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TYPE-MOONの「魔法」(3):第四魔法はなぜ消失するのか
筆者-Townmemory 初稿-2022年2月21日 19時21分20秒
本稿はTYPE-MOON作品の世界観に設定されている「魔法」に関する仮説です。三回目となります。第一回、第二回を読まないと意味が通じない内容ですので、未読の方は以下のリンクから順番にお読みください。
これまでの記事は、こちら。
TYPE-MOONの「魔法」(1):無の否定の正体
TYPE-MOONの「魔法」(2):初期三魔法は循環する
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●謎めいた第四魔法
第四魔法以降の話をしていきます。
『Fate/complete material III World material.』には、第四魔法について、こんなことが書いてありました。
ようするになんにもわかっていないってことです。魔法使いの名前もわからないし内容も分からない。
ただし、「じゃあ第四魔法なんて存在しないんじゃないの?」という疑いだけは否定されている。
ところで前回も引用しましたが、『魔法使いの夜』では、第一から第四までの魔法をこんなふうに言っています。
第四魔法は「姿を隠した」そうです。
あやふやな情報を足し合わせると、
「第四魔法は内容も使用者もわからないが存在することだけは確か。そして使用された瞬間に、その痕跡も使用者も姿を消した」
とまあ、こんな感じになりましょうか。
足し合わせても、これだけではさっぱりですね。つまるところ、「第四魔法に関する情報はほとんど皆無に近い」ということになります。が。
●根源に至るための手段
前々稿でもちょっと触れましたが、『魔法使いの夜』のなかに、魔法に関する重要な情報が出てきました。
蒼崎橙子と蒼崎青子によれば、
・魔法には、「根源を目指すための手段」として開発されたものと、「根源に到達した結果」獲得されてしまったものがある(つまり二種類ある)。
・第一魔法は「根源に到達した結果」獲得されてしまったものである。
・第二魔法から第四魔法までは「根源を目指すための手段」として開発されたものである。
・そして蒼崎青子の第五魔法は、第一と同じく「根源に到達した結果」獲得されたものである。
第一と第五についてはひとまず置いといて、
・第二・第三・第四魔法は「根源を目指すための手段」である。
この情報の重要性は、第二から第四までは「根源に手を触れなくても獲得可能な魔法である」という点にあります。
ですよね? だって、
「くそう、なんとかして根源に手を触れたいぜ。そのためにはどうしたらいいんだろう。そうだ! こんな『魔法』があったら根源に到達可能じゃないか? ようし、そんな魔法を開発してみるぞー」
ということなのですものね。
この話を、ちょっと言い換えてみると、こんなふうになるんじゃないでしょうか。
・第二・第三・第四魔法には、共通点がある。
さらに掘り下げてみると、こうなりそうだ。
・その共通点とは「これを使えば根源に到達できる」というものであるはずだ。
そして、第二魔法と第三魔法の内容は、ほぼオープンになっているので、
・第二魔法と第三魔法の間に共通点があり、その共通点が「根源への到達」と関係ありそうな場合、第四魔法もその共通点を持っているはずだ。
その共通点とは?
●無限のエネルギーがあれば根源に至れる
前回や前々回でもさんざ触れていますが、もう一度。
第二魔法の内容は『並行世界の運営』。
はっきり描かれてはいないものの、パラレルワールドの感知・観測・あとおそらく移動などを可能としているもようです。
応用技として、「四次元ポケットを作る」「並行世界の自分が持っているスキルを取り寄せる」「並行世界から魔力を取り寄せてほぼ無限のエネルギー源として使う」などがあります。
第三魔法の内容は『魂の物質化』。
本来なら、むき身のまま現実世界に置いておくことが出来ない「魂」を、安定した物質として存在させることができるという魔法。
物質化した魂の存在は不老不死・不滅の存在となるほか、魂は無尽蔵のエネルギーを内包しているため、自分自身をほぼ無限のエネルギー源として使用可能です。
こう並べてみると、第二魔法と第三魔法の共通点はあきらかです。
「ほぼ無限のエネルギーの入手を可能とする」
そして、『Fate/stay night』で描かれた冬木の「聖杯システム」は、以下のような方法で根源に手を伸ばそうとしていました。
「七人の英霊の魂をまとめて一つにし、それが天に帰っていくときの巨大なエネルギーを利用して世界の外殻に穴を開ける」
そう。つまるところ、「膨大なエネルギーがあれば、根源と自分との間に通路を作ることができる」という大原則があるようなのです。
その「膨大なエネルギー」をどうやって手に入れるか。
