小学生の卒業文集に書いた夢は「歌って踊れる大工」だった。
歌って踊りながら大工はしてないけど、鼻歌と独り言全開では大工しているから、近い夢にはなっているのかな(笑)
必要としてくれる人の為に大工として生きて、死にたいと思い独立した。
経営の仕方も、いくら取ったらいいのかも知らない中で、勉強させて貰いながら歩いて来ました。
私は図面や仕様、お金がもちろん決まっていても、依頼してくれた方への愛が溢れ過ぎて「こっちの方がいい」と浮かんでしまうと、ドライになれず、経営者的な判断よりも人間的な判断で、工期や納期を後回しにしてしまう致命的に欠落を持っています。
だから「時間を優先するのであれば私に頼まないで下さい」と伝えるようにしています。
それでも「早く」と言われることはありますが「だから言ったじゃん」と知らんぷりします笑
でも、心の中では「本当に申し訳ない」と思っていたり「オレじゃない人に頼めば困らせる事は無かっただろうな」と苦しくなっています。不安で不安で潰されそうになっているんです、実はね笑
そんな時は余計に、形になった時に「この人に頼んで良かった」と思って貰いたいと、さらにウェットにネチネチやっちゃうんですわ笑笑
仕事としてはダメな大工でしょう。
アテにならない信頼出来ないヤツでしょう。
何が正解なのか分からないけど、そんな事が分かった上で頼んでもらえるなら、私は日本で1番愛情たっぷりに作ります。
出来上がった後も見守りたいと思うのです。その為に若い子を育て、生き続ける限り見守りたいんです。
近所のおばちゃんの願いから日本で1番ぶっ飛んだ建築まで、出来る男になりたいと独立して約15年。
なかなか近い方になっているとは言え、不安や不満、出来てない事への自責は増えています。笑顔で過ごしてくれる家族を見ると自信は復活するんですけどね。
カスタムバイクや芸術作品、サーフボードなんかもそうだけど、彼らは納期ぶっちぎっても成立しているから、オレもそっちだと思って許して笑
今回作っていた建築は「木の上にこんな建築を作るのが夢だったんだよね」と聞いてしまい、出来る事を全て注ぎたいと、作っていました。貰っていた図面は無くてCGだけだったので、どんな形がいいのか、どんな形にすべきか、を注いで身体を動かしました。
そのうち目にするかも知れませんが、これが沢山の人の目を惹き、来て見たいと足を運び、ぶっ飛んだ建築家の脳みそが産んだ建築を楽しんでもらえたら私は幸せです。
今後こんな建築を作る事は多分無いだろうけど、ほとんどの人が経験した事のない建築を作った事を近所のおばちゃんの願いの為に使えたら、やって良かったな、と思うかな。
建築は最高だ。
建築はジャズだぜ。