「セルの書式設定」ダイアログボックスの「表示形式」タブの分類で、「数値」を選ぶと「小数点以下の桁数」という設定項目が出てきます。この桁数に「0」を設定することで、小数点以下が出ないようにするというものです。
これでもできます。確かにできるのですが、ただ、注意すべきことがあります。この設定では、小数点以下第一位で四捨五入が行われる、という点です。このことを知らないと、私のように痛い目に遭います。
逆の言い方をすると、知って使う分には便利な機能です。
「小数点以下の桁数」の設定については、
⇒ こちらの記事をご覧ください。
では、「四捨五入」ではなく、単純に小数点以下の「切り捨て」は、どうすればよいのか。
いくつか方法はあるかもしれませんが、簡単なのは関数でしょう。
【1】 関数とは
関数とは、Excelであらかじめ定義された数式のことです。四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算、つまり加減乗除)では煩雑になってしまう数式を、ごく簡単に入力できる機能です。複雑な処理があらかじめ定義されているから、その処理に付けられた名前、つまり関数名を入力するだけで済みます。Linuxのコマンドと同様のものです。
また、四則演算ではできない処理をやってくれる関数もあります。非常に便利な機能です。
【2】 関数の決まりごと
関数を使った計算式には、次の3つの決まりがあります。
1 式の先頭に「=」(半角のイコール記号)を入力する。
2 関数名に続けて、引数を「( )」(半角かっこ)でくくる。
3 複数の引数が必要なときは、それぞれを「,」(半角のカンマ)で区切る。
2 関数名に続けて、引数を「( )」(半角かっこ)でくくる。
3 複数の引数が必要なときは、それぞれを「,」(半角のカンマ)で区切る。
引数(ひきすう)とは、関数が計算を行うために使う値のことで、文字列や数値、数式、セル参照などを入力します。
使用する引数の種類や並び順などの形式は関数によって決まっており、その形式は入力時にヒントとして出てきます。ですから、事細かに覚えておく必要はありません。
【3】 ROUNDDOWN関数
ROUNDDOWN関数は、端数を切り捨てて、指定した桁数にする関数です。
その書式は、
=ROUNDDOWN(数値,桁数) です。
引数の「桁数」に「0」を指定すると、小数点以下を切り捨てます。正の数を指定すると小数点以下で、負の数を指定すると整数部分で切り捨てます。つまり、「1」は小数点以下第一位に、「-1」は十の位にそろえてくれます。
「数値」引数には、数値ばかりでなく計算式を入れてもOKです。また、セル参照もOKです。
【4】 具体的使用例
次のとおり、各セルに数値と計算式が入力されています。
A2セル: 380
B2セル: 3
C2セル: =A2/B2
D2セルに、C2セルの計算結果の小数点以下を切り捨てた整数部分を求めたいときは、D2セルに「=ROUNDDOWN(C2,0)」と入力します。これによって、小数点以下のない整数「126」が出てきます。B2セル: 3
C2セル: =A2/B2
下の掲載画のとおりです。
【5】 おまけ(補足)
関数が処理した結果(計算結果)のことを、専門的には「戻り値」と呼びます。
上記D2セルのROUNDDOWN関数の「戻り値」は126だ、といった言い方になります。
Excelにはどのような関数が用意されているのかを知っており、そしておぼろげながらでもその関数名を覚えていれば、相当程度Excelを使いこなせるでしょう。
ただし、私は今、Linuxコマンドやシェルスクリプトの方に興味がありますが・・・。
それでは、また次の記事で
■■■■ goosyun ■■■■
《2025年1月13日追記》
似たような関数ROUND、 ROUNDUPの記事を書きました。
⇒ こちらをご覧ください。