第二魔法のゼルレッチは「並行世界から魔力をかき集める」という方法を編み出した。第三魔法の使い手(本稿の説ではユミナ)は「物質化した魂から取り出す」という方法を使った。
「根源へ至る方法を見つける」とは、言い換えれば「無限に近いエネルギーを手に入れる方法を探す」ということだ。
仮にそういうことであれば。
第二・第三魔法と同じく「根源へ到達するための方法論」であるとされる第四魔法も、つきつめたら「無限に近いエネルギーを入手するためのメソッド」だ、ということになりそうなのです。
第四魔法の使い手は、「こうやれば無限のエネルギーを入手できるんじゃないか」という新しい方法をハタと思いついた。
それを実行してみたところ、成功した。
だが、その人物はそれきり、姿を消してしまった。
●根源のない世界
第四魔法の使い手さん(名前不明)は、「全く新しい方法で無限エネルギーを入手して根源に至ろう」と画策した。
そういうことを画策する人が最初にすることは何か。
成功実績がある従来の方法を研究しつくすことです。私ならそうします。
なので、第四魔法の使い手さんは、既存の方法を熱心に検討した。ここでの既存の方法とは、本稿(一連の投稿)で論述している仮説の通りとします。
第三魔法で魂を物質化すれば無限のエネルギーを得られる。
そのエネルギーを使って根源の観測に成功し、「あるかもしれないしないかもしれない」状態だった根源を「ある」という方向に収束させた(第一魔法)。
観測によって「あるか/ないか」の二択を一択に収束させられるのなら、それは量子力学なので、エヴェレット解釈により並行世界は存在するはずだ。
その並行世界を感知し、そこからエネルギーを集めることで、無限のエネルギーを得られるようになった(第二魔法)。
ここで、第四魔法の使い手は「アレ?」と思ったはずです。
第二魔法の成立により、この世のルールはエヴェレット解釈であることが確定した。
つまり、
「箱の中の猫が、生きているか/死んでいるか、の二択である場合。箱を開けて中身を観測した瞬間に、世界は二つに分岐する」
「世界は、『猫が生きている世界』と『猫が死んだ世界』の二つに分かれる」
じゃあ、第一魔法の使い手ジーザス・クライストが「あるか/ないか」の二択である根源を観測して「根源はある」という結果になったのなら……。
世界は、「根源がある世界」と「根源がない世界」に分岐したはずではないか。
●真エーテルのある世界
まだ根源が観測される前。
この宇宙が「根源はある」か「根源はない」かの二択だったころ。
世界は「この世界は確かに実体がある」か「この世界は夢まぼろしだ」かの二択だったのです。
(これについては当シリーズの第一回をご覧ください)
「この世界は実体」という真実と、「この世界は夢まぼろし」という真実が、重なり状態になっていて、50%/50%で「どっちでもある」という状態だった。
☆
ちょっと話がワキにずれますが……。
たぶん、「神代の時代の神々/英雄」や、彼らが奇跡の行使において使っていたという「真エーテル」は、「この世界は夢まぼろし」という側の存在なんじゃないかな。
TYPE-MOON世界観では、神話の神々は、大気中に満ちる真エーテルというものを魔力源として、さまざまな奇跡を実現していたことになっています。
が、紀元前960年ごろを境に、大気中の真エーテルはどんどん希薄になっていき、神々も姿を消していき、紀元(西暦)元年のころには真エーテルはまったく失われて、この世界から神秘はいっさいがっさい消滅する予定になっていた。
ところが西暦20年頃に、真がつかない「エーテル」の存在が証明され、真がつかないエーテルを元にした魔術文明が勃興したので、この世から神秘は失われずに済んだ……という設定になっています。
このあたりは、『ロード・エルメロイII世の事件簿 material』の年表(P.21)に全部書いてあることです。
きっと、神代の魔術師メディアさんや英雄王ギルガメッシュといった神々は「夢の世界の存在」で、彼らが使っていた真エーテルは「夢の世界の魔力」なんだと思います。
本稿の説では、
「ジーザスが根源を発見したことにより、この世は夢ではなく、実体がある世界となった」
「それに伴い、実体を『存在させている力』であるエーテル(真ではない方)も、存在しはじめるようになった」
としています。
「西暦元年ごろに、真エーテルが(この世界から)消滅し、入れ替わるようにしてエーテル(真ではない方)の存在が証明される」
(と資料に書かれている)
その一方、
「西暦20年ごろに、この世が夢まぼろしである可能性が(この世界から)消滅し(無の否定)、『この世は実体がある』が現実となる」
(本稿による仮説)
というふうに、タイミング的にもほぼ一致することになります。ですから「真エーテルは夢の世界の魔力」「エーテルは実体の世界の魔力」という推定は成り立つものと考えます。
