しばらく前から
Skywatcherのgoto dobに新型が登場しています。
New GOTO DOB wifiとNewGOTO DOBの2種類が併売されていますが、
よく見ると駆動部の構造が異なります。
New GOTO DOB wifi
DOB16 DOB14 DOB12 DOB10 DOB8
wifi付の方は旧型と同じで10インチ以下と12インチ以上で駆動部が異なっています。
New GOTO DOB
DOB16 DOB14 DOB12 DOB10 DOB8
一方、wifiなしの方は10インチから16インチまで全部駆動部は一緒で、
以前からある10インチ以下用のクランプのないタイプに統一されている
ように見えます。
New GOTO DOB12 wifi New GOTO DOB12
ショップの説明を見ると、旧モデルから駆動機構を見直すことで、
より安定した自動導入、自動追尾性能を実現とありますが、
だいぶ小さくなっているのと構造が簡素化されているように見え、
内容的に駆動部を統一してコストダウンを図ったのではという気がします。
goto debuの12インチはwifiのついていない
クランプ付きの旧モデルですが、構造はこんな感じです。
クランプ部
中央部分を回して固定します。緩めるとフリーになります。
駆動部のカバーを外したところ
ウオームホイールはΦ150ｍｍくらいとかなり大型のものが
ついており、歯数もかなり多いです。（数えてませんが）
ホイール中央部に大型のワッシャーリングが3枚ほどあり、
これをクランプで締め付けることでホイールと回転軸が
固定される構造になっています。
なのでフリクションの調整機構はありません。
（というかクランプの締め具合でフリクション調整）
ウオームネジ部 ＆ モーター
結構小ぶりなモーターです。
重いアイピースやカメラをつけると水平から起き上がらないのは
フリクションの問題ではなく、モーターが非力だからのようです。
バックラッシュ調整機構
このネジでウォームギヤとホイルの押し当て度合を調整できます
角度検出部
ロータリーエンコーダーではなく、駆動用ホイルの奥にある
黒いホイルの歯数カウントで角度を見ているようです。
上の黒いカバー部まではばらしていないのでわかりませんが、
もしかすると上の黒い部分に別のエンコーダーが入っていて、
それをこのギヤで回しているか、もっと小さな歯車を回して、
その回転をカウントしているのかもしれません。
新型の統一された方の駆動部の構造詳細はわかりませんが、
ネットで旧型のGOTO DOB10の駆動部の仰角フリクション調整を
されている内容のブログがあり、拝見させていただきましたが、
バラした内部構造の写真を拝見すると全く構造が違っており、
ウォームホイルは確認できませんが、大きさもかなり小さそうです。
また、クランプ無しの10インチ以下のタイプは駆動部と回転軸が
きっちり固定できないため、重いアイピースやカメラをつけると
滑ってしまい、撮影には向かないという情報もネットにありました。
（上記の通りフリクションは調整できるようですが）
今回統一された方のタイプがもし旧型の10インチ以下のものと
同じだとすると、どう考えても旧型の12インチ以上のタイプの
駆動部の方が構造的に精度が良いように思えます。
まあ本来GOTO DOBは眼視用なので、その用途としての精度は
新型も充分にあるはずで、goto debuのようにガッツリ撮影に使う
奇特な人はそうはいないので、メーカーの販売戦略としては、
目的用途としての精度が確保できているのであればコストダウンも
仕方ないかとは思います。
なので、
これからGOTO DOBでガッツリ撮影をしてみたいという
奇特な方には、駆動部が小さくなったタイプではなく、
旧型と同じ構造のwifi付きの方の12インチ以上をお勧めします。
（眼視目的の方は気にする必要はないと思いますが）
この先もし統一タイプのみになってしまったら、
うちのGOTO DOBが故障したら旧型は修理できるのかちょっと心配です。
