続ケーブルは不要です。
2.5インチSSDが箱形である(平たい形ではあるものの、ある程度の厚みがある)のに対し、M.2 SSDは、薄い板状の形をしています。サイズが小さいことから、近年はM.2 SSDを採用するノートパソコンも増えてきました。
なお、ここで注意が必要です。
「M.2を採用したSSDは超高速である」と、一律に言うことはできない、ということです。
というのは、M.2 SSDの中には、SATA接続のM.2 SSDがあるからです。SATA接続のM.2 SSDの転送速度は、2.5インチSSDと同じです。
それはつまり、SSDの中でも飛切り(とびっきり)高速のSSDとは、「NVMeを採用したM.2 SSD」のことを指します。
【3】SSD購入前の準備
M.2 SSD を購入しようとするならば、事前準備として、M.2ソケットの空きがあるかを確認しておく必要があります。そもそも、PC内部にM.2ソケットそのものがなければ、M.2 SSDはあきらめて2.5インチSSDを選択するか、M.2スロット増設のためのボードを調達する、となります。M.2スロットの空きがあるのか、ないのか、それはマザーボードの仕様表を見れば判断できます。M.2 SSD の購入前に、マザーボードの仕様表を確認しておきましょう。
マザーボードの仕様表を見ると、M.2ソケットがSATA接続か、PCI-Express接続かも見分けることができます。 そして、PCI-Express接続の場合、そのPCI-Expressの世代(Gen3かGen4)も把握できます。さらに、対応するSSDのサイズや、レーン数も把握可能です。PCI-Expressの世代や、レーン数は、転送速度に直結します。
参考までに、私のメインPCのマザーボードの仕様表は、次のとおりです。
(BTOショップ ドスパラで購入のデスクトップ型PC)
これを見ると、次のことが分かります。
1 M.2 SSD を挿すことができるソケットは、合計3つ用意されている。
2 3つともPCI-Express接続に対応しており、
そのすべてが第4世代(Gen4)で、4レーンとなっている。
3 取り付け可能なSSDのサイズは、
2つのソケットは同じで、
1つのソケットだけは、110mmの長さにまで対応している。
3つのソケットのうち、1つはすでにシステムドライブ用(Cドライブ用)のSSDに使用しているので、残るソケット(利用可能なM.2ソケット)は2つです。どのソケットがすでに利用されているのか、PC内部を開けば、確認できます。
なお、上記の第3点目、SSDのサイズですが、現在Amazonなどで販売されているのは、ほぼ全部がType2280(横幅22mm、縦の長さ80mm)です。ノートPCやタブレット端末用として、特殊なサイズのものを調達するときにだけ注意すればよさそうです。
上記仕様表中に、「Key M」という表記がありますが、これは、M.2 SSDの端子の形状の1つです。M.2 SSDの端子の形状には、「M-Key」「B-Key」「B&M-Key」の3種類があります。
「B-Key」の転送プロトコルは「AHCI(SATA)」なのに対し、「M-Key」の転送プロトコルは「MVMe(PCIe)」となっています。当然、M-Keyが高速です。
【4】SSDの速度による順位付け
上記のとおり、一口に「SSD」と言ったって、
(1) PCI Express4.0のNVMe SSD
(2) PCI Express3.0のNVMe SSD
(3) SATA SSD
と大きく3種類があって、性能、速度も大きく異なります。
その順位付けをすると、
(1) > (2) > (3)
となります。
PCIe 4.0 SSDの性能は、
PCIe 3.0 SSDの約2倍です。
SATA SSDとの比較では、
読み出し約14倍、書き込み約10倍にも達します。
理論値ではありますが、PCIe 4.0 SSDの驚異的な速度が分かります。
なのに、もうすでに第5世代の PCIe 5.0 SSD の製品が出てくるまでになっています。
内蔵SSD、中でもNVMe(PCIe)SSDは、HDDと比較すると、少々割高ではあります。けれども、その快適さ、作業効率、生産性を考慮すると、価格差を十分に上回るメリットを享受できます。
しかも、SSDの価格が最近、安くなってきました。これはチャンスです。
もうすぐ始まるAmazonプライムデーのセール対象になっていればもちろん、セールの対象にならなくても、私はこの機会にPCIe 4.0 SSDを購入する予定でいます。
それでは、また次の記事で
■■■■ goosyun ■■■■
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