(この世界は、西暦元年から20年くらいの間に「夢から覚める」のですね)
☆
……さて、話を戻します。
ジーザス・クライストが根源を観測するまでは、「この世界は実体」という真実と、「この世界は夢まぼろし」という真実が、重なり状態になっていた。
50%/50%で「どっちでもある」という状態だった。
根源が観測されたことで「根源の実在」が確定し、それに伴って「この世は夢ではなく、実体がある」という真実が確定した。そっち側の世界が選択された。
それに伴い、「この世に実体はなく、夢だ」という可能性は、この世界からきえうせた。
第四魔法の使い手は、こう考える。
「根源という『箱の中の存在』が観測されたのだから、世界は『根源がある世界』と『根源がない世界』に分岐したはずだ」
「つまり、『根源が存在しない世界』というパラレルワールドが存在するはずだ」
第四魔法の使い手は、さらに考えを進める。
「根源が実在したおかげで、世界は夢でなく実体であることが決定した。ならば、根源が実在しないというパラレルワールドは、『この世に実体はなく、夢だ』という世界であるはずだ」
そして、
「真エーテルの正体が、『夢の世界の魔力』なのだとしたら……」
「もし『根源が実在しない並行世界』にアクセスすることができるのなら、そこには神代の神々が使っていた『真エーテル』が満ち満ちているはずだ」
「もし真エーテルを意のままに集めて使えたら、その莫大なエネルギーで、根源まで到達することだって可能なはずだ」
さいわい、「並行世界を観測する」メソッドは、ゼルレッチが開発済み(並行世界を観測可能であることはすでに示されている)。これを研究・応用すれば実現は可能そうではないか。
第四魔法の使い手は、そういう技術を、実際に開発した。
理論は完璧だ。
今こそ、神々が住まい真エーテルが満ちる世界へ手を伸ばすときだ。
彼(彼女)はその魔法を実行しました。
ところが……。
●「世界は実在しない」という世界
第四魔法の使い手がエネルギーを得ようとして手を伸ばした夢の世界とは、
「ジーザスが世界の外殻に穴を開けてみたら、その向こうに根源が存在しなかった世界線」
の世界なわけです。
言い換えれば、
「根源中心世界観などというものは存在しないのでこの世も存在しない」
という世界です(本稿の説では)。
本稿の説では、あらゆる存在は、根源に照らし出されて初めて存在できるので、根源がなければ、万物は最初から存在しません。「あるような気がしただけ」というしろものです。
第四魔法の使い手が到達した並行世界とは、
「世界は実在しないという真実が存在する世界だった」のです。
第四魔法の使い手は、「世界は実在しない」という世界の「観測に成功」したのですから、この瞬間から、「世界が実在しないという世界は存在する」ことになります。
(パラドキシカルな言い方ですが、そうとしか言いようがない)
そんな世界に首と手をつっこんだらどうなるか。
第四魔法の使い手は、「向こう側の世界に属する者」になる。
「世界は実在しない」という世界の住人となる。
世界は実在しないという世界の住人は実在しえませんから、第四魔法の使い手という人物は実在しえなくなる。
だから第四魔法の成功と同時に、第四魔法の使い手はきれいさっぱり消え失せ、どこにも存在しなくなったのだと考えます。
●無の肯定
本稿の説では、ジーザス・クライストは第一魔法を使って「この世界は夢などではなく、たしかに実体を持って存在する」という事実を発生させました。
これは「無の否定」と呼んだらちょうどいいような事績です。
第四魔法の使い手は、第四魔法を使って「この世は実在などせず、実体のない夢まぼろしだ」という事実を発生させたのです(そういう並行世界を観測する、という方法で)。
この魔法に名前をつけるなら、自然とこうなるのではないでしょうか。
「第四魔法:無の肯定」。
この世は誰かが見ている夢にすぎず、存在しないのである。
第四魔法は、魔術世界の重鎮たちが「確かにそれはある」とだけ言い、内容には一切触れないというような扱いになっています。いってみれば「内容については一切秘匿」くらいの扱いです。
魔法は神秘世界の究極目的のひとつです。「実現可能である」とわかったのなら、後進の魔術師たちが必死で研究しそうなものなのに、そうなっていないのはなぜか。
おそらく、「この世など存在しない、無である」という並行世界を観測したり、現実世界との間にバイパスを通したりしたら、「こちらの世界が無に侵食される」くらいの可能性があるからじゃないでしょうか。
それって、「いまある世界がまるごと否定される」にひとしいので、危険すぎて、
「この魔法は掘らないほうが良い」
というコンセンサスが容易に得られそうです。そういうことで、「第四魔法については誰も語らない」のだと思います。
☆
上記のような「第四魔法の内容は、第一魔法によって否定された裏世界の観測である」というアイデアを、今後、仮に、
「第四魔法=非実在世界観測説」
