久々宮部作品を読みました。
なにせ、レベル7、火車、あたりまではよかったのですが、
そのあとの理由、模倣犯がよくなかった。
はっきりいってクソな人の話だったので、イラついて、面白くなかったです。
それでほぼ10年ぶり?それくらいになりますかねえ。宮部作品読みました。
なんとソロモンの偽証、ほぼ500ページ越えの文庫本6冊の超大作。
こんなに長い小説をほぼ半月ほどで読んだなんて、「赤毛のアン」か
「風と共に去りぬ」くらいですね。後はとちゅで挫折するか、とん挫することが
多いです。
ということで、大作半月ほどで読了でした。
年始のBSのプレミアム映画でやっていて、途中一番いいところで録画が途切れて
いたのもあるのですが、読みたい、続きを知りたいという欲求が強かったです。
それで・・・
学園ドラマです。中学2年生の男子がクリスマスイブの夜、亡くなります。
学校の屋上から転落死です。死因は自殺か他殺かそれとも事故死か・・・
柏木卓也君の死をめぐり、多感な年代中学生が謎を考えます。
柏木卓也君の死から、それをイジメの復讐として使う、三宅樹里
告発文を校長、担任、主人公の藤野涼子(同級生)に送り付ける。
この告発文を担任の森内先生はこの告発文を隣の逆恨みの垣内という女性に奪われ
マスコミに告発されてしまう・・・
ことの成り行きを隠そうとする、学校。
正義の使者として、間違った報道をしてしまうマスコミ・・・
多感な中学生を揺さぶります。
そして立ち上がるのが生徒自身という設定。
生徒で裁判を起こすということ・・・
・・・今までにない宮部作品です。
解説には児童小説と書かれていましたが、ミステリーとして読むのではなく
中高生が、読む読み物・・・青春小説とは呼べませんが、読後感はすっきりしています。
非常にいい小説でした。長いですが、長さも感じさせない、息詰まる展開。
面白いです。
これなら宮部作品もまだ読んでみてもいいかなと思った作品です。
人間汚い部分はありますが、模倣犯や理由のようなクソのような人間を
描いていくと、どうも現実が楽しくない人はブルーになてしまいます。
このソロモンの偽証は結果何も解決、真犯人とか、悪い人・・・それぞれには
告発文を書いた三宅、間違った報道をした茂木。
柏木卓也の死を自分の思惑に捻じ曲げようとした人々は出てきますが
その人達は結局、生徒たちの裁判によって真実が明らかになった時、
救われています。生徒に真実に救われたのでしょう。
色々うごめく思惑はすべて、柏木卓也が背負って死んでいってくれた。
そう宮部氏は考えて書いていったのではないでしょうか?
所々時代の渦、いじめであるとか、学校の隠蔽体質。
マスコミの責任のない報道など、現代の問題も浮き彫りにしていますが。
全ては柏木卓也の死の真実によって洗い流されている。
そう私は考えました。
面白い小説です。子供にもおすすめ。