と呼ぶことにします。
(「第四魔法=無の肯定説」でもよいのだけど)
ああ、ついでに、本稿で仮説提示している第一魔法のアイデアも用語化しておきましょう。第一魔法は、
「第一魔法=根源観測説」
とします。
以後、これらの語が出てきたらその意味だと思ってください。
また、本稿の説を独自に修正したり展開したい方は、できればこの語を使い、リンクを張っていただけると助かります。
●第四魔法に関する余談
余談をふたつ置いておきます。
『ロード・エルメロイII世の事件簿 material』の22ページで、さりげなく存在が示唆されている「世界の裏側」。もしかしたらこれが、第四魔法が観測した「夢の世界(無の肯定の世界・根源のない世界)」なのかもしれません。
「例外的に竜が一匹、この世界に残った」といっているのですから、大多数の竜が世界の裏側に移転したことになります。
本稿の説では第四魔法が観測した「夢の世界」は、真エーテルが満ち、神々が存在できる世界なので、ここに幻想種が移住して生存をはかるというのはわりあい整合感があります。
これまでは「夢と現実のはざま」にかろうじて存在できていた神々や幻想種ですが、世界が目覚めてしまったために存在できなくなった。そこで、夢の世界に移住して生き延びることにした。これを現実世界側から見ると「この世から神々や幻想種は消えてしまった」という現象になる。
もうひとつ。
『Fate/complete material III World material.』に、「魔術属性」という設定のまとめが書かれています。
魔術師は一つ以上の魔術属性を(おおむね)持っている。通常、「火」「地」「水」「風」「空」のいずれかである。
が、これに加えてレア属性として「虚」と「無」というのがある。説明書きにこう書かれています。
重要部分を拾ってまとめると、
虚……あり得るが、物質界にないもの。
無……あり得ないが、物質化するもの。
なんのことやらって感じですが、「虚」のほうは、本稿で仮説を立てた「第四魔法で観測した夢の世界」とイメージが近いです。
本稿における「第四魔法で観測した夢の世界」は、観測可能であった以上、並行世界として存在しています。ですから「あり得る」世界です。
しかし、実際には「物質としての実体を持たない」という特異性をそなえた世界なので、「物質界にない」のです。
そんな感じで、「魔術属性・虚」というのは、「根源が存在せず、万物に実体がない並行世界」との間に、何らかの接続をともなうような属性だったりすると、整合感が出るんだけどなあ、どうなのかなあ、と思っています。
じゃあ、「無」のほう、「あり得ないが、物質化するもの」のほうは何なんだって話になるのですが、これは真祖ブリュンスタッド一族の方々が持っている「空想具現化」能力を連想させます。
『月姫』のメインキャラ、アルクェイドは、「頭の中に想像したものを物体として取り出す」というすごい能力を持っています。
アルクェイドの頭の中にしかないもの、その意味で「存在しない(あり得ない)」ものが物体として存在してしまう。
まとめるとこう。
●第四魔法観測世界(=虚か?)
その世界は確実に存在する(あり得る)にもかかわらず、実体を持たない(物質界にない)。
●空想具現化(=無か?)
そんなものは存在しない(あり得ない)にもかかわらず、実体として出現する(物質化する)。
……予定では、全3回で書き切るつもりだったのですが、書き切れませんでした。この話、まだ続きます。次回は第五魔法について。
続きはこちらです。TYPE-MOONの「魔法」(4):第五の継承者はなぜ青子なのか
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TYPE-MOONの「魔法」(3):第四魔法はなぜ消失するのか
筆者-Townmemory 初稿-2022年2月21日 19時21分20秒
本稿はTYPE-MOON作品の世界観に設定されている「魔法」に関する仮説です。三回目となります。第一回、第二回を読まないと意味が通じない内容ですので、未読の方は以下のリンクから順番にお読みください。
これまでの記事は、こちら。
TYPE-MOONの「魔法」(1):無の否定の正体
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●謎めいた第四魔法
第四魔法以降の話をしていきます。
『Fate/complete material III World material.』には、第四魔法について、こんなことが書いてありました。
第一魔法と同じく、その詳細は不明。内容についても伝わっていない。だが、現存する魔法使いたちは、この第四魔法を指して異口同音に「確かにそれはある」と、実在を認めている。また、使い手の名も分かってはいない。『Fate/complete material III World material.』P.48
ようするになんにもわかっていないってことです。魔法使いの名前もわからないし内容も分からない。
ただし、「じゃあ第四魔法なんて存在しないんじゃないの?」という疑いだけは否定されている。
ところで前回も引用しましたが、『魔法使いの夜』では、第一から第四までの魔法をこんなふうに言っています。
……はじめの一つは全てを変えた。『魔法使いの夜』
……つぎの二つは多くを認めた。
……受けて三つは未来を示した。
……繋ぐ四つは姿を隠した。
第四魔法は「姿を隠した」そうです。
あやふやな情報を足し合わせると、
「第四魔法は内容も使用者もわからないが存在することだけは確か。そして使用された瞬間に、その痕跡も使用者も姿を消した」
とまあ、こんな感じになりましょうか。
足し合わせても、これだけではさっぱりですね。つまるところ、「第四魔法に関する情報はほとんど皆無に近い」ということになります。が。
●根源に至るための手段
前々稿でもちょっと触れましたが、『魔法使いの夜』のなかに、魔法に関する重要な情報が出てきました。
蒼崎橙子と蒼崎青子によれば、
・魔法には、「根源を目指すための手段」として開発されたものと、「根源に到達した結果」獲得されてしまったものがある(つまり二種類ある)。
・第一魔法は「根源に到達した結果」獲得されてしまったものである。
・第二魔法から第四魔法までは「根源を目指すための手段」として開発されたものである。
・そして蒼崎青子の第五魔法は、第一と同じく「根源に到達した結果」獲得されたものである。
第一と第五についてはひとまず置いといて、
・第二・第三・第四魔法は「根源を目指すための手段」である。
この情報の重要性は、第二から第四までは「根源に手を触れなくても獲得可能な魔法である」という点にあります。
ですよね? だって、
「くそう、なんとかして根源に手を触れたいぜ。そのためにはどうしたらいいんだろう。そうだ! こんな『魔法』があったら根源に到達可能じゃないか? ようし、そんな魔法を開発してみるぞー」
ということなのですものね。
この話を、ちょっと言い換えてみると、こんなふうになるんじゃないでしょうか。
・第二・第三・第四魔法には、共通点がある。
さらに掘り下げてみると、こうなりそうだ。
・その共通点とは「これを使えば根源に到達できる」というものであるはずだ。
そして、第二魔法と第三魔法の内容は、ほぼオープンになっているので、
・第二魔法と第三魔法の間に共通点があり、その共通点が「根源への到達」と関係ありそうな場合、第四魔法もその共通点を持っているはずだ。
その共通点とは?
●無限のエネルギーがあれば根源に至れる
前回や前々回でもさんざ触れていますが、もう一度。
第二魔法の内容は『並行世界の運営』。
はっきり描かれてはいないものの、パラレルワールドの感知・観測・あとおそらく移動などを可能としているもようです。
応用技として、「四次元ポケットを作る」「並行世界の自分が持っているスキルを取り寄せる」「並行世界から魔力を取り寄せてほぼ無限のエネルギー源として使う」などがあります。
第三魔法の内容は『魂の物質化』。
本来なら、むき身のまま現実世界に置いておくことが出来ない「魂」を、安定した物質として存在させることができるという魔法。
物質化した魂の存在は不老不死・不滅の存在となるほか、魂は無尽蔵のエネルギーを内包しているため、自分自身をほぼ無限のエネルギー源として使用可能です。
こう並べてみると、第二魔法と第三魔法の共通点はあきらかです。
「ほぼ無限のエネルギーの入手を可能とする」
そして、『Fate/stay night』で描かれた冬木の「聖杯システム」は、以下のような方法で根源に手を伸ばそうとしていました。
「七人の英霊の魂をまとめて一つにし、それが天に帰っていくときの巨大なエネルギーを利用して世界の外殻に穴を開ける」
そう。つまるところ、「膨大なエネルギーがあれば、根源と自分との間に通路を作ることができる」という大原則があるようなのです。
その「膨大なエネルギー」をどうやって手に入れるか。
第二魔法のゼルレッチは「並行世界から魔力をかき集める」という方法を編み出した。第三魔法の使い手(本稿の説ではユミナ)は「物質化した魂から取り出す」という方法を使った。
「根源へ至る方法を見つける」とは、言い換えれば「無限に近いエネルギーを手に入れる方法を探す」ということだ。
仮にそういうことであれば。
第二・第三魔法と同じく「根源へ到達するための方法論」であるとされる第四魔法も、つきつめたら「無限に近いエネルギーを入手するためのメソッド」だ、ということになりそうなのです。
第四魔法の使い手は、「こうやれば無限のエネルギーを入手できるんじゃないか」という新しい方法をハタと思いついた。
それを実行してみたところ、成功した。
だが、その人物はそれきり、姿を消してしまった。
●根源のない世界
第四魔法の使い手さん(名前不明)は、「全く新しい方法で無限エネルギーを入手して根源に至ろう」と画策した。
そういうことを画策する人が最初にすることは何か。
成功実績がある従来の方法を研究しつくすことです。私ならそうします。
なので、第四魔法の使い手さんは、既存の方法を熱心に検討した。ここでの既存の方法とは、本稿(一連の投稿)で論述している仮説の通りとします。
第三魔法で魂を物質化すれば無限のエネルギーを得られる。
そのエネルギーを使って根源の観測に成功し、「あるかもしれないしないかもしれない」状態だった根源を「ある」という方向に収束させた(第一魔法)。
観測によって「あるか/ないか」の二択を一択に収束させられるのなら、それは量子力学なので、エヴェレット解釈により並行世界は存在するはずだ。
その並行世界を感知し、そこからエネルギーを集めることで、無限のエネルギーを得られるようになった(第二魔法)。
ここで、第四魔法の使い手は「アレ?」と思ったはずです。
第二魔法の成立により、この世のルールはエヴェレット解釈であることが確定した。
つまり、
「箱の中の猫が、生きているか/死んでいるか、の二択である場合。箱を開けて中身を観測した瞬間に、世界は二つに分岐する」
「世界は、『猫が生きている世界』と『猫が死んだ世界』の二つに分かれる」
じゃあ、第一魔法の使い手ジーザス・クライストが「あるか/ないか」の二択である根源を観測して「根源はある」という結果になったのなら……。
世界は、「根源がある世界」と「根源がない世界」に分岐したはずではないか。
●真エーテルのある世界
まだ根源が観測される前。
この宇宙が「根源はある」か「根源はない」かの二択だったころ。
世界は「この世界は確かに実体がある」か「この世界は夢まぼろしだ」かの二択だったのです。
(これについては当シリーズの第一回をご覧ください)
「この世界は実体」という真実と、「この世界は夢まぼろし」という真実が、重なり状態になっていて、50%/50%で「どっちでもある」という状態だった。
☆
ちょっと話がワキにずれますが……。
たぶん、「神代の時代の神々/英雄」や、彼らが奇跡の行使において使っていたという「真エーテル」は、「この世界は夢まぼろし」という側の存在なんじゃないかな。
TYPE-MOON世界観では、神話の神々は、大気中に満ちる真エーテルというものを魔力源として、さまざまな奇跡を実現していたことになっています。
が、紀元前960年ごろを境に、大気中の真エーテルはどんどん希薄になっていき、神々も姿を消していき、紀元(西暦)元年のころには真エーテルはまったく失われて、この世界から神秘はいっさいがっさい消滅する予定になっていた。
ところが西暦20年頃に、真がつかない「エーテル」の存在が証明され、真がつかないエーテルを元にした魔術文明が勃興したので、この世から神秘は失われずに済んだ……という設定になっています。
このあたりは、『ロード・エルメロイII世の事件簿 material』の年表(P.21)に全部書いてあることです。
きっと、神代の魔術師メディアさんや英雄王ギルガメッシュといった神々は「夢の世界の存在」で、彼らが使っていた真エーテルは「夢の世界の魔力」なんだと思います。
本稿の説では、
「ジーザスが根源を発見したことにより、この世は夢ではなく、実体がある世界となった」
「それに伴い、実体を『存在させている力』であるエーテル(真ではない方)も、存在しはじめるようになった」
としています。
「西暦元年ごろに、真エーテルが(この世界から)消滅し、入れ替わるようにしてエーテル(真ではない方)の存在が証明される」
(と資料に書かれている)
その一方、
「西暦20年ごろに、この世が夢まぼろしである可能性が(この世界から)消滅し(無の否定)、『この世は実体がある』が現実となる」
(本稿による仮説)
というふうに、タイミング的にもほぼ一致することになります。ですから「真エーテルは夢の世界の魔力」「エーテルは実体の世界の魔力」という推定は成り立つものと考えます。
(この世界は、西暦元年から20年くらいの間に「夢から覚める」のですね)
☆
……さて、話を戻します。
ジーザス・クライストが根源を観測するまでは、「この世界は実体」という真実と、「この世界は夢まぼろし」という真実が、重なり状態になっていた。
50%/50%で「どっちでもある」という状態だった。
根源が観測されたことで「根源の実在」が確定し、それに伴って「この世は夢ではなく、実体がある」という真実が確定した。そっち側の世界が選択された。
それに伴い、「この世に実体はなく、夢だ」という可能性は、この世界からきえうせた。
第四魔法の使い手は、こう考える。
「根源という『箱の中の存在』が観測されたのだから、世界は『根源がある世界』と『根源がない世界』に分岐したはずだ」
「つまり、『根源が存在しない世界』というパラレルワールドが存在するはずだ」
第四魔法の使い手は、さらに考えを進める。
「根源が実在したおかげで、世界は夢でなく実体であることが決定した。ならば、根源が実在しないというパラレルワールドは、『この世に実体はなく、夢だ』という世界であるはずだ」
そして、
「真エーテルの正体が、『夢の世界の魔力』なのだとしたら……」
「もし『根源が実在しない並行世界』にアクセスすることができるのなら、そこには神代の神々が使っていた『真エーテル』が満ち満ちているはずだ」
「もし真エーテルを意のままに集めて使えたら、その莫大なエネルギーで、根源まで到達することだって可能なはずだ」
さいわい、「並行世界を観測する」メソッドは、ゼルレッチが開発済み(並行世界を観測可能であることはすでに示されている)。これを研究・応用すれば実現は可能そうではないか。
第四魔法の使い手は、そういう技術を、実際に開発した。
理論は完璧だ。
今こそ、神々が住まい真エーテルが満ちる世界へ手を伸ばすときだ。
彼(彼女)はその魔法を実行しました。
ところが……。
●「世界は実在しない」という世界
第四魔法の使い手がエネルギーを得ようとして手を伸ばした夢の世界とは、
「ジーザスが世界の外殻に穴を開けてみたら、その向こうに根源が存在しなかった世界線」
の世界なわけです。
言い換えれば、
「根源中心世界観などというものは存在しないのでこの世も存在しない」
という世界です(本稿の説では)。
本稿の説では、あらゆる存在は、根源に照らし出されて初めて存在できるので、根源がなければ、万物は最初から存在しません。「あるような気がしただけ」というしろものです。
第四魔法の使い手が到達した並行世界とは、
「世界は実在しないという真実が存在する世界だった」のです。
第四魔法の使い手は、「世界は実在しない」という世界の「観測に成功」したのですから、この瞬間から、「世界が実在しないという世界は存在する」ことになります。
(パラドキシカルな言い方ですが、そうとしか言いようがない)
そんな世界に首と手をつっこんだらどうなるか。
第四魔法の使い手は、「向こう側の世界に属する者」になる。
「世界は実在しない」という世界の住人となる。
世界は実在しないという世界の住人は実在しえませんから、第四魔法の使い手という人物は実在しえなくなる。
だから第四魔法の成功と同時に、第四魔法の使い手はきれいさっぱり消え失せ、どこにも存在しなくなったのだと考えます。
●無の肯定
本稿の説では、ジーザス・クライストは第一魔法を使って「この世界は夢などではなく、たしかに実体を持って存在する」という事実を発生させました。
これは「無の否定」と呼んだらちょうどいいような事績です。
第四魔法の使い手は、第四魔法を使って「この世は実在などせず、実体のない夢まぼろしだ」という事実を発生させたのです(そういう並行世界を観測する、という方法で)。
この魔法に名前をつけるなら、自然とこうなるのではないでしょうか。
「第四魔法:無の肯定」。
この世は誰かが見ている夢にすぎず、存在しないのである。
第四魔法は、魔術世界の重鎮たちが「確かにそれはある」とだけ言い、内容には一切触れないというような扱いになっています。いってみれば「内容については一切秘匿」くらいの扱いです。
魔法は神秘世界の究極目的のひとつです。「実現可能である」とわかったのなら、後進の魔術師たちが必死で研究しそうなものなのに、そうなっていないのはなぜか。
おそらく、「この世など存在しない、無である」という並行世界を観測したり、現実世界との間にバイパスを通したりしたら、「こちらの世界が無に侵食される」くらいの可能性があるからじゃないでしょうか。
それって、「いまある世界がまるごと否定される」にひとしいので、危険すぎて、
「この魔法は掘らないほうが良い」
というコンセンサスが容易に得られそうです。そういうことで、「第四魔法については誰も語らない」のだと思います。
☆
上記のような「第四魔法の内容は、第一魔法によって否定された裏世界の観測である」というアイデアを、今後、仮に、
「第四魔法=非実在世界観測説」
と呼ぶことにします。
(「第四魔法=無の肯定説」でもよいのだけど)
ああ、ついでに、本稿で仮説提示している第一魔法のアイデアも用語化しておきましょう。第一魔法は、
「第一魔法=根源観測説」
とします。
以後、これらの語が出てきたらその意味だと思ってください。
また、本稿の説を独自に修正したり展開したい方は、できればこの語を使い、リンクを張っていただけると助かります。
●第四魔法に関する余談
余談をふたつ置いておきます。
『ロード・エルメロイII世の事件簿 material』の22ページで、さりげなく存在が示唆されている「世界の裏側」。もしかしたらこれが、第四魔法が観測した「夢の世界(無の肯定の世界・根源のない世界)」なのかもしれません。
幻想の世界が終わるとき、世界の裏側に移転せずにこの世界で没した巨大な竜がいる。『ロード・エルメロイII世の事件簿 material』P.22
「例外的に竜が一匹、この世界に残った」といっているのですから、大多数の竜が世界の裏側に移転したことになります。
本稿の説では第四魔法が観測した「夢の世界」は、真エーテルが満ち、神々が存在できる世界なので、ここに幻想種が移住して生存をはかるというのはわりあい整合感があります。
これまでは「夢と現実のはざま」にかろうじて存在できていた神々や幻想種ですが、世界が目覚めてしまったために存在できなくなった。そこで、夢の世界に移住して生き延びることにした。これを現実世界側から見ると「この世から神々や幻想種は消えてしまった」という現象になる。
もうひとつ。
『Fate/complete material III World material.』に、「魔術属性」という設定のまとめが書かれています。
魔術師は一つ以上の魔術属性を(おおむね)持っている。通常、「火」「地」「水」「風」「空」のいずれかである。
が、これに加えてレア属性として「虚」と「無」というのがある。説明書きにこう書かれています。
虚 間桐桜が生まれつき持っていた属性。魔術においては“あり得るが、物質界にないもの”と定義される。虚数と呼ばれることもある。『Fate/complete material III World material.』P.41
無 虚と同じく架空元素の属性。魔術においては“あり得ないが、物質化するもの”と定義される。物理学や数学の“無”とは意味が異なる。
重要部分を拾ってまとめると、
虚……あり得るが、物質界にないもの。
無……あり得ないが、物質化するもの。
なんのことやらって感じですが、「虚」のほうは、本稿で仮説を立てた「第四魔法で観測した夢の世界」とイメージが近いです。
本稿における「第四魔法で観測した夢の世界」は、観測可能であった以上、並行世界として存在しています。ですから「あり得る」世界です。
しかし、実際には「物質としての実体を持たない」という特異性をそなえた世界なので、「物質界にない」のです。
そんな感じで、「魔術属性・虚」というのは、「根源が存在せず、万物に実体がない並行世界」との間に、何らかの接続をともなうような属性だったりすると、整合感が出るんだけどなあ、どうなのかなあ、と思っています。
じゃあ、「無」のほう、「あり得ないが、物質化するもの」のほうは何なんだって話になるのですが、これは真祖ブリュンスタッド一族の方々が持っている「空想具現化」能力を連想させます。
『月姫』のメインキャラ、アルクェイドは、「頭の中に想像したものを物体として取り出す」というすごい能力を持っています。
アルクェイドの頭の中にしかないもの、その意味で「存在しない(あり得ない)」ものが物体として存在してしまう。
まとめるとこう。
●第四魔法観測世界(=虚か?)
その世界は確実に存在する(あり得る)にもかかわらず、実体を持たない(物質界にない)。
●空想具現化(=無か?)
そんなものは存在しない(あり得ない)にもかかわらず、実体として出現する(物質化する)。
……予定では、全3回で書き切るつもりだったのですが、書き切れませんでした。この話、まだ続きます。次回は第五魔法について。
続きはこちらです。TYPE-MOONの「魔法」(4):第五の継承者はなぜ青子なのか
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仮に第四魔法が無の肯定や世界の裏側の観測に関わるものだとすると、それを量子力学に当てはめると反物質やダークマターに該当するように思えます。
更に第四魔法がそういった危険のあるものである場合、本当に魔術協会のトップと、魔法使いたちしか内容を知らないのではないかと思います。
ということは、いつどのようにして蒼崎青子の祖父は第四魔法の正体を知ったのでしょうか?
この説では祖父が第四魔法の中身を知っていた前提でなければ第五魔法が成立しません。
蒼崎家は当時の祖父の代では四代目となり、それなりに古い家系ではありますが、第五魔法の他に伝わる秘伝のようなものもないようですし、
魔術協会の中で魔法を知り得る特別な地位にあった家系とは思えません。
もしよろしければその辺りの考察もお聞きしたいです。
ご質問の件ですが「何らかの理由で知っていた」で構わないと思っていますが、そうでなかったとしても、「第一魔法から第三魔法までの内容を検討していたら、第四魔法の正体に気づいた」でいいと思います。
私が第四魔法の内容をこのように推測できたのですから、蒼崎のおじいちゃんにできない道理はないと思うのです。
そうかもしれません。私は「誰かの夢を見ている私たちも誰かの夢の登場人物にすぎないよね」という受け取り方です。
ご質問についてですが、本稿の説における第四魔法が、第二魔法に包含されるとは考えていません。ですので、それについての考えは現在のところありません。そんな感じですが、すみません。